ある日、新潟で

【New-Lagoon Days】-αで描く新潟の光-

いつもそこにあったもの

2020-07-07 | 雑記


エンジンをかけると当たり前のように流れてきた音が消えた。
合わせたままのチューニングからは、ザーーーーとノイズが聞こえるだけ。
ああ、やっぱり終わったんだなぁと、ノイズを聞きながら車を走らせた。


最後の瞬間まで聞いていた。
「FM PORTは本日24時をもって閉局いたします。開局から19年と6カ月での閉局は大変残念ですが、これまで新潟県民FM放送、愛称「FM PORT」を愛していただいたリスナーの皆様に、あらためて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。JOWV-FM、JOWV-FM、こちらは新潟県民エフエム放送、FM PORTです。リスナーの皆様、ありがとうございました」
暫くの沈黙のあと、ブツっと聞こえ、そのあとはノイズだけが流れていた。

この際だから、開局当時から聞いてたといいたいところではあるけれど、ポートが開局した頃、俺は長野県上田市で暮らしていたので、新しいFM局が出来たという話は聞いていたけれど、とくに興味の湧く話題ではなかった。
新潟に帰ってきてから、車を運転するようになり、子供の頃から親の運転する車の中ではラジオが流れていたから、自然とカーステレオからラジオを流すようになった。当時、通所系の仕事をしていたのだけど、送迎車の中ではFM新潟が流れていて、それを聞いていたので、自分の車でも聞くようになった。しばらくはポートのことは記憶になかった。
なんのきっかけかは忘れてしまったが、ポートの事を思い出し、チューニングを合わせてみた。
それからはすっかりポートばかり聞くようになっていた。
仕事に行くときも、帰り道も、休日のドライブもポートばかり聞いていた。

なにが違ったのかと尋ねられても、何が違ったか具体的には言えない。
ただきっと、耳なじみが良かった、のだ。

車の中では聞いていてたものの、俺はヘビーなリスナーではないし、家ではほとんどラジオを聞くことはない。投稿やリクエストをしたこともない。極めてライトなリスナーだった。だけれども、そんな俺でも、朝、いつもの声を聞きながらの通勤がなくなったこと、夜遅くまでドライブしていた時に聞いていた楽しい番組がなくなったこと、みんなまとめてなくなってしまった悲しみは感じることができた。

停波・閉局から7日が経ち、他の放送局を聞いてみたりはしているが、やっぱりどうも落ち着かない。
状況を考えれば、また新しくポートのような放送局が立ち上がるということもないのだろう。
ポートに代わるものはない。

ありがとうFM PORT。
おかげでとても楽しい時間を過ごすことができました。

【NEX-5T】+【E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS】



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