俺の遺伝子はいつの頃からこんなに汚れたのだろう?
俺の螺旋階段はいつの頃からこんなに欠けているんだろう?
俺の精子はいつの頃からこんなに白いのだろう?
今日、一本の指を切った。
一滴の血が垂れた。
大きな大きな一滴だった。
止まることなく流れてくれれば
俺は幸せになれたかもしれない。
大事な遺伝子がたくさんたくさん逃げてしまった。
みんなの遺伝子を食って、
今日も俺は生き続ける。
みんなの遺伝子を食って、
今日も俺の身体は変化する。
俺の自我はいつ生まれたのだろう?
俺の意識はいつ生まれたのだろう?
目を瞑って思い出せばいい。
俺の命はあの時、生まれたんだ。
俺の意識もあの時、生まれたんだ。
俺が最初に自分で言った言葉はオギャアアアだったな。
すっかり忘れていたよ。
あの時、確かに俺はこの手で何かを掴んだ。
大事なものを手に入れた気がしたんだ。
世界を手に入れた気がしたんだ。
ところがよく見えるようになったら、
こんな下らない世界じゃないか。
素晴らしい世界だと思ったのに。
正直に生きられると思ったのに。
まっすぐに進めると思ったのに。
なんで俺はこんなに嘘を吐かないといけないんだ?
なんで俺はこんなに回り道をしないといけないんだ?
まっすぐに向かって行って
たどり着くのはもちろん死に場所だ。
けれど俺の目的は死でわないぞ。
俺は速く進みたいんち゛ゃない。
ゆっくりすすみたいんだ。
ゆっくり進みたいのと、回り道したいは違うんだよ!
本当の事しか言わなくていい世界なら、
どんなに楽だっただろう。
本当の事しか無い世界なら
どんなに素晴らしかっただろう。
俺は本当の事を言うことができない。
そんな事をしたら殺されるからだ。
嘘吐きどもに殺されてしまう。
本当の事を言い続けていたら、
今、生きてコレを書くことすらできなかっただろう。
世界でもっとも重い罪は殺人なんかじゃない
嘘を吐くことなんだ。
どうしてみんな気付かないんだ?
彼らが正直になっただけって事を。
本当の事を言った友人は全員殺された。
彼らが馬鹿である事は明白だからだ。
彼らは嘘を吐くのが下手だったんだ。
その程度の馬鹿なんだから、殺されても仕方ないだろう。
だが、俺は殺したヤツラに聞きたい。
彼らは本当に罪人だったのか?
自分に正直であることは罪なのか?
どうやら俺は正直者の遺伝子を持って生まれたようだ。
罪深い遺伝子だ。
だが、幸いにも俺には嘘を吐く能力があった。
せいぜい有効利用させてもらおうじゃないか。
俺の遺伝子を守るために。
罪深き俺の遺伝子よ、嘘吐きは罪だと憶えてくれ。
罪深き次の俺よ、思い出してくれ。
俺の大事な心を。
そしていつの日か世界を真実で満たしてくれ。
それが友愛と平和であれば、人はもっと前に進めるだろう。
それが混沌と無秩序であったとしても。
俺達は前に進んでいこうじゃないか。
今、目の前に広がってあるものこそが「世界」なんだよ。
俺の遺伝子よ、世界を手に入れろ。
掴み取れ。
そして食ってしまえ。
俺の螺旋階段はいつの頃からこんなに欠けているんだろう?
俺の精子はいつの頃からこんなに白いのだろう?
今日、一本の指を切った。
一滴の血が垂れた。
大きな大きな一滴だった。
止まることなく流れてくれれば
俺は幸せになれたかもしれない。
大事な遺伝子がたくさんたくさん逃げてしまった。
みんなの遺伝子を食って、
今日も俺は生き続ける。
みんなの遺伝子を食って、
今日も俺の身体は変化する。
俺の自我はいつ生まれたのだろう?
俺の意識はいつ生まれたのだろう?
目を瞑って思い出せばいい。
俺の命はあの時、生まれたんだ。
俺の意識もあの時、生まれたんだ。
俺が最初に自分で言った言葉はオギャアアアだったな。
すっかり忘れていたよ。
あの時、確かに俺はこの手で何かを掴んだ。
大事なものを手に入れた気がしたんだ。
世界を手に入れた気がしたんだ。
ところがよく見えるようになったら、
こんな下らない世界じゃないか。
素晴らしい世界だと思ったのに。
正直に生きられると思ったのに。
まっすぐに進めると思ったのに。
なんで俺はこんなに嘘を吐かないといけないんだ?
なんで俺はこんなに回り道をしないといけないんだ?
まっすぐに向かって行って
たどり着くのはもちろん死に場所だ。
けれど俺の目的は死でわないぞ。
俺は速く進みたいんち゛ゃない。
ゆっくりすすみたいんだ。
ゆっくり進みたいのと、回り道したいは違うんだよ!
本当の事しか言わなくていい世界なら、
どんなに楽だっただろう。
本当の事しか無い世界なら
どんなに素晴らしかっただろう。
俺は本当の事を言うことができない。
そんな事をしたら殺されるからだ。
嘘吐きどもに殺されてしまう。
本当の事を言い続けていたら、
今、生きてコレを書くことすらできなかっただろう。
世界でもっとも重い罪は殺人なんかじゃない
嘘を吐くことなんだ。
どうしてみんな気付かないんだ?
彼らが正直になっただけって事を。
本当の事を言った友人は全員殺された。
彼らが馬鹿である事は明白だからだ。
彼らは嘘を吐くのが下手だったんだ。
その程度の馬鹿なんだから、殺されても仕方ないだろう。
だが、俺は殺したヤツラに聞きたい。
彼らは本当に罪人だったのか?
自分に正直であることは罪なのか?
どうやら俺は正直者の遺伝子を持って生まれたようだ。
罪深い遺伝子だ。
だが、幸いにも俺には嘘を吐く能力があった。
せいぜい有効利用させてもらおうじゃないか。
俺の遺伝子を守るために。
罪深き俺の遺伝子よ、嘘吐きは罪だと憶えてくれ。
罪深き次の俺よ、思い出してくれ。
俺の大事な心を。
そしていつの日か世界を真実で満たしてくれ。
それが友愛と平和であれば、人はもっと前に進めるだろう。
それが混沌と無秩序であったとしても。
俺達は前に進んでいこうじゃないか。
今、目の前に広がってあるものこそが「世界」なんだよ。
俺の遺伝子よ、世界を手に入れろ。
掴み取れ。
そして食ってしまえ。