難しい問題「自由とは何か」について述べます。
本当に自由になるための最大の障害は、もっとも親しい人たちだ、という悲しいパラドックスが成立する。:P.94 外山滋比古「知的創造のヒント」講談社現代新書
つい先日なくなった
外山滋比古(とやま しげひこ 1923-2020/07/30)も、いい言葉をたくさん残しました。
もしも、親しい人(従う人)がいなくなった人がいるならば、それは「親しい人(従う人)が離れていった」のではなく「あなたが本当に自由になり始めた証拠」「あなたが本当に自由になるその資格を獲得し始めた」のです。
なぜならば外山の言う通り「本当に自由になるための最大の障害は、もっとも親しい人たち」だからです。
自由のあるところに秩序はない。:P.45 「ダビンチの手記(上)」岩波文庫
アメリカは
自由をかかげていますが、秩序はないのです。自衛のための銃携帯を手に入れましたが、分断も手に入れたのです。
この分断(無秩序)がなければ、今の自由はなかったのです。自由と秩序は反比例するのであり、自由が大きくなると秩序がなくなり、共産国のように秩序を重視すると自由がなくなります。言い換えると「自由×秩序=一定」なのです。
尤も、自由も秩序も低い中国~朝鮮半島があり、自由も秩序も比較的高い日本のような国も、例外的にはありますが・・・・。
いや、こう言いましょうか。本当に自由になるために、もっとも親しい人を(自分の子供さえ)手放したのでしょう。
国として「それではまずい」と判断すれば、「50年単位」で変わっていくことでしょう。
韓国は
自由ではなく、管理・一律を求めています。それが北朝鮮~中国といった独裁国家へあこがれることにあらわれています。
途中で「自由」の意味をはき違えて「自由を放棄」し始めたからで、いまでも「自由」の意味を間違ってとらえています。「27年」では無理だったのです。
形式的に1954年の「米韓相互防衛条約」をもちながら中国へ接近するのは、独特の「瀬戸際外交」そのものであり、まだこれと言って韓国らしさをつかんではおらず、ひたすら米国・中国の間で「ばらばらでヨイショしているに過ぎない」のでした。
旧ソ連には旧東欧(今の露にはベラルーシ)が、そして中国には朝鮮半島が、どうしても「緩衝地帯(クッション)」として必要でした。この緩衝国の存在が共産国の宿命なのです。
エチエンヌ・レー:女が男に自由を要求するときは、彼女が他の男の奴隷になるつもりでいる時なのだ。自由になると言うのは、彼女にとって、単に主人を代えるということなのだ。:P.92 ジェローム・デュアメル(吉田城訳)「世界毒舌大辞典」大修館書店
レーは言っております。「女は常にただ一人の男の奴隷になりたがっている」「自由を追い求めて、主人を代えて不自由を求める」、と。
真理の探究-これが我々の行動の目標でなければならない。これをおいては行動に値する目的はない。---
私達が人類を物質的苦労からだんだんに解放していこうと望むのは、人類がかくして得られた自由を、真理の研究と観照とに用い得るようにするためなのに他ならない。:P.9 ポアンカレ「科学の価値」岩波文庫
真理の探究が、ノーベル賞を生みました。
従って、「真理を探求」しないところに、科学系のノーベル賞はいきません。
韓国が自然科学系のノーベル賞に縁がないのは、そのためです。
韓国の離婚率はこのところ急激に増えており、1989年にはついに日本と同率を示した。・・・・
この現象は儒教的な家族倫理の悪い面、つまり女の自由を束縛し、女に耐えることをことを求める家族観に、韓国の女たちがやっと反撃をはじめたことを示すものではないかと思うのだ。・・・・
しかし、日本の場合、女たちが国外へ逃げることはなかった。日本の社会自体がそれを受け容れることができたからである。韓国ではいまだに、離婚した女たちが再び結婚することはきわめて難しい。そして経済的な自立も、である。
いま、韓国の女たちに勇気をもって離婚する者が増えているのには、家から離れても女を受け容れてくれる日本の社会の存在が大きい。事実、日本で働くことをあてにして、泣き寝入りをやめて離婚したと私に話してくれた女性を何人も知っている。ただ残念なことに、彼女たちは日本に来てもまた男に頼ろうとしている。選択する職業はまず水商売に限られているのだ。・・・・
多くの女たちが自分の国に生きる場を見出せず、日本を頼って流出して来ている。女たちが外へ外へと流れ出す国、韓国。:P.82 呉善花「スカートの風」角川文庫
これは20年も前の本からの引用であり
今でもそうだとは言えませんが、そのころの情景が目に浮かぶようですね。
日本の男は当時、女の離婚を認め対応したので、日本の女が外へ流れることはなかったようです。
しかし韓国では当時、女は離婚しにくく再婚が難しかったのを韓国の男が認めず、しかたなく韓国の離婚女は、国外へ流れた、と女の呉善花(オ・ソンファ 日本国籍取得済み 拓殖大教授)は言っております。
やはり同じ民族である北朝鮮から亡命した人々も(北朝鮮出身の彼らは「帰順者」という用語に屈辱感と拒否感を感じるらしい)、自由を求めてやってきた韓国に失望して亡命を後悔する人が多いという。・・・・
最初のうちは好奇心と憐憫(れんびん)、同情心をもったりもするが、1~2ヶ月たつとそれは疑心と異質感、はなはだしくは敵対心へと変貌を遂げ、「北から逃げてきた奴」と遠ざけては蔑み馬鹿にする。:P.135 金文学/金明学「韓国民に告ぐ!」祥伝社文庫
韓国の自由に憧れた脱北者がいたのでしょうが、実際は失望することが多いらしい。
この原因としては、韓国に最大の問題があるでしょうが、それとともに、徹底的な鎖国をしていた北朝鮮が不幸な錯覚を生んでしまったことにも触れておかねばなりません。
もっともなんでも日本に責任があるという韓国人ならば、「脱北者が韓国に失望した責任もまた日本にある」のでしょうね(大笑)。
中国国営・新華社通信は25日、五輪成功を称賛する外国メディアの報道を伝える一方、チベット問題や報道、宗教の自由を問題視する内容は全く報じていない。 :2008年8月25日 毎日新聞
何を伝えるかも大切ですが、何を伝えないかもそれ以上に大切であることを示しています。
それを知るためには、たくさんの情報源にあたらねばならないし、信頼していたはずの情報源に裏切られる経験なども、大切でしょうか。
他人への気配りをしないでいるとそのベクトルが内向して、一方では仲間うちでおなじであることへの脅迫となり、他方では同じはずの仲間のなかでの攻撃欲求となる。かつては、農村共同体の閉鎖性にたいして、さまざまの人間のまじりあう都市の自由がたたえられた。しかし今ではたとえばニュータウンで、ある程度ゆたかな標準性に支えられながら、そこにもっとも典型的に「ガマの油シンドローム」が見られるようになった。・・・・
けっして「仲間」ではない異人が存在し、そして異人に心を使いながら暮らす方が、本当のところは健全であるのに。
日本が「単一民族」でうまくいっているというのは嘘で、民族的異質性の不足のために「ガマの油シンドローム」におかされている、というほうが本当だろう。
学校の問題でも、いまなにより必要なのは、問題児や問題教師も含めて、異質なものをかかえこむことであって、それを排除しながら「国際化」を唱えると言うのは矛盾している。「みんな仲間」であることではなく、「仲間はずれ」の許容されることが重要なのである。:森毅 毎日1986.12.6夕刊
重要なのは、「異質・仲間はずれ」をかかえ込む・許される社会であり、これこそ真の「多様性」なんでしょうか。
「同質」を追い求めていると、「ささやかな違いを大きい違い」ととらえるなど、奇妙なゴールに達しそうで、まさに「針小棒大」(笑)。
ソクラテス:私がこうしていちいち質問しているのは、ただ議論が正しい順序を踏んで最後まで進行するようにと願えばこそであって、べつに貴方にたてつくのが目的ではありません。私たちがお互いに相手の言おうとすることを推測しあってそれを強引に相手よりさきに言ってしまうような習慣は避けて・・・・
最後まであなたに自由に述べてもらうようにするためなのです。:P.241 プラトン 「ゴルギアス」世界の名著6 プラトンⅠ 中央公論社
人がしつこく反論するのは、こっちが言おうとしていることを先に 形を変えて述べるからで、これが分かっていて的確に質問するのは相当難しいようです。
要点のみ:情報がたくさんあって自由度が大きくなればなるほど、人間は固定を求めたがる。:森毅「電脳教育論」日本ソフトバンク
さてさて、皆様はどう思われますか。