韓国、「名物ドーナツ」行列できる繁盛店が閑古鳥「売上げ不振」
2018年09月24日
韓国経済ニュース時評アジア経済ニュース時評
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韓国の末端景気が落込んでいる。街の店の売上は20年ぶりの不景気風が吹いているという。名付けて、「文最賃不況」とでもいうのだろう。これぞまさに「人為的不況」だ。
京畿議政府(キョンギ・ウィジョンブ)の第一(ジェイル)市場は、「京畿北部最大規模の伝統市場」と言われているそうだ。
ここで一番有名な名物は、「即席ドーナツ名家」という看板の露店。質の良い材料で作ったドーナツを一般価額の半分である1個700ウォン(約70円)で売っているという。
いつ訪ねても、長い列に待たされることを覚悟しなければならない「有名店」だそうである。
ところが、最近は行列が消えており、店主は不況を嘆いているという。『中央日報』(9月23日付)の「20年ぶり最悪の景気、名節にも冷え込んだ伝統市場」が伝える話だ。
韓国では、路地など狭い通路が好きらしい。ソウルを旅行したとき、道路の真ん中にビニールで囲った「一杯飲み屋」があった。
日本人観光客の多い通りで、日本の歌謡曲をかけていた。ちょっと郷愁を誘うような店で、繁盛している様子だった。
中国もそうだが、露店などで食事する人が結構多いのは、昔からの仕来りであろう。
こういう大衆の集まる露店が、20年ぶりの売上不振とは深刻である。
アルバイトがなくなったりしている影響であろう。大衆が1個70円の「ドーナツ」も倹約しているとは、政府も真剣に対策を考えるべきだ。
これから朝晩が冷えてくると、不況風は一層、身に沁みるはずだ。
政府は相変わらず、最賃不況を素通りしようとしている。
先の南北首脳会談で、事実上の「終戦宣言」に署名したことで、文氏の支持率は61%へと回復(11%ポイント)した。
今後ずっと、この支持率を維持できる訳でない。「瞬間風速」と見るべきだ。
次の記事が、次回の世論調査の暗い結果を予告している。
『中央日報』(9月21日付)は、「家計負債増加速度 OECD平均の7.8倍」と題する記事を掲載した。
(1)「韓国銀行が20日、金融通貨委員会に報告した「金融安全状況報告書」によると、2009~2016年の韓国の「家計負債増加速度」(借金増加率-所得増加率)は3.1%ポイントだった。同じ期間のOECD平均は0.4%ポイントだった」
韓国の「借金増加率-所得増加率」は、OECD平均の7.8倍という「高速借金増加率」である。
昨今の「最賃不況」が、さらにこの速度を上げさせているに違いない。これでは、名物のドーナツも節約するはずだ。韓国の市民が、腹一杯この名物ドーナツを食べられる日はいつになるのか。