今日は雪が降った。
雪が降りしきる夜に
遙か向こうから少しづつ大きくなる人影があった
運命の人だった。
それは確かに赤い糸だったから。
運命の人は俺に向かって薄く微笑んだ。
僕には赤い糸が見えたから。
でも通り過ぎて行った。
たった一度しか無い運命の瞬間に
彼女を捕まえる事などできただろうか?
あの時、俺が何も話しかけられなかったのも
運命なんじゃないのか?
あの日、とても寒かったのも
あの日、雪が降ったのも
あの時、彼女が笑ったのも
何もかもが運命なら
何故僕は彼女を見て笑い返す事すらできなかったのか。
彼女は儚く美しかった。
僕には眩しすぎた。
手に入れてはいけないような気がした。
~運命の人を手に入れてみよう~
あれから一年が過ぎた。
今夜もあの時と同じ強烈な寒さだ。
あの時と同じ雪が降っている。
あの時と同じ空気がある。
あの場所に行ってみよう。
トーナメントで強者同士がぶつかるように
コインに表と裏があるように
磁石のNとSが引き合うように
彼女は居た。
何かを待っていた。
~運命の人を手に入れてみよう~
彼女は僕を見て微笑んだ。
それが天使のような微笑みだったから
僕は確信した。
彼女は僕を待っている。
僕は微笑み返して、ゆっくりと近づいた。
いつもの発作が起きた。
時間がゆっくりと流れた。
僕の両手がいうことを聞かなくなった。
僕は・・・
彼女を手に入れた。
彼女は笑えなくなったけど、
彼女の美しさは永遠になった。
僕は永遠を手に入れた。
雪が降りしきる夜に
遙か向こうから少しづつ大きくなる人影があった
運命の人だった。
それは確かに赤い糸だったから。
運命の人は俺に向かって薄く微笑んだ。
僕には赤い糸が見えたから。
でも通り過ぎて行った。
たった一度しか無い運命の瞬間に
彼女を捕まえる事などできただろうか?
あの時、俺が何も話しかけられなかったのも
運命なんじゃないのか?
あの日、とても寒かったのも
あの日、雪が降ったのも
あの時、彼女が笑ったのも
何もかもが運命なら
何故僕は彼女を見て笑い返す事すらできなかったのか。
彼女は儚く美しかった。
僕には眩しすぎた。
手に入れてはいけないような気がした。
~運命の人を手に入れてみよう~
あれから一年が過ぎた。
今夜もあの時と同じ強烈な寒さだ。
あの時と同じ雪が降っている。
あの時と同じ空気がある。
あの場所に行ってみよう。
トーナメントで強者同士がぶつかるように
コインに表と裏があるように
磁石のNとSが引き合うように
彼女は居た。
何かを待っていた。
~運命の人を手に入れてみよう~
彼女は僕を見て微笑んだ。
それが天使のような微笑みだったから
僕は確信した。
彼女は僕を待っている。
僕は微笑み返して、ゆっくりと近づいた。
いつもの発作が起きた。
時間がゆっくりと流れた。
僕の両手がいうことを聞かなくなった。
僕は・・・
彼女を手に入れた。
彼女は笑えなくなったけど、
彼女の美しさは永遠になった。
僕は永遠を手に入れた。