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通貨危機再来の可能性、韓国で「日米との通貨スワップ必要」の声

2018-09-24 18:40:45 | 日記


通貨危機再来の可能性、韓国で「日米との通貨スワップ必要」の声

=韓国ネットの本音は?

Record china

配信日時:2018年3月22日(木) 11時20分


22日、複数の韓国メディアはこのほど、米利上げにより韓国との金利が逆転した場合、資本流出の可能性が高まり、通貨危機が再来する可能性が高くなるという主張が出たと報じた。


2018年3月22日、デジタルタイムスなど複数の韓国メディアはこのほど、米利上げにより韓国との金利が逆転した場合、資本流出の可能性が高まり、通貨危機が再来する可能性が高くなるという見方が出ていると報じた。

「金利が逆転しても外国投資者の離脱は制限的」という韓国銀行の見通しとは異なる分析だ。

報道によると、韓国経済研究院(以下、韓経研)は18日、「米通貨政策の正常化の影響と韓国の政策対応方向」の報告書を通じて上記のように明らかにした。

韓経研では「米国は今年、金利引き上げや通貨還収などの通貨政策の正常化を進める」と展望し、欧州中央銀行についても「量的緩和政策を中断し、緊縮に転ずるもの」と予想しているという。

また「米利上げの際に通貨危機再来の可能性を排除できない」とも強調しているといい、記事では1994年の米利上げ後の1997年に発生した東アジア金融危機、2004年の米利上げ後の2008年に起きた新興国の流動性危機について伝えている。

記事は「同シーズンである1997年と2008年に2度の金融危機を経験した韓国としては、米利上げによる波及影響の分析と対策づくりが急がれる」と主張している。

また通貨危機が発生した場合、外貨保有額が約1200億ドル(約12兆7000億円)不足するとも推定されたというが、実際の危機では不足額はさらに増える見通しだという。

韓経研では外貨危機の再来防止のために「米韓・日韓通貨スワップが必要」と強調しているというが、最近の対外関係を考慮すると、2008年のように米韓通貨スワップが可能かどうか確信しがたい状況である上、日韓通貨スワップの再議論もままならないのが実情とのこと。

これを受け、韓国金融ICT融合学会のオ・ジョングン会長は「過度な利上げは企業の不良化を深めて家計負債返済の負担を重くし、景気低迷を招く可能性が高いため、資本流出の動向をモニタリングしながら慎重に推進しなければならない」と指摘。

さらに「米通貨政策の正常化を推進するとしても、何より韓国政府が経済政策を安定的に運用し、外債借り換え比率の減少と外国人株式投資資金の流出が起きないように予防することが重要である」としているという。

この報道を受け、韓国のネット上では「誰が正しいか見守ろうじゃないか」「韓国銀行と韓国経済研究院、果たしてどちらの判断が正しいのか」など両者の分析の行方を見守るコメントが寄せられている。

また、日韓通貨スワップについては「1997年の通貨危機の時に日本に裏切られた。

(※韓国では『日本が原因』との声も上がっている)だから日韓スワップは信じられない」など否定的な見方が強いようだが、韓国に対しても「韓国は何してるの?まだ金利を上げてなかったの?」

「市民は不動産や物価の値上がりで苦しんでいるというのに、政府は物価が安いから金利を上げられないって…。これが国と言える?」と不満の声も上がっている。

ただし、かつての通貨危機の恐怖から「経済停滞も怖いけど、通貨危機がもっと怖い。前もって備えるべき」「第2のIMF(※1997年の通貨危機の際に韓国の救済に入った)の前触れのようで怖い」と不安を漏らすユーザーも見られた。(翻訳・編集/松村)




外貨準備統計巡る韓国のウソと通貨スワップ、そして通貨制裁

2018-09-24 18:08:43 | 日記
新宿会計士の政治経済評論

外貨準備統計巡る韓国のウソと通貨スワップ、そして通貨制裁

配信日時:2018/09/20 05:00 | カテゴリー : 政治


最近、韓国の外交的な動きが怪しいのですが、これに対して日本経済新聞社元編集委員の鈴置高史氏は、「米国はいずれ通貨を使って韓国に何らかの制裁を仕掛けるのではないか」、といった仮説を提示されています。ただ、どうしても外貨準備などの専門用語は分かり辛い部分も多々あります。一方、私自身は金融規制の専門家でもあります。そこで、本日は韓国の外貨準備統計について、専門的な見地から、あらためて解説を加えておきたいと思います。

韓国の外貨準備のウソ

外貨準備高の振り返り

当ウェブサイトでは以前から、隣国・韓国の外貨準備高などの統計が怪しいのではないか、という仮説を提示しています。

韓国の当局が発表する韓国の外貨準備高は4000億ドル少々ですが、実はこの金額は大ウソであり、韓国がいざというときに使える外貨準備高はせいぜい2000億ドル、下手すると500~1000億ドルていどしかないのではないか、という仮説です。
この試算を、もういちど、簡単に振り返っておきましょう。

まずは外貨準備高の「中身」について、です。

国際通貨基金(IMF)のウェブサイトに掲載されている『国際的準備金・外貨流動性データテンプレート・ガイドライン』(※)P14によれば、外貨準備高には現金、預金に加え、有価証券(外貨建ての債券や株式)が含まれています。

(※正式名称は “INTERNATIONAL RESERVES AND FOREIGN CURRENCY LIQUIDITY GUIDELINES FOR A DATA TEMPLATE” のことです。)

そして、実際には各国が保有する外貨準備高の大部分は有価証券(とくに米国債などの安全資産)で構成されているはずです。

なぜなら、現金のままで置いておいても利子はほとんど付かないからであり、少しでも利回りが高い資産で運用されるのは世界の常識だからです。

次に、外貨準備高の「構成通貨」についてはどうでしょうか?

同じくIMFが公表する『公式外貨準備構成通貨(COFER)』(※)によれば、世界各国の外貨準備高は約6割が米ドル、約2割がユーロで構成されています。

ただし、ユーロ建ての外貨準備高を押し上げている「犯人」はスイスなど欧州諸国であり、これを除けば、米ドル建ての比率は7~8割です。

(※正式名称は “Currency Composition of Official Foreign Exchange Reserves” であり、COFERと略します。)

ということは、標準的な国の場合、外貨準備高の7~8割は米ドルで構成されていて、その大多数は有価証券で運用されているため、米国債の保有残高を見れば、だいたい外貨準備高と整合しているかどうかをチェックすることができます。

たとえば日本の場合、外貨準備高は140兆円前後ですが、米国財務省が公表するTICレポートを見ると、日本が国全体として保有している有価証券は2兆ドル弱(つまり約220兆円)であり、日本の民間セクターが保有する有価証券が約80兆円と仮定すれば、数字としては非常に整合しています。


外貨準備高に関するポイント

•外貨準備高とは:中央政府や中央銀行が保有する、流動性(換金性)の高い外貨建資産のこと。

•主な資産構成:有価証券(とくに外国国債などの債券)

•主な通貨構成:米ドルが6割、ユーロが2割。ただし、欧州諸国(非ユーロ圏のスイス、スウェーデン、デンマークなど)は外貨準備の多くがユーロ建てであるため、これらの影響を除外すれば、世界の平均値は米ドルが7~8割と考えられる


以上を「基礎知識」として踏まえておきましょう。

猛烈に矛盾するんですが…

では、韓国の場合は、いったいどうなのでしょうか?


韓国の通貨当局(中央銀行)が発表する外貨準備高は、4000億ドル少々です。

ということは、韓国の外貨準備高の通貨別構成が世界の標準(米ドル建て資産の割合が7~8割)だったとすれば、韓国は米ドル建ての有価証券を2800~3200億ドル保有している計算です。

もっとも、韓国は貿易や投資活動で米ドルを使用する頻度が高いため、もし韓国がウソをついていなければ、外貨準備高のうち米ドル建ての資産の割合は8割を超えているはずです。ただ、ここでは便宜上、韓国が保有する米ドル建ての有価証券は最大で3200億ドル(=4000億ドル×8割)と仮定します。

•韓国銀行が公表する韓国の外貨準備高:4000億ドル少々…①
•うち米ドル建て有価証券の金額:2800~3200億ドル…②(=①×7~8割)

ところが、米国財務省が公表するTICレポートを見ると、韓国が国全体で保有している米ドル建ての有価証券は3000億ドル弱に過ぎません(2018年6月末時点の内訳は米国債が943億ドル、エージェンシー債が442億ドル、一般事業債が349億ドル、株式が1235億ドル)。

しかも、この3000億ドル弱には、韓国の民間企業が保有する外貨建ての有価証券も含まれているはずです。

そして、韓国の資金循環統計によれば、その金額は約4320億ドルです(※ただし、1ドル=1100ウォンで換算した場合)。

まさかその全額が米ドル以外の通貨で構成されているとも思えません。

ここでは仮に、韓国の民間企業が保有する外貨建て有価証券の、ざっくりと半額(50%)が米ドル建てだったと仮定すると、韓国の民間企業が保有している米ドル建有価証券の金額は2160億ドルです。

•米国財務省が公表する、韓国が保有するドル建て有価証券:3000億ドル弱…③

•韓国の民間企業が保有している外貨建ての有価証券:475兆1240億ウォン…④

•1ドル=1100ウォンと仮定したときの④の金額:4320億ドル…⑤

•韓国の民間企業が保有しているドル建ての有価証券:2160億ドル…⑥=⑤×50%

•韓国銀行が保有していなければならないドル建て有価証券の金額:2800~3200億ドル…②

•②+⑥の金額:4960~5360億ドル…⑦

③と⑦を比較してみてください。どんぶり勘定で考えても、ざっくりと2000~2400億ドルが「行方不明」になっていることがわかるでしょう。

ここで、「韓国の民間企業が保有している外貨建有価証券」(④)の金額に占める米ドル建て資産の割合が増えれば、この「行方不明額」はさらに大きくなります。

たとえば、この割合が60%なら「行方不明額」は2400~2800億ドル、70%なら2800~3200億ドルの全額が「行方不明額」となってしまいます。


韓国の民間企業が保有する米ドル建て有価証券の割合が…
•50%だった場合…「行方不明額」は2000~2400億ドル
•60%だった場合…「行方不明額」は2400~2800億ドル
•70%だった場合…「行方不明額」は2800~3200億ドル

これが、私が「韓国が主張する外貨準備高のうち、下手すると7~8割はウソではないか?」と申し上げる根拠なのです。

もちろん、試算にあたって、TICレポート自体、かなりアバウトな部分もあるので、これに全幅の信頼を置くべきではありません。

とくに、中国政府がタックス・ヘイブンなどを迂回して米国債を売買しているという話は、しばしば英語版の経済紙で指摘されている点でもあります。

また、韓国は2010年から12年頃の欧州債務危機に際し、利回りが高い周辺国債(ギリシャ国債やポルトガル国債など)を買っていたという噂も聞きます(※出所不詳)。この「行方不明額」は現時点で全額が無事に償還されているという可能性もありますし、そうでない可能性もあります。

要するに、ここで重要なのは、韓国が「わが国の外貨準備高は4000億ドルある」と主張している内容自体が疑わしい、という点にあるのです。

韓国メディアの報道はどうなのか?

ところで、韓国国内の統計を信じるのならば、私の試算だと、韓国の対外債務はざっくり3000億ドル弱です。

そして、これは十分に外貨準備高(4000億ドル)で賄える範囲内にあるはずです。しかし、仮に外貨準備高が4000億ドルではなく、2000億ドルしかなかったと仮定したら、どうなるでしょうか?

まず、韓国は通貨危機に襲われる可能性が高まります。

韓国の民間銀行などが外国からの短期資金のロール・オーバー(借り換え)に失敗すれば、その瞬間、韓国の民間銀行は国際的な金融市場からシャットアウトされてしまうかもしれないからです。

また、うまくロール・オーバーに成功したとしても、非常に高い金利(コリア・プレミアム)を要求される可能性もありますし、韓国の通貨当局のハンドリング次第では、金融市場から韓国という国自体に対する信頼が損なわれるかもしれません。

ところで、私は以前から「韓国の外貨準備高4000億ドル」の信憑性に疑念を呈してきましたが、この疑念自体、別に私が唐突に言いだしたものではありません。

実は、他ならぬ韓国メディア自身が、数年前から通貨危機について頻繁に論説を掲載しているのです。

たとえば、今年3月には、韓国メディア『中央日報』(日本語版)が、こんな論説を掲載しました。

韓国、米利上げ時に通貨危機の可能性…日米との通貨スワップ必要(2018年03月19日13時47分付 中央日報日本語版より)

これは、「韓国経済研究院」が3月18日に公表した報告書『米国通貨政策正常化の影響と韓国の政策対応方向』のなかで、韓国が通貨危機に陥った場合、外貨保有額が約1200億ドル不足する、という推計が含まれている、とする記事です。

この1200億ドルの論拠については、記事だけではよくわかりません。

しかし、韓国の外貨建ての対外債務が3000億ドルで、外貨準備が1800億ドルしかないと仮定すれば、この「韓国経済研究院」の「1200億ドル」という数字と、ドンピシャリと一致します。

余談ですが、

「韓国経済研究院」はレポートの中で、「米国が年内に利上げに踏み切った場合、第3の金融危機が発生する可能性がある。これを防ぐためには米国および日本との通貨スワップが必要だ」と述べているのだそうですが、あれだけ反日をやらかしておいて、よく擦り寄ってくるものだと呆れるものです。

韓国、「屋台骨」現代自へ迫る格下げ危機で経済一気に「深刻化」

2018-09-24 17:43:19 | 日記
勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。



2018-09-24 05:00:00

韓国、「屋台骨」現代自へ迫る格下げ危機で経済一気に「深刻化」

経営不振の現代自・気亜車

雇用創出力は日本の8分の1


韓国経済を取り巻く環境は、日ごとに悪化している。最近の世論調査によると、文政権登場後の経済状況が悪化したという比率は約5割。

原因は、最低賃金の大幅引き上げである。このように、文政権は経済の「疫病神」に見られている。

OECD(経済協力開発機構)は9月20日に、韓国経済の「中間経済見通し」を発表した。それによると、今年の成長率を2.7%へ下方修正した。

5月の予測値(3%)に比べて0.3%ポイントも引き下げられている。

最低賃金引き上げによる内需の減退が、成長率引き下げ要因になったと見られる。

韓国政府は、最低賃金引き上げ問題について、「年末まで経緯を見たい」と主張してきた。

OECDは、一足早くそれを否定した形である。

文政権のメンツは丸つぶれだが、最賃の大幅引き上げを手直しする動きも見せず、じっと時間の過ぎるのを待っている恰好だ。

韓国を襲う懸念が、もう一つある。

昨年9月、世界の大手格付け企業が、現代自と起亜自などの格付けを見直すどうかを発表してから1年たつ。時期的にもそろそろ正式発表される季節になっている。


経営不振の現代自・気亜車


昨年の新聞報道を紹介しておきたい。


『朝鮮日報』(2017年9月8日付)は、現代自動社系列3社の社債格付けについて、次のように報じた。


スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、現代自動車、起亜自動車、自動車部品メーカー・現代モービスの3社の格付け見通しを「弱含み」に引き下げた。

今後、1年間の業績推移を見て引き下げる場合もあるという予告である。現状では、格付けの引き下げは不可避と見られる。


(1)

「米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8日、韓国の現代自動車グループの現代自動車、起亜自動車、自動車部品メーカー・現代モービスの3社の格付け見通しを『安定的』から『ネガティブ(弱含み)』に引き下げた。

ただ3社の長期格付けは、これまでと同じ『シングルAマイナス』とした。起亜の発行する長期債の格付けも『シングルAマイナス』で据え置いた」


S&Pの格付けで、「シングルAマイナス」とは、「A-」の記号で表されている。10階級中で上から7番目という「下位ランク」である。

もし、引き下げられると、「BBB+」で8番目のランクとなる。


(2)

「S&Pは現代自動車と起亜について、業績と収益性が落ち込んでいることを指摘。

今後、12カ月の間に現在の状況を改善できるかどうかは不透明だとした上で、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム『高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)』の在韓米軍配備に反発する中国での両社に対する否定的な世論は数カ月続くと予想した。

現代モービスについては、現代自動車グループと緊密な関係にあることに言及。『今後12~24カ月の同グループの自動車製造事業に関する不確実性を反映した』とした」


現代自と傘下の起亜自動車は、THAAD問題が起こる前、中国の売上台数が第3位につけていた。

しかし昨年、中国5番目の工場の操業開始と同時に、THAAD問題が起こり、中韓の外交関係は悪化。中国の消費者の間で韓国製品離れが起き、現代自の販売とブランドイメージも悪化した。


その後、両国の外交関係は正常化したが、現代自は販売回復に手間取っている。

中国でのシェアは大きく低下したまま。現代自を含む韓国系(ほとんどが現代自)は、今年8月のシェア(工場出荷ベース)で、5.08%。1~8月の累計シェアは4.56%だ。前年同期の19.98%から見ると4分の1にまで急落している。

現代自は、中国で人気の高まっているSUV(スポーツタイプ多目的車)の品ぞろえが薄いこと も売上に響いた。

今後は、中国の不振をカバーすべく、中国で製造した自動車を東南アジア諸国に輸出する計画を立てている。これによって、どこまでカバーできるかが問われる。


現代自の営業利益率は、韓国の国内自動車生産台数の低下ともに下落している。

2011年の営業利益率は、10.3%(韓国全体の自動車生産台数465万台)。

それが、2017年は4.7%(同411万台)へ落込んでいる。

今年上半期の営業利益率は3・84%である。まさに、「危機の深化」である。

こうなると、「利息や税金を支払えば、ほとんど手元に残らないため、収益で利息も払えない『ゾンビ企業』一歩手前」というギリギリの線に追込まれた。


自動車産業では、売上高営業利益率が5%を割り込むと研究開発費が賄えないことから、発展性が著しく制約されると言われる。

現代自は、すでにこの状況に入り込んでしまった。

このことから言えば、格付け引き下げは不可避と見られる。

これが与える韓国経済への影響は深刻であろう。韓国自動車産業は、最近時で韓国製造業生産の13.6%、雇用の11.8%、輸出の13.4%を支えている。

この大部分は、現代車・起亜車が担っているのだ。これを考えると、何としても現代自の立て直しを図らなければならないが、労働組合の協力姿勢がカギを握っている。


雇用創出力は日本の8分の1

自民党の総裁選が終わった。安倍首相の続投だ。アベノミクスが評価されたということだろう。アベノミクスで、日本の雇用状態は劇的な回復である。安倍首相に賛成・反対を問わず、この現実は素直に認めるべきだ。


韓国経済を観察していると、文大統領の経済政策は、理念先行型と言える。

無論、理念のない政策はないが、文氏の場合は極端に理念に酔ってしまい、それが現実に適用される際の副作用を一切、考慮しないという独善主義が鼻をつく。

理想=独善=形式という言葉をつないでみると、これが韓国社会の特色と気付く


理想=経済的に貧しい人を救うべし。

独善=この理想の実現するにあたって妨害を許せない。

形式=理想実現には一定の形式がある。それが、最低賃金の大幅引き上げである。


このように図式化して見ると、文政権は、韓国社会の陥るパターンを表わしている。

韓国の労働組合は、最低賃金引き上げによって正規雇用が救われるが、非正規雇用(一時雇いなど)に害がおよぶことに目を瞑っているのだ。


『中央日報』(9月17日付)は、「貴族労働組合の限界、臨時職・日雇いの実情に背を向ける韓国労総」と題する社説を掲げた。


(3)

「韓国労働組合総連盟(韓国労総)政策本部が昨日出し報告書は、統計庁の経済活動人口調査で臨時職・日雇い労働者は減っているが、相対的に安定した雇用の『常用職』は増えているとし、『全般的な雇用の質が改善に向かっている』と主張した。

被雇用者がいない自営業者は減っているが、被雇用者がいる自営業者は増えているという点も取り上げた。

特に雇用保険行政統計を引用し、雇用保険の被保険者数が増加傾向にあるという点も雇用の質が改善している根拠とした。

最近の就業者増加幅の減少を見て『雇用ショック』と解釈するのは適切でないという主張だ」


韓国労総は、文政権を支えている有力団体である。


それにしても、最低賃金の大幅引き上げによって失業率が高まった現実は、同じ労働者として胸が痛まないだろうか。

臨時職・日雇い労働者は減っているが、相対的に安定した雇用の「常用職」は増えているとし、雇用の質が高まっていると、政府と同じ意見を表明している。


ならば、失業率がなぜ4%に達しているのか。その理由には答えていないのだ。冷たい労働組合である。


韓国の労働組合組織率は10%。日本は17%である。

日本でも労働者総数から見れば低い組織率だ。

組織労働者の外には、スト権も与えられない労働者がゴマンといる。

その臨時職・日雇い労働者に人間としての共感を示さない労働組合とは、まさに「貴族労働組合」と言うべき存在であろう。


韓国の雇用創出力は、日本の8分の1という驚くべきデータが出てきた。


『韓国経済新聞』(9月17日付)は、「経済成長も雇用は後退、韓国の雇用創出力は日本の8分の1」と題する記事を掲載した。

韓国経済の雇用創出力が8年ぶりの最低水準まで落ちたという調査の結果が出てきた。

(4)

「実質GDP成長率と経済活動人口増加率によると、韓国の4~6月期の雇用弾性値は0.132だった。これは2010年1-3月期(0.074)以来8年3カ月ぶりの最低水準になった」


聞き慣れない言葉の「雇用弾性値」という言葉が出てきた。べつに小難しいことを言っているのではない。前年同期比の就業者増加率を実質GDP増加率で割った値である。数値が低いほど、経済成長率に比べて雇用増加率が少ないことを意味するに過ぎない。

(5)

「韓国の雇用弾性値は昨年10-12月期が0.356だったが、今年1-3月期は0.252、4-6月期は0.132に落ちた。こうした傾向が続く場合、今年の年間雇用弾性値も8年ぶりの最低水準となる見込みだ。年間雇用弾性値は2014年0.699、2015年0.395、2016年0.309、2017年0.400だった」

データが込み入っているので整理する。値は、雇用弾性値である。

昨年10-12月期0.356

今年1-3月期は0.252

今年4-6月期は0.132



年間雇用弾性値は

2014年0.699、

2015年0.395、

2016年0.309、

2017年0.400

今年の年間雇用弾性値は、最近の四半期が0.356以下だから昨年を下回るはずだ。


(6)

「硬直した労働市場構造が、雇用の創出を阻害するという分析もある。

韓国開発研究院(KDI)のキム・ヒョンウク経済展望室長は、『大企業の労働組合中心の労働市場構造を改革してこそ市場が弾力的に反応できる』とし、

『国が社会保障制度で後押ししながら(雇用による)企業の負担を減らす必要がある』と述べた。

韓国経済の雇用創出力は日本の8分の1、米国の2分の1水準と分析された


このパラグラフは、極めて重要なことを指摘している。

先に見たように、「韓国労働貴族」は、大企業労働組合である。

ここでは、終身雇用・年功序列賃金で保護されているから、労働市場の流動化(転職の自由度を高める)必要性を感じないのだろう。

日本の働き方改革では、多様な働き方を保証すべく、労働市場は流動化させる必要があるという視点だ。

年齢・性別を超えた就職を可能にさせている。だから、日本の雇用創出力は韓国の8倍になっている。



『お知らせ』

ライブドアで「勝又壽良のワールドビュー」と題するブログを開設しました。一日数回新情報を提供しています。「勝又壽良の経済時評」で取り上げられなかったテーマに焦点を合わせています。テーマは幅広く扱っており、両ブログのご愛読をお願い申し上げます。『勝又壽良のワールドビュー』



(2018年9月24日付)

中国、「きょう関税発動」米の第3弾で来年のGDP「6%割れ」

2018-09-24 11:34:04 | 日記

中国、「きょう関税発動」米の第3弾で来年のGDP「6%割れ」



2018年09月24日

中国経済ニュース時評米国経済ニュース時評



米国トランプ大統領は、きょう対中輸入品2000億ドルへ10%関税を上乗せする。来年1月1日から25%へ引上げる。



米中貿易戦争が本格化するなか、米国の専門家は、中国のGDP実質成長率が大幅に下落すると推測している。



『大紀元』(9月21日付)は、「中国GDP成長率低下の見通し、米中貿易戦の影響で」と題する記事を掲載した。



(1)

「米CNBC(19日付)によると、米専門家は、17日に公表された第3弾対中関税措置の税率が来年1月1日以降25%に引き上げられることで、来年中国のGDP成長率が低下すると予測。下げ幅が0.5~0.6%という。

米バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのエコノミストは、米中両国が互いに関税措置を行っているが、中国側がより深刻な影響を受けると警告した。中国の対米輸出額が対米輸入額の約4倍であることが主因だと指摘」



来年の中国のGDP成長率は、CNBCによると今年よりも0.5~0.6%の下落にすると予測している。

肝心の今年の予測が出ていないが、仮に6.5%とすれば、6%割れになろう。

中国の対米輸出額が、対米輸入額の約4倍であることで、中国経済の受ける打撃が米国の4倍という仮定を置いている。




(2)

「中国当局の発表では、2017年中のGDP成長率が6.9%だった。バンク・オブ・アメリカは、『中国当局が景気刺激策を実施したにもかかわらず、来年中国GDP成長率が6.1%まで下落する』見通しを示した。

JPモルガンは、中国輸出入の鈍化で、GDP成長率が現水準から0.6%下がると予測。台湾金融持ち株会社・国票金融控股の丁予嘉・社長は、米中貿易戦で、今年中国GDP成長率が6.5%にとどまり、来年以降『伸び率が大幅に落ち込む』と推測した。

丁社長によると、米国務省とシンクタンクのランド研究所がすでに、2001年に行った調査報告で中国による貿易不均衡問題を指摘し、不均衡の是正計画を策定した。同氏は、中国側がこれまでの貿易慣行を改めるまで、トランプ政権が対中制裁を継続していくと指摘した」



このパラグラフを要約する。

① バンク・オブ・アメリカは、来年の中国のGDP成長率は6.1%。

② JPモルガンは、中国輸出入の鈍化で、GDP成長率が現水準から0.6%下がる。

③ 国票金融控股の丁予嘉・社長は、今年は6.5%だが、来年以降は急速に落ち込む。トランプ大統領が、中国の不正貿易慣行を是正するまで関税率引き上げを継続するからだ。



(3)

「丁社長によると、中国の経常収支黒字が縮小するうえ、国内設備投資や内需も落ち込んでいる。

さらに、地方政府や国営企業の債務問題を加え、中国は長期にわたり景気低迷が続く可能性が高いという。

さらに同氏は、米政府をはじめとする西側諸国が貿易戦を通じて、『全体主義と資本主義を混ぜ合わせた中国当局の統治体制』にメスを入れようとしているとの見方を示した。

『中国経済を安定化させるには、当局が抜本的な改革を行い、完全な市場経済に移行するしかない』としている」


丁社長の見解は、私の予測とほぼ同じ線である。経常収支黒字が縮小するのは不可避だ。今年は1000億ドル。

来年は500億ドル見当に縮小するであろう。ここまで黒字が縮小すれば、人民元相場は動揺して売り投機が活発化する。

国内経済は浮き足立って、過剰債務問題が大きな壁となって立ちはだかるであろう。


西側諸国は、これを好機と捉えるであろう。

危機と見ない理由は、中国が自由と民主主義へ挑戦する「無頼漢国家」と判定していることだ。

『フィナンシャル・タイムズ』の記事で、中国がこういう事態になっても、西側は救済しないだろうと警告している。

自業自得という突き放した見方である。中国が、世界のガンであることは事実だ。「米国衰退・中国発展」という中国の国粋主義者の誤りを知る機会が来るに違いない。

(朝鮮日報日本語版) 【寄稿】対馬の仏像を日本に返そう

2018-09-24 11:22:56 | 日記

(朝鮮日報日本語版) 【寄稿】対馬の仏像を日本に返そう


9/24(月) 5:07配信

朝鮮日報日本語版


2012年10月に韓国人窃盗団が日本の対馬から2体の仏像を盗み出し、韓国に持ち込むという事件が起こった。

その後、韓国国内では「この観世音菩薩(ぼさつ)座像はあくまで盗品であるため、国際条約に従って返還すべきだ」という意見と、

「高麗末に倭寇によって略奪された可能性が高いので返還すべきでない」という両方の意見が対立し、6年にわたって裁判所で保管されるという異常事態が続いている。

海外に存在する韓国の文化財について20年以上にわたり実態調査を行ってきた筆者の立場からすると、この観世音菩薩座像を巡る論争はあまりにも感情的になっているように思える。

しかも一連の経緯から、この問題が韓国と日本の感情的な争い、あるいは行き過ぎた愛国主義という別の形に変質してしまうと、海外に残る文化財の還収にも何らプラスにならない。

文化財の還収は国民全体が望んでいるが、一方でこれは国家次元の問題であり、国同士による外交的な話し合いによって解決するしかない問題だ。

感情や個人の活動によって解決できるような性質のものではないのだ。

国立中央博物館が今年12月に開催予定の高麗建国1100周年記念特別展「大高麗展」を準備する過程で、対馬の仏像を巡る韓国での裁判所判決の影響もあってか、日本の寺などが高麗時代の仏画などの貸与に消極的になっているとの話も聞こえてくる。

また対馬の厳原港周辺のおよそ30ある土産物店のうち、7店では「韓国人立ち入り禁止」という張り紙が貼られているそうだ。

たとえ貴重な文化財であっても、それがどのような経緯で日本に渡ったかは確認されていない。

倭寇が仏像を略奪した可能性ももちろん考えられるが、断定はできない。

しかも窃盗犯が盗んできた盗品について「われわれのものだから手に入れた経緯や方法に関係なく無条件で取り戻すべきだ」などと主張するのは、文化財を取り戻す正当な行為とは言えない。

問題の観世音菩薩座像は今後も「日本から盗んできた仏像」というレッテルが貼られるため、信仰の対象として崇拝するのも難しくなるだろう。

韓国で作られた仏像を日本人が長い間保管し、信仰してきたという事実を軽く考えるべきではない。

今後はわれわれも自らとらわれている思い込みから抜け出し、浮石寺自ら中心となって観世音菩薩座像を対馬に堂々と返還すべきだ。

これが実現すれば韓日関係を改めて発展させる素晴らしいきっかけにもなるだろう。


パク・サングクさん(韓国文化遺
産研究院長)