もし僕が世の中の事を何一つとして知らなかったのなら
きっと僕を必要としてくれる人は
一人もいないのだろうな、と思うと
涙は出ないけれど
言いしれぬ不安と
やるせない感情が巻き起こって
地に落ちたプライドが
胃痛色の絵の具で落書きされ
心の壁は他人によって汚された
そして今なお思うのは
それでも他人を必要としてしまうほどの
情けない自分が居る事だけ
「一人で生きていけるのなら
俺はお前らなんか全員殺してやるのに。」
情けない俺は
僕に助けを求めていた。
世界中で蠢く弱者の精神虫が
嘘でもいいから存在価値を欲しがっていた。
誰もが世界モデルの密室で力を欲しがっていた。
そんな僕の妄想も
けたたましい工事現場のノイズに負けて
次々にどこかへ消えていった。
僕は美しい沈黙を欲しがっていた。
優しい午後がきますように──と。
きっと僕を必要としてくれる人は
一人もいないのだろうな、と思うと
涙は出ないけれど
言いしれぬ不安と
やるせない感情が巻き起こって
地に落ちたプライドが
胃痛色の絵の具で落書きされ
心の壁は他人によって汚された
そして今なお思うのは
それでも他人を必要としてしまうほどの
情けない自分が居る事だけ
「一人で生きていけるのなら
俺はお前らなんか全員殺してやるのに。」
情けない俺は
僕に助けを求めていた。
世界中で蠢く弱者の精神虫が
嘘でもいいから存在価値を欲しがっていた。
誰もが世界モデルの密室で力を欲しがっていた。
そんな僕の妄想も
けたたましい工事現場のノイズに負けて
次々にどこかへ消えていった。
僕は美しい沈黙を欲しがっていた。
優しい午後がきますように──と。