嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

光のありか

2007年03月17日 20時09分23秒 | 駄文(詩とは呼べない)
くだらないね、僕らが書いた言葉たちは。
多くの人たちから、レッテルを貼られて生きてきた。
そしてもちろん、僕もレッテルを貼り返して生きてきた。

どうせ評価なんて、好きか嫌いかなんて、
本当に大事な事から比べれば、
とてもつまらない線引きに過ぎないのに。

相手を遠くにおいて、引力が弱いとか、
相手を近くにおいて、引力が強いとか、
そんなこと、伝えたい事に比べれば
全然たいしたことじゃないのに。

どうして虫の羽音を、虫が鳴いている、というんだろう
どうして羽をこすり合わせた不思議な波動を、僕らは鳴き声というのだろう。
桜が散る音も、枯れ葉をこすりあわせた音も、
樹が鳴いているとは、言わないことの方が多いのに。
あの雨に似た鳴き声を、鳴き声と呼びたいのは、
そう呼びたいのは、僕らがそう思い込んでいるからでしょう?
枯れるように散ってゆく時の声を聞いて
泣いているように思うのは、僕らが悲しいからなのでしょう?

口を開いて、首をつたうような音を出すことがつらいなら
指を動かして、記号を重ねる事がつらいなら
空気を逆流させて振動を伝えることがつらいなら
象徴を練り合わせた、鼓膜の振動さえもつらいなら

もうなにも、書かなくていいし
見なくていいし
読まなくていいじゃないか。

ただその胸の内にある、圧迫したとどろきを
確かめればいいじゃないか!

だけど君は、その内側だけでなぞられる
不思議な声を聞きたいんじゃないの?
その声を聞いている間だけ、誰かが居るような気がするんじゃないの?

それが僕じゃないのなら、
君はいったいなんなのか。

それすらもわからなくて、
ただ生きて欲しいと願うなら、

もう僕の言葉も、君に残る僕の記憶も
やがて暴力と同じものになっていくよ
命令もお願いも要らない。

ただ自分のために、
遺書が書ければ、
それでいい。

そう思いながら
僕は僕の中に耳をすませる

ろうそくの火が消える朝

2007年03月17日 00時04分04秒 | 駄文(詩とは呼べない)
遅すぎた?
本当に遅すぎたんでしょうか。

多くの人が、僕の側に近づいて、そして謎の要求を残し、
僕の側から消えていきました。
多くの人が、鏡の前で幻影に向かって、
欲しいものをつぶやいて、
そしてそこから去ってゆく。

僕の姿に、何を重ねてるんです?
今ある、それ以上の、何が欲しいんです?
欲しがればいい。
名乗ればいい。
手を伸ばせばいい。

それでも。
僕は何も与えない。
僕は君に何も与えないよ。
僕は鏡であり、ただの死体なんだよ。

何を願う。
何を望むの?

僕は僕を許さない
僕はもうすぐ消える

それが、なにか困ることなのでしょうか?

僕はもともとここには居なかった自分なんだよ
誤解から始まったものなんだ
決してありはしないのに、
それでも、ここにあって欲しいと、誰もが願ったから、
僕はここにある記号に言葉と名付け
そして僕という秘密を結んだ。
固く閉ざした自意識で、
「きっと僕はあるはず」
そう思おうとした。

それが、そもそもの始まりだったんだよ。
僕は無かった。

僕はただ、君たちの前で、
鏡を溶かして、映した光を、灯籠の中に投げ入れ、
再び、影の位置に戻すだけだよ。

初めから、君は無かったのだから、
それが名前を失うことに、
そんなに抵抗して、そんなに恥ずかしがって
それがいったい、なんになるというのでしょうか。

始まった場所に、全てを戻す時が来る
ただ、それだけの絶対性が、君にとって、恐怖となるのでしょうか。

僕が、恐ろしいのでしょうか。
それとも、僕が愛しいのでしょうか。
複雑な面持ちで、生も死も、激しく拒絶したいだけの、
逃げのびる延性なのでしょうか。

僕は許さない
僕の存在を許さない。
それは、強い力と弱い力を統合して、
ただ、君たちの前に、消える火と同じ刻絶をもたらす。