痛みと孤独から逃げ出した場所で
息苦しさを求めながら
ずっと深い場所で本物の呼吸を探す――
眼の奥でうずき始めた微生物が、
生きられる場所を探して
僕を、殺そうとする―
雨の音で 街の喧噪が消されて
再び巡る太陽が、僕の中から出てくるのを、ジッと待ってる
痒いところに手が届かないことは
多くの困難の中で努力する事とは程遠くて
ただジッと、誰にも見つからないように
息をひそめる隠れんぼに似ている
現実に、溺れる事が怖くて
流された欲望の中で、水面に顔をあげて
息をした瞬間に、自分の汚れに気付くのが怖くて
僕はずっと、世界の汚れの方ばかりを見て
自分なんか、見ない。
泳げば泳いだ分だけ、
あがけばあがいた分だけ、
汚されて、流されていく、太陽に照らされた海の中で
深い泥の中で
僕の微生物が、ジッと時を貯めて
僕を殺して這い回る日を待ってる。
もうずいぶんと、同じ一日を島の上で暮らした
無人島で昇る、天球の太陽は腐るほど見た
飽きるほど空気を吸って
痛みに耐えながら呼吸した
まだ一日は見つからない
永遠も、一瞬も、朝日も、黄昏も見つからない
こぼれ落ちる海の端を眺めて
あの場所で、水平線が落ちてしまえばいいなって
ただ、そんな終わりの景色だけを願って
重い肺を引きずって
僕の呼吸を探す。
誰かに出会えば、この景色は無くなる
塵で溶けた砂も、
輝きに満ちた海も、
温度のない砂浜も、
鉄で熔けた錆のニオイも
他とは違う、澄み切った空気の中にある真空も
命の水で汚されて
僕の景色が終わる。
怖い。
生まれたくなかった。
ここに居るのは、怖い。
羊水で満たされた宇宙で
あぶくのような恋をしている。
死に神に、恋をしている。
息苦しさを求めながら
ずっと深い場所で本物の呼吸を探す――
眼の奥でうずき始めた微生物が、
生きられる場所を探して
僕を、殺そうとする―
雨の音で 街の喧噪が消されて
再び巡る太陽が、僕の中から出てくるのを、ジッと待ってる
痒いところに手が届かないことは
多くの困難の中で努力する事とは程遠くて
ただジッと、誰にも見つからないように
息をひそめる隠れんぼに似ている
現実に、溺れる事が怖くて
流された欲望の中で、水面に顔をあげて
息をした瞬間に、自分の汚れに気付くのが怖くて
僕はずっと、世界の汚れの方ばかりを見て
自分なんか、見ない。
泳げば泳いだ分だけ、
あがけばあがいた分だけ、
汚されて、流されていく、太陽に照らされた海の中で
深い泥の中で
僕の微生物が、ジッと時を貯めて
僕を殺して這い回る日を待ってる。
もうずいぶんと、同じ一日を島の上で暮らした
無人島で昇る、天球の太陽は腐るほど見た
飽きるほど空気を吸って
痛みに耐えながら呼吸した
まだ一日は見つからない
永遠も、一瞬も、朝日も、黄昏も見つからない
こぼれ落ちる海の端を眺めて
あの場所で、水平線が落ちてしまえばいいなって
ただ、そんな終わりの景色だけを願って
重い肺を引きずって
僕の呼吸を探す。
誰かに出会えば、この景色は無くなる
塵で溶けた砂も、
輝きに満ちた海も、
温度のない砂浜も、
鉄で熔けた錆のニオイも
他とは違う、澄み切った空気の中にある真空も
命の水で汚されて
僕の景色が終わる。
怖い。
生まれたくなかった。
ここに居るのは、怖い。
羊水で満たされた宇宙で
あぶくのような恋をしている。
死に神に、恋をしている。