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韓国は五輪で北朝鮮に騙されている、元駐韓大使が喝破

2018-02-06 17:26:12 | 日記
2018.1.29

韓国は五輪で北朝鮮に騙されている、元駐韓大使が喝破


武藤正敏:元・在韓国特命全権大使



北朝鮮のオリンピック参加で
文大統領は宣伝工作に利用される

南北朝鮮は、1月9日の閣僚級会談で「平昌オリンピック・パラリンピックに北朝鮮が参加する」ことで合意した。

同時に「軍事当局間の会談の開催」「南北関係をめぐるすべての問題について、わが民族が朝鮮半島問題の当事者として解決する」ことでも合意し、その旨を発表した。

韓国政府は、オリンピックを利用して主導権を発揮し、南北間の緊張緩和につなげることで、朝鮮半島における軍事行動の抑止を期待している。
これに対し、中国やロシアが早速、歓迎の意向を表明。

1月11日、韓国の文在寅大統領から閣僚会談の結果について報告を受けたトランプ大統領は、「良い方向に進むことを期待している」「南北の対話が行われている間は、いかなる軍事行動もとらない」と約束した。

しかし、この合意を真に歓迎すべきなのであろうか。

オリンピックは世界の平和の祭典として、北朝鮮との緊張緩和、平和の定着につなげたいと考えること自体は間違っていない。

しかし問題は、北朝鮮のオリンピック参加が、朝鮮半島の緊張緩和につながるとは思えないということである。

北朝鮮の意図を完全に読み誤っていると考えざるを得ない。文大統領は北朝鮮の宣伝工作に利用されているのである。

北朝鮮のこれまでの歴史を見れば、平和攻勢の陰で、常に緊張を高める行動を取ってきたという事実がある。

1972年に南北共同声明を出し、民族の大同団結、平和統一を謳っていたとき、38度線を越えて侵略用の地下トンネルを掘っていた。

94年には、北朝鮮のIAEAからの脱退撤回と、核兵器の開発凍結・解体に合意する代わりに、日米韓などは軽水炉型原子力発電所2基と、完工までの間、毎年50万トンの重油の供給に合意。

しかしその間にも、米国の調査で北朝鮮がウラン濃縮による核開発を続行していたことが判明した。

今回の合意において、北朝鮮が核ミサイルなどの放棄に応じるならばともかく、形ばかりの平和攻勢によって実利を得ようとしていることは、これまでの歴史が示す通りである。

今回は核と、ICBMの完成を急いでいるだろう。

北朝鮮は核ミサイルの放棄を
拒否しつつ戦術だけを変えた

北朝鮮の金正恩委員長は、1月1日に発表した「新年の辞」において「核のボタンが私の机の上にある」と述べる一方で、「平昌オリンピックに代表団を派遣する用意がある」と呼びかけた。

しかし、北朝鮮はどのような目的で、このような提案を行ったのだろうか。

筆者は、北朝鮮は「核のボタンが机の上にある」というように、核ミサイルの開発・保有という目標は変えないものの、それを実現するための「戦術」を変えただけであると考える。

北朝鮮は、「核と、それを米国まで運ぶミサイル、ICBMを保有すれば、米国は北朝鮮の攻撃を恐れて態度を軟化させるだろう。

そして、経済制裁の緩和も勝ち取ることができるであろう」と考えていた。

だから、経済制裁で苦境に立っても、核開発の手は緩めなかったのだ。

むしろ、国民の生活を犠牲にしてでも、資金の残っているうちに核・ミサイルを開発すべく、急いで核実験やミサイル発射を繰り返したのだろう。

しかし、6回目の核実験で160キロトンの水爆実験に成功し、通常高度であれば米国全土を射程に入れたICBMの発射に成功したにもかかわわらず、経済制裁は強化される一方であった。

現在までに科せられた国連制裁では、北朝鮮への原油輸出こそ年400万バレルが確保されたものの、石油精製品の輸出は9割削減された。

さらに、世界各国の北朝鮮からの輸入はほぼ全面禁止され、核ミサイル開発のための外貨獲得がほぼ遮断された。

そこで、これまでの強硬姿勢に代えて、最も御しやすい韓国を引きずり込んで米国の圧力の盾にし、制裁緩和への足掛かりをつけようという戦術に変えたものと考える。

ひたすら北朝鮮の要求に
屈するだけだった韓国

北朝鮮にオリンピックに参加してもらいたい韓国では、北朝鮮の交渉相手にはならない。韓国は、ひたすら北朝鮮の要求に屈するだけだったからだ。

筆者は外務省勤務当時、北朝鮮との国交正常化会談で4回、実務レベルの責任者を任された。

当時の印象では、北朝鮮は会談に出席するたびに異なった意図、目的をもって臨んできたように思う。

ある会談では強硬姿勢で、ある会談では一つの問題をじっくりと話し合って進展させようとしたり、そしてまたある時は日本とはこれ以上交渉しても進展がないとして、言いたいことだけを言って席を立ったりした。

こうした北朝鮮と交渉する際には、北朝鮮の意図を正しく理解することが重要である。

しかし、文政権の交渉者は北朝鮮の意図を把握する努力をせず、北朝鮮をオリンピックに引き出すことだけに力を注いで、ただひたすら要求を呑んでしまった。

韓国にとって、この会談で強調すべきは、北朝鮮の核ミサイル放棄を求めることであったはずだ。

しかし、北朝鮮側がそれに不満を述べると黙ってしまった。

そして、北朝鮮が「我々が保有する核爆弾など最先端兵器は、徹頭徹尾、米国を狙ったもので同族に向けられたものではない」と主張した際も、黙認したような格好になってしまった。

認めるほか選択肢がなかった
IOCを利用する韓国

北朝鮮のオリンピック参加問題はどうなるのか。

国際オリンピック委員会(IOC)は20日、アイスホッケー女子の南北合同チームの結成や、「統一旗」を掲げた合同入場行進などを正式に承認。

北朝鮮はスキー、アイスホッケー、スケートの3競技で22人の選手を派遣する。

こうした決定についてIOCのバッハ会長は「五輪の精神は敬意や理解だ。平昌が朝鮮半島の明るい未来の扉となることを願う」と述べた。

しかし、本当にそうなのか。

北朝鮮は、あくまでも核ミサイルの放棄を拒否し、国際社会の期待に反している。オリンピックを利用して国際社会の圧力をかわし、核ミサイル開発の時間を稼ごうとしているとしたらどうか。

オリンピック精神に合致するどころか、オリンピックの政治利用以外の何ものでもない。

IOCにとって最も重要なことは、安全なオリンピックを成功裏に終えることである。

オリンピックへの参加申請が締め切られた後に、特例で受け入れを決定したが、これを認めず南北間で緊張が高まれば、オリンピックを危険にさらしかねない。

要するにIOCには選択肢はなかったわけだ。そうしたIOCを、韓国は「IOCが認めたのだから政治利用にはならない」などと利用しているのである。

韓国のSBSテレビの世論調査によれば、韓国では南北の合同チーム結成に72%が否定的である。

20〜30代に限れば82%に上る。韓国政府が北朝鮮代表団の滞在費を支援する案に反対との回答も「反対」が「賛成」を10%上回ったようだ。


文大統領の行動に、若者が反対したのは初めてではないか。

日経新聞によれば、若者らの反発の背景には、韓国代表選手への同情に加え、若いながらも世襲で最高権力を握り、核・ミサイル開発に突き進む金正恩委員長への嫌悪感もあるようだ。

北朝鮮との融和に突き進む文大統領への支持率は、合意後73%から59.8%に下落(1月25日現在)し、初めて50%台となった。

日韓の慰安婦合意で、国民感情が受け入れないとして前政権を非難した文大統領だが(日韓の慰安婦合意をめぐる文政権のいい加減さについては、

「『韓国よ、日本人は怒っている』元駐韓大使が日韓合意反故を嘆く」を参照していただきたい)、北朝鮮のオリンピック参加問題では、国民の意思を問うことなく一方的に決めた。韓国の若者も、こうした文大統領の危険性に気づいたいうことだろう。

北朝鮮は今後も揺さぶり作戦を続けると思われる。

北朝鮮の祖国平和統一委員会は、韓国の保守系団体が22日の集会で、金正恩委員長の写真や北朝鮮国旗を燃やしたとして、オリンピック参加の撤退を示唆した。

北朝鮮にへつらって、こうした動きを強権的に抑えれば、文政権への批判が高まろう。


また、北朝鮮はオリンピック前日の8日を「軍創建日」に指定し、平壌で軍事パレードを行う準備を進めていると言われる。

韓国がオリンピックを通じて「国威発揚」とするのを乗っ取るつもりなのだろう。

しかし、こうした情報に対し、韓国はいまだ何の反応も示していない。平和の祭典を軍事的な威嚇で汚そうとしているのに、である。

文政権には、保守系が「平壌オリンピック」と揶揄したことを批判するよりも、先にやるべきことがあるはずだ。

しかし文政権は、北朝鮮の行動を批判すれば、北朝鮮がオリンピック参加を撤回しかねないと恐れたのだと思われる。

北朝鮮がオリンピックに参加しても、緊張を助長するような行為を続ければ何の意味もない。

こうした姿勢を続ければ、文大統領の支持率はさらに下落するかもしれない。

北朝鮮芸術団の公演にも
制裁破りの材料がいっぱい

韓国政府は、北朝鮮の芸術団が2月7~16日にソウルで公演する方向で準備を進めている。

だが、芸術団が入場料を取って公演を行い、それを持ち帰ったならば、それは明らかに安保理制裁決議違反であろう。

北朝鮮の芸術団については、韓国国内の関心も高い。オリンピックの平和友好ムードに流されて、これを批判することを躊躇するムードもある。

しかし、深く考えずにこれを受け入れる韓国の雰囲気もいかがかと思う。

こうした制裁逃れを許していては、さらなる制裁破りの要求に結びつきかねず、文政権の交渉姿勢では北朝鮮に押し切られる危険がある。

そういう意味では、北朝鮮の選手団などの滞在費負担も制裁決議違反である。

北朝鮮はこうした主張が行われることに対し「客を招いておきながら、初歩的な儀礼を守らない無礼な行動だ」と非難しているが、国連の制裁にくさびを入れることにほくそ笑んでいるのではないか。

芸術団派遣をめぐっては、事前使節団の韓国訪問が突然延期された。

その後、21日に訪韓したが、これも北朝鮮の揺さぶり戦術であろう。

自分たちの言うことを聞かなければ、いつでもオリンピック参加をキャンセルできるのだとの脅しの一環なのだ。

国際社会に強調することが解決策
文大統領はそろそろ悟るべき

1月16日、バンクーバーで20ヵ国外相会議が開催され、北朝鮮制裁の「抜け穴封じ」のための対策が話し合われた。

会議では、各国は禁輸物資の密輸阻止に向けた船舶検査の強化で足並みを揃えた。

米国のティラーソン国務長官が問題視視したのは、石油精製品などを海上で外国船から北朝鮮の船に移し替える密輸の横行だ。

北朝鮮の平和攻勢の陰で行われる不正を絶つことで、北朝鮮の時間稼ぎを防ぐ手立ては一層重要となっている。

しかし、そうした中で、文政権は北朝鮮に利用され、国際社会の北朝鮮包囲網を弱体化させている。

文大統領は、北朝鮮を甘やかして増長させるのではなく、国際社会と協調していくことが、北朝鮮を核ミサイル放棄に導く道であることを、そろそろ悟ってほしものである。

(元在韓国特命全権大使 武藤正敏)

韓国人はなぜ90年代から日本を憎むようになったのか

2018-02-06 16:59:17 | 日記

韓国人はなぜ90年代から日本を憎むようになったのか


2018年01月15日 18:30


池田 信夫

慰安婦問題をめぐる日韓合意は事実上、白紙に戻った。

日本にまた謝罪を求める文在寅大統領は異常だが、これは昔からの問題ではない。

80年代までは、こんなに強い反日感情はなかった。

韓国政府が戦時賠償の話を蒸し返すようになったのは、1990年代に軍事政権から民政に移行した後である。

歴史的に、朝鮮民族は分裂に悩んできた。

日本の植民地時代には「日本国民」としてのアイデンティティを与えられたが、それに満足しているわけではなかった。

それが戦後、民族として自立するチャンスを与えられたと思ったら、南北に分断されてしまった。

これは東西ドイツに似ている。伝統的にドイツの中心だったプロイセン地方もベルリンも東ドイツになり、西ドイツは求心力を失った。

彼らを統合したアイデンティティは、ナチスの戦争犯罪を徹底的に追及して「ナチスは悪かったがドイツ人は悪くない」と主張することだった。

分断国家では、ナショナリズムは単なる思想ではない。

いつ攻撃してくるかわからない隣国と戦争するとき、どっちの国のために命を捨てるかという切実な問題である。

1993年までの軍事政権では、国民を統合したのはあからさまな暴力だったが、民政に移行すると、自由と民主主義では国民を統合できなくなった。

慰安婦問題をこじらせたのは韓国初の文民大統領、金泳三だった。彼は日韓基本条約で決着していた補償問題を蒸し返し、1993年の河野談話をいったん了解したが、またカネを要求したので、日本政府が「アジア女性基金」をつくった。

その後も慰安婦問題は、和解したようにみえて蒸し返された。

それはドイツ人が地球の果てまでナチスを追いかけたのと同じく、わかりやすい悪を作り出すことで国民的なアイデンティティを維持する負のナショナリズムだった。

だがホロコーストに比べると、慰安婦問題は悪としてのインパクトが弱く、証拠もなかった。

2000年代にそれを再燃させた最大の原因は、朝日新聞である。

分断国家では、同胞を非難するより隣国を非難するほうが政治的に安全だ。日本人がみずから「私はナチスです」と名乗り出たのだから、これをたたかない手はない。

韓国人の反日感情は、ある意味では分断国家の宿命ともいえるが、国家=国民の境界が自明な日本人にはわからない。

それは朝鮮民族の問題なので、日本が解決することもできない。最終的に解決するのは、分断国家が終わるときだろう。




韓国、洗濯機が標的 支持率低下の文在寅政権に新たな難題

2018-02-06 16:06:47 | 日記
2018.2.6 06:30更新

【経済裏読み】

韓国、洗濯機が標的 支持率低下の文在寅政権に新たな難題

産経

トランプ政権が2年目に入り、通商政策への強硬姿勢が際立つ中、韓国の主力産業に逆風が吹き始めた。米国の雇用を脅かす存在として、トランプ氏は韓国の洗濯機をあげつらい、緊急輸入制限(セーフガード)の発動を承認した。

韓国サムスン電子やLG電子が扱う洗濯機に高い関税が課せられれば、年間で数億ドル相当の打撃が及ぶ恐れがある。

高高度ミサイル防衛システム(THAAD)配備に伴う中国からの経済圧力に加えて、米国からも手厳しい仕打ちを受ける韓国。
支持率が低下した文在寅政権は新たな難題を抱える。

中国人観光客は5割減、そのうえ…

平昌冬季五輪での北朝鮮との協力をめぐり支持率を下げた文在寅政権。

1月下旬の世論調査会社の発表では文氏の支持率は大統領就任後初めて6割を割り込んだ。

合同チーム結成で韓国選手が出場機会を失うことが懸念され、公正な社会を目指すとした文政権に若年層を中心に支持離れが起きたとみられる。

北朝鮮によるミサイル発射と核実験、THAAD配備に反発した中国による経済圧力の影響で昨年、韓国を訪れた外国観光客は前年よりも2割減少した。中央日報(電子版)が伝えた。とりわけ、中国人観光客は5割近くも減っており、観光産業に爪痕が残っている。

こうした中で、韓国をさらに追い詰めてきたのがトランプ政権の通商政策だ。

米国市場席巻、韓国ブランドに最大50%課税

「韓国はダンピングした洗濯機を米国に持ち込み、一時、よい雇用を生み出した米国の産業を壊した」

欧米メディアの取材に強い調子で不満を訴えていたトランプ氏は1月、ついに韓国メーカーが強みを持つ洗濯機に対するセーフガードの発動を承認した。

年間輸入数が120万台までは現行の関税に加えて最大20%、これを超過した分には最大50%の追加関税を課す仕組みで、期間は3年におよぶ。
洗濯機や冷蔵庫など白物家電で米国市場を席巻しているサムスン電子やLG電子への打撃は必至だ。


韓国製洗濯機への損害は年間で7億ドル(780億円)相当になるとの試算もあり、「洗濯機をめぐる米韓の葛藤が鋭くなる」(中央日報電子版)との指摘があがる。

洗濯機で攻防戦?

2017年1月に「米国第一主義」を掲げてスタートしたトランプ政権はこの1年、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉から離脱をしたものの、当初予想された中国への為替操作国認定や重関税を課すといった決断はせず、強硬姿勢を潜めていた。

しかし、2年目に入って、他国からの反発を承知のうえで、実行に移し始めた。

そこにはトランプ氏の鬱屈した内政事情がのぞく。

ロシアの米大統領選干渉疑惑でトランプ氏の求心力の低下は否めない。今年秋の中間選挙で共和党が大敗する事態になれば、政権基盤の弱体化は避けられず、トランプ氏は支持拡大に向けて、強力なメッセージを発するべき時期を迎えているのだ。

貿易赤字を問題視する強硬派の中には、米通商法232条に基づく輸入制限を主張する声もある。
安全保障に脅威となるとされた場合にとれる措置で、鉄鋼製品などがターゲットになれば、輸出する韓国は一段と苦境に陥る。

米政府のセーフガード発動の動きを受けて、韓国政府は「不当な措置だ」として世界貿易機関(WTO)に提訴する方針で、米国製品に対する対抗措置もちらつかせている。
セーフガードの対象は洗濯機だけでなく、太陽電池製品にも及ぶため、韓国と同様に打撃を受ける中国とも歩調をあわせる構え。

不人気ぶりが目立つトランプ政権と、支持率の低下に見舞われた文政権。内政の不安は両国の洗濯機をめぐる攻防を過熱させるか。
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中国、「真相判明」尖閣沖の原潜は日本の追尾で強制的に浮上!

2018-02-06 14:02:35 | 日記
勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。


2018-02-06 05:00:00

中国、「真相判明」尖閣沖の原潜は日本の追尾で強制的に浮上!


原潜2日間の追尾に降参

精密工業技術では後進国



1月10日から11日にかけて、外国の潜水艦が水面に浮上せず、沖縄県宮古島近海と尖閣諸島の接続水域を謎の航行をしていた。

海上自衛隊は12日午後になって、尖閣諸島北西の東シナ海の公海で、浮上して中国国旗を掲げる潜水艦を確認した。

この一件、中国海軍の故意か失態かで話題を呼んでいる。実際は、海上自衛隊の追尾に音を上げて浮上し、中国国旗を掲げたものと判明した。中国原潜の完敗である。


かねてから、中国潜水艦の最大弱点としてスクリューの高い騒音性が指摘されてきた。

潜水艦は、敵艦に発見されぬよう、静謐性の維持が生命線とされている。

ところが、中国潜水艦の騒音が大きく、日本の世界一とされる対潜探索能力に簡単に捕捉されてきた。

今回もまた、同じ運命に陥って、海上自衛隊による2日間の執拗な追尾により浮上を余儀なくされたのだ。


中国は、世界覇権を握ると豪語しているが、工業水準の低さはいかんともし難い。

今回も、海上自衛隊の前に脱帽した。今後の戦争では、潜水艦能力が雌雄を決すると言われる。

敵陣深く潜入する潜水艦が、標的を的確に攻撃し打撃を与えるには、静謐性の高い能力の保持が最も要求されている。

中国潜水艦は、その点で著しく劣っている。自らの発する騒音で、潜水位置を相手側に「告知」するに等しい欠陥を抱えている。これでは、潜水艦の役割を果たせないのだ。


原潜2日間の追尾に降参

『中央日報』(1月29日付)は、「中国の原子力潜水艦、激しい騒音で日本海上自衛隊に探知される」と題する記事を掲載した。


隠密行動を身上とする潜水艦は原潜の場合、基地を出たら戻るまで浮上しないはずである。

その原潜が浮上したうえに、中国の国旗を掲げたのだ。これは、軍事専門家に言わせれば、驚きの行動であるという。

「中国原潜が宮古島に接近した時点で、海・空自衛隊に探知された。

すぐに、浮上を命じる自衛隊のアクティブソナーの警告音の中を中国軍艦の待機する尖閣諸島沖まで逃走し、ついに浮上した。実戦だったら撃沈されていた」(『毎日新聞』1月29日付)というから、事態は深刻である。

日清戦争(1894~95年)で、逃げ惑う清国海軍を見るような光景であったのだろう。

清国海軍は当時、英国から輸入した最新鋭艦4隻を揃えて日本海軍の艦船に対峙した。

だが、日本海軍の猛攻にたじろぎ、清国海軍は勝手に戦場を離脱し逃走する艦船まで現れた。昔も今も変わらない光景に驚く。

中国海軍の士気は、決して高くはないのだろう。口では立派なことを言うが、現実は逆であって臆病なのだろうか。


(1)「香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』紙(1月29日付)は、中国原子力潜水艦は激しい騒音で、日本の海上自衛隊に探知されて2日間追尾される侮辱を受けたと報じた。

同紙は、『093A型』と呼ばれる中国の110メートル『商級』原子力潜水艦が、1月10日に日本と中国の領有権紛争地域である尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖の海域に進入したが、
日本の海上自衛隊に探知されて2日間にわたり追跡されたあげく、12日には公海で中国国旗である五星紅旗を帆柱に立てたまま水面上に浮上したと伝えた」


中国潜水艦は原潜である以上、本来は浮上する必要はなく、潜航したままで良かったはずである。

だが、海上自衛隊に探知されて2日間にわたり追跡されたあげく、浮上を命じる自衛艦のアクティブソナーの警告音に驚き浮上したに違いない。

もし、警告音を無視した結果、日本側の攻撃を受けて撃沈されたら一巻の終わりである。

日清戦争時の悪夢を思い出して、艦長が浮上を決意したに違いない。中国海軍は潜在的に、「日本海軍」が怖い存在なのだ。


(2)「当時、国旗を立てたまま浮上したのは尖閣諸島に対する領有権を主張するためだったという見解もあるが、一部の専門家は激しい騒音の中国原子力潜水艦が日本の艦艇と軍用機の追尾に遭って公海にやむなく浮上したものだと主張している。

今回探知された潜水艦『093A型』は騒音が大きすぎた『漢級』原子力潜水艦『091型』の短所を克服するべく中国海軍が建造した潜水艦だという。

対艦クルーズミサイルを装着した『093A型』は米国ロサンゼルス級原子力潜水艦に匹敵し、『091型』に比べ静音性が飛躍的に向上したとみられていたが、今回のことでその限界を内外にさらしてしまった」

中国側の説明では、公海であるから中国国旗を掲げたとしている。専門家の見方は違うのだ。

日本の艦艇と軍用機の追尾に遭って公海でやむなく浮上したものと見ている。日本側からの浮上を命じるアクティブソナーの警告音が出されていたからだ。

習近平氏は常々、「勝てる軍隊になれ」と訓示している。

中国首脳部自身が、中国の戦力は先進国に比べて見劣りすることを自覚しているのだろう。「勝てる軍隊」とは妙な話である。軍備だけは揃えても、兵士の士気や練度が低いに違いない。「張り子の虎」なのだ。


『大紀元』(1月17日付)は、「中国最新原潜、日本公海で浮上・国旗揚げ、中国ネットユーザー『みっともない』」と題する記事を掲載した。

この記事では、事態の推移を正確に把握していることにビックリするほどだ。

中国の国民は自国海軍の不甲斐なさを先刻、承知しているからだ。「岡目八目」というが、なかなかの慧眼と言うほかない。

こういう冷静で客観的な見方があれば、中国軍が安易に侵略行動に出まいと期待できる。

だが、専制国家の軍隊の恐ろしさは、自己過信である。日本もかつて太平洋戦争に打って出た背景には、この「過信」が災いした。

その意味で、今回の「強制浮上」のやむなきに至った点について、中国海軍は拳々服膺(けんけんふくよう)すべき事例である。

(3)「中国海軍の最新攻撃型原子力潜水艦がこのほど、日本の接続水域に進入し、その後日本沖縄県付近の東シナ海の公海で浮上して国旗を掲げた。

軍事的に、潜水艦のステルス性が非常に重要視されているため、中国国内では潜水艦の公海での浮上・国旗掲げの理由をめぐって、推測が飛び交った。

海外中国語メディアは、『商級』原潜の浮上・国旗掲げは、日本に対して主権を主張しようとした狙いがあるほか、日本海上自衛隊の対潜作戦でやむを得ず浮上し、身元を明かしたのではないかと分析した。

日本の琉球諸島は、米軍のアジア太平洋地域における第1列島線に位置し日米の軍事重要拠点で、両軍の対潜戦力が非常に強いという」

潜水艦は、海中を潜航するのが使命である。ステルス性が最大に問われているからだ。

それがどうだろう。日本の空自・海自が監視している前で浮上して、船体の一部を見せてしまったのだ。

日本の潜水艦であれば、こういう無様なことをせずに逃げ切るであろう。中国潜水艦の艦長や乗組員には、決死の覚悟という決意が欠如しているのだ。

士気が低いと言わざるを得まい。


中国が勝手に設定している「第1列島線」は、九州を起点に、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島にいたるラインを指している。

ここを防御ラインにしており、この内側を中国海軍の活動範囲と定めている。

日米は、こういう勝手な防衛ラインを認めるはずもなく、中国の進出を食い止めるべく潜水艦による防御を固めている。

そこへ、やたらとスクリュー音の高い中国潜水艦が現れたのだ。日米海軍は、連携プレーで中国潜水艦を追尾する体制を構築している。

これに、まんまと引っかかってきたのである。「飛んで火に入る夏の虫」だ、


(4)「中国国内の一部のネットユーザーからは、最先端の原潜が日本海上自衛隊に浮上させられたことに、中国海軍の軍事力に疑問の声があがった。

パンツまで見られた状態だ。これって本当に最新の原潜なのか?」

① 「(日本に)2日間も追跡された潜水艦だから、音紋はもう完全に把握されたに違いない。

② 「潜水艦が公海で潜没し航行する時、浮上や国旗掲げは必要ない。他の国の領海を通過する際、浮上して国旗を掲げなければならない。日本の主張を認めたことに等しいではないか?」

③ 「潜水艦の出発、接続水域への入域、公海での浮上までの全過程が隣国に知られている  ことが最大の問題だ」

④ 「追跡されて、最後に浮上。白旗を上げて降伏を認めたのではないか」

⑤ 「日本の対潜力は世界一と言われている。対潜作戦で、潜水艦が浮上して国旗を掲げることは相手に、こっちは攻撃性がないことを告げている。つまり、相手の艦隊による強制送還を認めたわけだ」


上記の読者による感想を読むと、当該の潜水艦艦長よりもはるかに状況を客観的に把握しているように思える。

2日間も日本側に追尾されているなかで、中国潜水艦の能力は全て日本側に把握されたに違いない。

つまり、日本側に丸裸にされたのも同然の措置を受けていることだ。いくら、平時のこととは言え余りにも緊張感の乏しい行動と言うほかない。


今回の一件は、中国潜水艦が基地を離れた時から、米軍の監視下でその行動の全てが把握されていたことだ。

隠密を旨とする潜水艦の行動が、完全に米軍の手中に握られていたこと自体、漫画的ですらある。

「第一列島線」とかいう仰々しい防御ラインを敷いていても、いとも簡単に米軍の監視下に組み込まれている現実を見ると、多くの疑問点が沸いてくる。

つまり、中国海軍は軍備だけはやたらと増やしても、その運用能力は極めて初歩的な段階に止まっている点だ。

これでは、習近平氏が「勝てる軍隊になれ」と訓示するはずである。


中国海軍は、大きな課題を残した。


第一は、騒音の高い潜水艦しか製造できない技術的な未熟さ。

第二は、潜水艦の行動が出航時点から米軍の監視下にあるという情報戦の弱点である。


前記の二点は、同一の原因に基づくのであろう。軍事技術的にレベルが低いという点だ。

これは、中国製造業の能力が低い点とも深く関わっている。

例えば、中国の高速鉄道は日本とドイツの技術をベースにして開発したもの。

中国では、「独自技術」と自慢しているが、高速列車の基幹部品は日独からの輸入に仰がざるを得ないのが現状だ。


精密工業技術で後進国

『サーチナー』(1月29日付)は、「中国人は高速鉄道を誇りに思っているけど輸入した基幹部品を組み立てが実態」と題する記事を掲載した。


中国の高速鉄道(新幹線)に対する「自慢」は、常識の域を超えている。日本の新幹線よりも速度が速い。
建設費も安いなどと自画自賛している。

これは、中国の地理的条件が日本よりも良く、平坦地が多いこと。土地は国有制度ゆえに強制的に取り上げ可能である。

日本に比べて人件費が安いからトータル・コストも安くて済む。こういう、中国特有の事情を持出して、その優位性を自慢するという児戯に等しい振る舞いをしている。


中国人のこういう度外れた自慢は、魯迅の『阿Q正伝』を彷彿とさせるのだ。客観的な見方ができず、すぐに法螺を吹いて歩く自己中心主義は、紛れもなく現代の中国人そのものである。2050年の世界覇権論は、「習阿Q」であるかもしれない。


(5)「多くの中国人にとって高速鉄道は『中国の製造業を代表する名刺的存在』であり、誇りに感じる製品の代表格らしいが、中国は高速鉄道に関わるすべての技術を掌握できているのだろうか。

中国メディアの『今日頭条』はこのほど、高速鉄道は『すべての中国人に誇りを感じさせる存在』であると主張する一方、中国は高速鉄道の基幹部品は今なお輸入に依存しているのが現状であると指摘している」

高速列車の主要部品が、日独製であることはこれまでも指摘されてきた。とりわけ日本製が幅を利かしている。その具体的な品目は、次のパラグラフで取り上げられている。


(6)「記事は、中国高速鉄道の近年における飛躍的な発展は世界が認めるところだと指摘し、数年にわたる研究開発の結果、中国は確かに高速鉄道の量産能力を手にしたと指摘する一方、『中国は国外から輸入された基幹部品の組み立てを行っているのが現状』と主張。

たとえば、制動に関する技術については国外メーカーが掌握しており、中国には技術移転はおろか、簡単な情報すら開示されていないと指摘。

また、ボギー台車の技術についても、中国は設計原理や改善の仕方については良く分かっていないのが現状であると論じた」


時速160km以上の高速列車に使用されているベアリングは、いまだ100%輸入品に頼っている。

ベアリングを提供しているのは、スウェーデンのSKF、ドイツのFAG、日本精工などの国際大手とされている。

高級ベアリングは、中国では製造が不可能である。

超微細なベアリングを使うボールペンの国産化が、2年ほど前にようやく可能になった程度だ。精密工業でお手上げの国である。

現に、自動車のガソリンエンジンも日本製に頼っている。

緩まないネジやナットも日本の独壇場である。高速列車に使われるネジやナットは、振動で緩んで当たり前である。

だが、日本製のネジは緩まないという。ネジが緩んで脱落すれば大事故に繋がる。日本製ネジが不可欠な理由である。


記事では、ブレーキやボギー台車が全て輸入品に依存している。もともと高速列車の技術がなかったのだから、高速列車を動かす部品が存在するはずもない。

現代の「阿Q」はそんなことにはお構いなく、「出来た、出来た」と大はしゃぎして、全て中国の実績にしてしまう。考えれば考えるほど、中国全土が「阿Q」に満ちあふれた国である。



(2018年2月6日)