嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

瞼の裏側にも宇宙がある

2006年04月09日 19時06分19秒 | 駄文(詩とは呼べない)
君には、誕生日を迎えて
喜んでいる僕の顔が見えるの?

それとも

誕生日を迎えられずに
死んでいく僕の姿や
泣いている君の顔が
見えているの?

そのどちらもが
お互いがお互いの脳内を想像する
創造に近い無限ループで

そのどれもが
小さな可能性ではあるけれど
全く動きもしない世界では

ずっと凍りついているんだよ

何も願わない

何も望まない

何も受け入れない

何も認めない

何も許さない

誰も殺さない

誰も死なない

誰も見ていない

誰もそこにいない

どこにも届かない

誰にも届かない

冷たい無限大だけが

えんえんと広がっていく

光の速さで光を追いかけて

闇の場所で闇だけを見つめて

ただただそこに

誰かがいるような気がして

確かめれば誰も居なくて

ずっと宇宙船の中で

燃料だけをたしかめるように

残り時間の蝋燭がゆらぐたびに

身を挺してかばう死体の数は

僕の抜け殻を畳んで仕舞うような

蟻地獄のような砂時計に似ていて

かすかに薄らぐ酸素の中で

縮んだ宇宙の風が吹くような

そんな景色の中で

ただただ

えんえんと

炎がもつれるように

存在の糸がもつれる様子を

ほどきながら数えてゆく

明日、誰かに会えるだろうか。

僕はこの世界で、

あした、君に会えるだろうか。

そんな夢を見ながら

目を、

とじてゆく。

ひとりだけの映画館で

2006年04月09日 18時48分27秒 | 駄文(詩とは呼べない)
望むことが出来ない。

なにも。

希望も、絶望も感じない
あしたに対する恐怖が、ほとんど麻痺してしまっているような
どうしようもない感覚と共に今を見つめてしまっている
中空をジッと見つめるだけで
もやもやと浮かんでくるあやかしの入り口も
まばたきをひとつするだけで
すぐに霞んで消えてしまう

僕は何を見ているのだろう
こんな場所で
ただジッと佇んで
僕は何を見てるのだろう

何もすることがない
何もしたくないのではなくて
何もすることが浮かんでこない

プログラムの隙間と隙間でさらに中間だけを見るような
明日が過ぎ去るために
今日をじっと耐えているような
何も考えていないような

どうしようもない気分を抱えている

改めて自分について考え直す

僕は。

何も望んでいない

明日が見えない

明日は、予報のままに
映画館のベルが鳴って
僕は椅子に座る
そして物語ではなくて
模様の映っているスクリーンだけを眺める

僕は向こう側だけを見ている
流れてゆく光の模様だけを追って
輪郭線の定まらぬままに

明日の映画を見て
明後日の映画を見て
その次の映画を見て
しあさってって音も忘れてしまう

誰がフィルムを回しているのだろう

ふと、そんな事を考える。

カラカラと回る音が聞こえ始めて
誰も見たことのない拍手が聞こえはじめる

自暴自棄になることすら出来ない自己破壊のために

2006年04月09日 14時47分25秒 | 駄文(詩とは呼べない)
明日が二つになってしまっている
しかもあまり迷ってない

正体不明の明日ではなく
決まり切った明日を選んでしまっている

それがわかっているのに
怖くて明日を変えられない

僕はいつからこんなにも倫理の奴隷になってしまったのだろうか

違う

今、僕が選択肢を増やそうとしない事自体が
奴隷化の源泉なのだ
昨日の話ではないのだ

けれど。

もう十年以上も前に決めたことか。

僕には驚くほど誰もいない
誰かの話ばかり聞いて
自分の意見がひとつもない

面白いほどに欲望がない
僕が自分の業だと思っていたのは
驚くほど他人に見せられたものばかりだ

それなのに

僕の心には誰も住んでいない

もう、鏡を見ることが苦痛であるから
見る気が無くなった、ということなのだろうか

居なくなる事が怖いんじゃない

記憶が変えられない事が怖い

そして
誰にも何も伝えられないと
確信したままで死んでいく自分の無さが怖い

独りだけの世界に
自分なんてあるはずない

それがわかっているのに
それが空を切るだけの
音でしかなくて
ここには誰の声も伝わらない

僕の中に
誰かの権力が居る
誰かに植え付けられた
正体不明の倫理がある

それを、破壊せねばならない。