嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

運命の人

2000年12月22日 06時27分57秒 | 駄文(詩とは呼べない)
今日は雪が降った。
雪が降りしきる夜に
遙か向こうから少しづつ大きくなる人影があった
運命の人だった。
それは確かに赤い糸だったから。
運命の人は俺に向かって薄く微笑んだ。
僕には赤い糸が見えたから。
でも通り過ぎて行った。

たった一度しか無い運命の瞬間に
彼女を捕まえる事などできただろうか?
あの時、俺が何も話しかけられなかったのも
運命なんじゃないのか?

あの日、とても寒かったのも
あの日、雪が降ったのも
あの時、彼女が笑ったのも
何もかもが運命なら
何故僕は彼女を見て笑い返す事すらできなかったのか。
彼女は儚く美しかった。
僕には眩しすぎた。
手に入れてはいけないような気がした。

~運命の人を手に入れてみよう~

あれから一年が過ぎた。
今夜もあの時と同じ強烈な寒さだ。
あの時と同じ雪が降っている。
あの時と同じ空気がある。
あの場所に行ってみよう。

トーナメントで強者同士がぶつかるように
コインに表と裏があるように
磁石のNとSが引き合うように
彼女は居た。
何かを待っていた。

~運命の人を手に入れてみよう~

彼女は僕を見て微笑んだ。
それが天使のような微笑みだったから
僕は確信した。
彼女は僕を待っている。
僕は微笑み返して、ゆっくりと近づいた。
いつもの発作が起きた。
時間がゆっくりと流れた。
僕の両手がいうことを聞かなくなった。

僕は・・・
彼女を手に入れた。
彼女は笑えなくなったけど、
彼女の美しさは永遠になった。
僕は永遠を手に入れた。