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【中央時評】悪化する韓中関係に対する対処(2)

2023-06-07 17:33:44 | 日記
【中央時評】悪化する韓中関係に対する対処(2)


ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.06.07 10:06

第2に、各級で韓中間の疎通を増やさなければならない。

首脳会談は相手が応じないので実務対話を真摯に進めなくてはならない。

このような点で最近中国側の対話取りやめの動きは望ましくない。

主導権を持っている国家安全保障委員会(NSC)が立ち上がって対話するのも一案だ。

第3に、中身のある話をするためにはまず対中政策方向を確立しなければならない。

対中政策は別個のものではなく対米政策と統合的に考慮しなくてはならない。

従来、韓国は米国と協調してその過程で発生する中国の反発を場当たり的に収拾する形で対処してきた。

対米政策と対中政策が別々だった。

しかし今や米中対立が尖鋭化して米国の要求レベルが引き上げられ、中国の反発程度も高まった。

これ以上過去のアプローチ法は有効ではない。

米中露外交を構築していくために、統合・調整された戦略の枠組みをまず確立した後で、これを用いて各方面で対処しなければならない。

韓国の対米共助空間はどの程度で、中露との外交空間はどの程度なのかを計ることができる韓国型座標を確立することが望ましい。

このような基本的なスタンスがあってこそ中国と意義ある対話が可能だ。米国とも持続可能な共助ができる。

第4に、このような基礎の上で韓米中が互いに協力する共通理解を捜し出し、これを米中対決の雰囲気から分離する努力が必要だ。韓半島(朝鮮半島)非核平和、自由公正貿易が協力の素材になり得る。

第5に、中露との関係を一度に悪化させることはそれ自体が大きな負担なので戦略的にも得策ではない。もともとロシアは北核問題に対して中国よりも前向きな考えを持っていたが米露対立の渦中で次第に中国に同調していた。

ロシアが持つ前向きな観点を鼓舞して利用していくことがやるべきことであり、ロシアを中国側に追い込むことはやるべきことではない。したがってウクライナ武器支援は戦略的観点で苦心しなければならないイシューだ。

要するに、水面上に現れた中国発反作用は韓国外交にとって大きな挑戦であり、尹政府外交の重要な試験台だ。

我々は米国・日本に関するすべての歩みがすぐに中国とつながる時代に生きている。

大統領の訪米・訪日成果も米国・日本との関係だけで評価されるのではなく、中国との関係まで考慮してこそ最終評価が可能な時代だ。政府の適切な対処を期待する。



【中央時評】悪化する韓中関係に対する対処(1)

2023-06-07 17:30:47 | 日記
【中央時評】悪化する韓中関係に対する対処(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.06.07 10:

中関係に赤信号が点った。韓国政府の親米外交に不満を表わしていた中国が行動を始めた。

中国は韓国との各級協議を取りやめ、残しておいた外交チャネルで親米路線を警告する最後通牒性の注文を出した。

ちょうど韓中間で往復する言葉がにわかに荒くなり、中国の制裁の兆しも観察されていたところだった。

今や中国は関係が修交以来最悪という言葉を使うことに対して躊躇(ちゅうちょ)しない。

このような事態は予告されていたことだった。

中国は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府が発足以来、米国の対中牽制(けんせい)に同調していると考えて警戒心を表わしていた。

その一例が「5つの応当(必ずすべきこと)」措置要求だった。

中国は修交以来、米国の同盟である韓国を成果的に牽引して中国の立場を大きく配慮させたが、尹錫悦政府になってからこの成果が崩れていると感じている。

1年余り水面下で警告を発していた中国は、尹大統領の国賓訪米とG7(主要7カ国)会議出席を機に韓国の親米路線が一定限度を越えたとみなし、目に見える圧迫に切り替えた。

中国の強硬姿勢への転換にもかかわらず、尹錫悦政府の対米共助の歩みには大きな変化はないだろう。

尹大統領は7月NATO(北大西洋条約機構)首脳会議に出席し、韓日米首脳会談のための訪米も推進するだろう。

サプライチェーン(供給網)など米国が主導する対中国牽制にも引き続き参加するだろう。

中国発悪材料が続く展望だ。

ロシア発悪材料も予想される。

これまで韓国は自由を守るための国際連帯を強調する価値外交メッセージを強く発信してきており、米国など国際社会は韓国にウクライナ武器支援を含む役割を注文した。

韓国がこれに応じればロシアが反発するだろう。

こうなればすでに対米対決心理を基盤に北核問題を協調した中国とロシアはより一層北朝鮮の肩を持つようになるだろう。

当然、北朝鮮はこのような状況を利用して核の高度化を追求するだろう。

対処が必要な状況だ。もちろん米中対立とウクライナ戦争以降の国際構図が西側と中露陣営に分かれる局面で、米国の同盟である韓国は米国と歩調を合わせざるをえない。

しかし4強に囲まれて分断され、北核と対面するほど類例のない難解な地政学の中に位置する韓国が中露との外交を無視することはできない。

すると韓半島(朝鮮半島)の非核、平和、繁栄、統一の道に大きい隘路ができる。

対処リストの第1は、中国とあれやこれや言い合いをしながらも事態の悪化を避けていくことだ。

当たり前で簡単なようにみえるが必ずしもそうではない。

反中世論を考慮すると、韓国政府が中国との間に摩擦が生じれば世論が支持するかもしれない。

したがってその道を進もうとする政治的慣性があるかもしれない。

すでにこのような現象は現れており、格別に留意する必要がある。




韓国の失業者数、1年ぶりに100万人超え…20代の失業率だけ上昇

2023-06-07 16:56:29 | 日記
記事入力 : 2023/02/16 11:32

韓国の失業者数、1年ぶりに100万人超え…20代の失業率だけ上昇

韓国では1月の失業者数が1年ぶりに100万人を超えた。

全年齢層のうち20代の失業率だけが上昇した。

特に20代後半で失業率の上昇幅が大きかった。

雇用市場の低迷で失業者が増え、雇用弱者階層である20代が直撃を受けた形だ。

 韓国統計庁は15日、1月の失業者数が前年同月比11万9000人減の102万4000人でだったと発表した。

前年同月(114万3000人)を下回ったものの、1年ぶりに再び100万人を超えた。

 失業者数は雇用状況が良好だった昨年8月に61万5000人まで減少したが、昨年12月に86万6000人に増え、先月さらに増加した。

 失業率は3.6%で、前年同月より0.5ポイント低下した。

しかし、20代の失業率は逆に0.1ポイント上昇した。

特に就職市場に本格的に参入する20代後半(25-29歳)の失業率は1ポイントも上昇した。

40、50代と60歳以上は失業率が下がり、30代は前年同月並みだったのとは対照的だ。

 働く能力はあるが働いていない「休職」人口は265万3000人で、前年同月を8万4000人(3.3%)上回った。

休職人口とは病院治療や育児、家事などの具体的な理由なしに漠然と仕事をしたくなくて働かない人を指す。

失業者に分類されないが、失業状態に転落したり、最初から就職を放棄する可能性が高い。

中でも20代の休職人口は41万2000人で、前年同月を1万5000人(3.7%)上回った。

昨年4月から9カ月連続で減少したが、今年に入って増加傾向に転じた。 

 働く能力のある20代で休職人口が増えたことは、韓国経済全体で見ても良い現象ではない。

現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は

高齢者の働き口以外に、核となる経済人口である若年層の働き口を増やすため、政府が企業の投資拡大を促すべきだ」と話した。


GDPは韓国並み、経済ジリ貧でも軍事超大国の理由 ロシアは小国

2023-06-06 17:27:42 | 日記
【ロシアの歴史と国民性】

GDPは韓国並み、経済ジリ貧でも軍事超大国の理由

ダイヤモンド編集部 国際・中国週刊ダイヤモンド特集セレクション2022.3.17 


GDPは韓国並み。経済もジリ貧。にもかかわらず軍事超大国としての存在感を強めるロシア。

プーチン大統領が発揮する力の源泉は、世界最大の核戦力を背景とした強権的外交にある。

なぜロシア人は領土に対する強いこだわりを持つのか。なぜ強いリーダーを好むのか。

「週刊ダイヤモンド」2017年1月28日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

世界最大の核戦力を背景とした強権的外交

  彼のつぶやきは、ソ連崩壊後の約25年間で最悪の状態に陥っていた、米ロ関係の雪解けを思わせるには十分だった。

 最高権力者の座に就く直前の2017年1月7日、「私が大統領になれば、ロシアは私たちへの尊敬を強くして、協力して世界の問題を解決できる」。

米国のトランプ大統領はツイッターにそう書き込んだ。

 14年のクリミア半島の武力併合後、国際社会からの孤立を深めていたロシアを取り巻く環境は、対ロ協調路線にかじを切るとみられるトランプ政権の誕生で大きく変わり、ロシアはわが世の春を迎えることになりそうだ。

 しかしそれは同時に、世界史を塗り替える事態を引き起こすリスクをもはらんでいる。

 ロシアの名目GDP(国内総生産)は世界12位で、韓国と同程度の経済力しかない。

クリミアの強引な併合に伴う制裁で経済もジリ貧だ。

にもかかわらず、ここ数年、権謀術数が渦巻く国際政治の舞台でプーチン大統領が発揮するパワーは超大国のそれだった。

 例えば、米国に代わって内戦が続くシリアの停戦合意を主導、中東での指導力をにわかに強めている。

その一方、欧州ではロシア国境へと勢力を広げる西側の軍事同盟NATO(北大西洋条約機構)に対抗するため、自国の飛び地カリーニングラードに核弾頭を搭載可能な弾道ミサイルを配備して、欧州諸国を激しく揺さぶった。

 力の源泉は世界最大の核戦力を背景とした強権的外交にある。

米ロ協調が実現すれば、プーチン大統領はその中央集権的な独裁色を濃くし、さらなる「横暴」を世界に振りまくことになろう。

 ロシアにはそんな「力」を許容する土壌がある。


韓国・最大野党が国政放棄、「党代表の逮捕妨害」に躍起のあきれた実態

2023-06-06 16:39:40 | 日記
韓国・最大野党が国政放棄、「党代表の逮捕妨害」に躍起のあきれた実態

武藤正敏:元・在韓国特命全権大使

国際・中国元駐韓大使・武藤正敏の「韓国ウォッチ」

2023.2.21 4:17

国政課題の審議を
サボタージュする民主党
 韓国の全国紙である東亜日報の報道によれば、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足から9カ月がたったが、その間、政府の国政課題の実現に向けて提出された5つの法案のうち、4つが国会の「敷居」を超えられず、成立できなかったことが判明した。
 韓国の国会は2020年4月に総選挙を行い、「共に民主党(民主党)」は系列の比例代表政党「共に市民党」と合わせて、全議席数300の6割に当たる180議席を獲得し、圧倒的な勝利を収めた。その要因となったのが、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えた文在寅(ムン・ジェイン)政権の対応が評価を得たことである。民主党は現在でも169議席を保有している。

 与党が絶対的に多数の議席を確保したならば、国益に資す国政課題の実現が容易となったはずである。しかし、文在寅政権はこの総選挙での勝利は文在寅政権が掲げる政策が国民の支持を得たものと誤解し、社会主義的な法案を国会で相次いで議決した。
 しかも、国会での議決にあたっては、当時の野党である未来統合党(現在の与党「国民の力」)に対し、法案について検討する時間も与えず、国会でほとんど審議しないまま強行採決するようになった。これは韓国国民が期待する民主主義的な手法とはとてもいえないが、50代を中心とする文在寅政権支持派に守られて法律となってきたのである。
 民主党は、政権交代で野党となると、一転して国政課題の審議をサボタージュするようになり、国会は機能を停止している。今、民主党が国会で行っていることは、多数の議席を利用した検察への抵抗であり、民主党の権限と組織の防衛である。
 検察は2月16日、民主党代表の李在明(イ・ジェミョン)氏に対して逮捕状を請求しており、民主党が党論をまとめて李在明氏を逮捕から守れるかが焦点になっている。

文在寅政権は圧倒的多数の議席数で
韓国の社会主義国家化を進めた
 文在寅政権が国会の絶対的多数の議席を利用して進めた社会主義的改革、従北主義政策の代表的なものは次の2つである。
 一つ目は、韓国国会が2021年1月に議決した「重大災害処罰に関する法律」である。
 これは「重大産業災害」および「重大市民災害」が発生した場合、事業主、経営責任者および法人などに刑事罰を科すことができるようにする法律である。
 しかし、その判断基準が曖昧であり、こうした法律は韓国製造業の新規投資を阻害する要因となっている。経済界は当初から懸念を示していた。しかし、この法律は、過激労組・民主労総が求めていたものであり、労組重視の立場を取る文在寅政権は態度を変えることはなかった。

 二つ目は、いわゆる「対北朝鮮ビラ禁止法」だ。
 北朝鮮から脱出してきた人々は、北朝鮮の人々にその実態を知らせようとして、風船に乗せたビラを散布してきた。だが、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹の与正(ヨジョン)氏が「禁止する法律を作れ」と一喝すると、2020年12月「南北関係に関する法律」を改正して「対北朝鮮ビラ禁止法」を強行制定した。
 金大中政権で統一相を務めた康仁徳(カン・インドク)氏は「対北放送・ビラは戦略資産、心理戦を展開する必要がある」と述べている。
 金正恩総書記による、北朝鮮住民の苦境を無視した強引な核・ミサイル開発をけん制するために、北朝鮮住民には真実を伝える必要がある。

民主党の妨害により
国会は機能不全に
 民主党は、文在寅政権時代には民主主義を装いながら、国会で強行採決を乱用し、民主主義国家にはふさわしくない法律を次々に制定してきた。しかし、尹錫悦大統領の政権が樹立されると、自らにとって不都合な法律は審議を妨害し、韓国経済を停滞から脱出させるための法律や政策も、労働組合の意向を忖度し、妨害している。
 2月7日、東亜日報が国会議案情報システムなどを通じて分析した結果によると、先月までに国政課題の実現に向けて国会に提出された法律の制定・改正案は計276件。このうち、国会本会議を通過した法律は57件(20.7%)に留まっている。残りの219件はまだ国会係留中である。

 一方、政府が独自に修正できる施行令、施行規則は制定・改正が迅速に行われている。政府は先月までに52%にあたる115件の整備を終えた。
 国会で足踏み状態となっている国政課題法案の中には、韓国経済の成功を図り、民生と安全を厚く保護するための法案がある。ベンチャー・スタートアップ創業者の経営権を保護するために1株当たり複数の議決権を認める複数議決権導入法案は、民主党の反対で1年以上国会で議論されている。
 貸借詐欺を防止するための対策の一つである「悪質な賃貸借人名簿の公開」も、昨年の国会の混乱で審議が行われなかった。
 西江(ソガン)大大学政治外交学科の李賢雨(イ・ヒョンウ)教授は「経済危機をはじめ国家が転換期の危機に直面している状況で」「国民が要求し、悩んでいる部分を、より積極的に立法に反映する政策が中心の政党に移行しなければならない」と指摘した。民主党の真摯なる反省を求めたい。

民主党がやっていることは
李在明代表の逮捕妨害ばかり
 その一方で民主党が力を入れているのは、検察による李在明代表の捜査・逮捕を妨害することに尽きる。
 李在明代表は、これまで3度(先月10日、28日、今月10日)検察に出頭を求められ、捜査が進められてきたが、16日ついに逮捕状が請求された。
 逮捕容疑は、特別経済犯罪加重処罰法上の背任、利害衝突(利益相反)防止法違反、腐敗防止法違反、特別経済犯罪加重処罰法上の贈賄罪、犯罪収益隠匿規制法違反である。
 検察によれば、李在明代表は城南(ソンナム)市長時代の都市開発のうち、大庄洞(デジャンドン)事業で超過利益の扱いに関し決定権を行使し、2014年8月から今年1月までに城南都市開発公社に4895億ウォン(約510億円)の損害を与えた疑いがある。また、側近を介して城南市や都市開発公社の情報を流すことで、民間事業者に7886億ウォン(約820億円)の利益を得させたとみられている。

 城南市のサッカークラブ、城南FCを巡っては、オーナーを務めた2014年10月から16年9月まで、斗山建設やNAVERなど大企業4社に133億5000万ウォン(約14億円)の後援金を出させ、見返りに建築の許認可や土地の用途変更など便宜を供与した疑いが持たれている。
 李在明代表の逮捕にあたり、イ・ウォンソク検事総長は「地域住民と自治体に帰すべき天文学的な額の開発利益を、不動産開発業者とブローカーに山分けさせた地域土着不正であり、極めて重大な事案だ」とした上で「令状請求は全ての国民に普遍的に適用される基準に従った」と説明した。
 他方、李在明代表は「国家権力を政敵排除に悪用した検事独裁政権は、国民と歴史の侵犯を受けるだろう」と主張した。
 李在明代表の逮捕容疑は極めて重大かつ深刻なものであり、これまでに逮捕された側近等の証言を聞く限り、逮捕は避けられないものであろう。しかし、それだけに李在明代表の逮捕が民主党に与える損害は絶大なものとなりかねず、民主党は李在明代表防衛のリスクをいとわず守り抜こうとするのか、リスクを考慮し一歩引くのか、重大な決断が求められている。

李在明氏逮捕には
国会の同意が必要
 憲法上、現職の国会議員には、現行犯でなければ会期中に国会の同意なくして逮捕または拘禁されない不逮捕特権がある。現在は臨時国会会期中であるため、李在明代表に対する拘束前容疑者尋問(令状審査)をするには、国会の同意が必要となる。
 ソウル中央地裁は逮捕状請求書を受けた後、ソウル中央地検に逮捕同意要求書を送る。その後、法務部が最高検察庁から要求書を受け、大統領の裁可を受けた後、国会に提出する。逮捕同意案の国会提出までにかかる時間を考慮すると、国会での表決は今月26日前後とみられる。
 国会での表決は、民主党の議席が169議席あることから、否決することが有力である。ただ、民主党内では否決を党論とするか否かで意見が分かれているという見方もある。

 民主党の安浩永(アン・ホヨン)報道官は「検察の捜査は大庄洞の真相を明らかにするのではなく、野党を無力化し、大統領選挙のライバルだった野党第1党代表の政治生命を絶つ目的であることが明白」「李代表と民主党は決して屈することなく一致団結し、ただ真実と正義を守るために国民とともに戦う」と明らかにした。

民主党の中で割れる
逮捕同意案への対応
 他方、非李在明系の趙応天(チョ・ウンチョン)議員はラジオのインタビューで「逮捕同意案の否決を党論とすることに私は決然と反対する」「否決が適切かどうかというのは逮捕同意案の内容を見て判断すべき」「逮捕同意案に対して賛成を示唆する議員も少なくなかった」と述べた。
 逮捕同意案に対し、否決を党論とすることに対しては、親李在明系でも懸念の声が出ているという。金南局(キム・ナムグク)議員はラジオ番組で「党論を決める過程で小さな異見が大きな葛藤に増幅することもある」「非公開無記名投票なので、党論にしても誰が守ったか、守らなかったか分からない」と述べた。

 民主党よりも左寄りの正義党も慎重である。李貞味(イ・ジョンミ)代表は、国会で記者団と会い「不逮捕特権をなくすというのが正義党の党論であり、李在明代表の大統領候補時代の公約だ」「拘束される理由がないなら、令状審査で判断すればいい」との認識を示した。
 逮捕同意案は、在籍議員の過半数の出席、出席議員の過半数の賛成で通過する。中央日報によれば、国民の力(115議席)と正義党(6議席)、趙廷訓(チョ・ジョンフン)議員が逮捕同意案に賛成するものとみられ、民主党から28人の離脱票が出てくれば、李在明代表の逮捕同意案は可決される。
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 民主党がどれだけ結束して李在明代表を守れるか、今後の尹錫悦政権との攻防にも影響があろう。しかし、仮に党論で拘束し、李在明代表の国会会期中の逮捕を防いでも、李在明代表の容疑は重大であり、民主党の姿勢に対し、国民世論は厳しい視線を投げかけるであろう。
 李在明代表の疑惑は、文在寅政権時代からあり、大統領選挙敗北の要因でもあった。そして、尹錫悦政権の下で検察が本格捜査に踏み切ることは予想された。しかし、李在明代表は国会議員選に出馬、党代表にまでなった。
 大庄洞疑惑はもともと民主党とは関係のないところで起きた。しかし、李在明代表を国会議員にして不逮捕特権を与え、民主党の代表に選んだ。民主党は自らリスクを冒し、李在明代表を守る選択をした。
 しかし、それは民主党退潮の原動力となるかもしれない。

(元駐韓国特命全権大使 武藤正敏)