新型コロナウイルスの感染拡大が企業業績を直撃する中、各社の財務指標をランキング形式で分析した。第1回は世界の主要企業の2020年4~6月期の売上高と最終損益の増減額。コロナに左右されない成長力を示す売上高の増加企業の上位は「新常態」需要を取り込んだIT(情報技術)や半導体などテクノロジー企業が並んだが、格差も浮き彫りになった。
企業業績・財務のデータベースであるQUICK・ファクトセットのデータなどから世界の上場企業約1万2400社の4~6月期の業績数値を日本経済新聞がランキングした。8月14日時点のデータで、金融や決算期変更などは除いた(以下 小見出し 原文をご覧ください)
■米アマゾン、2兆円超の増収で首位
■アジア勢、上位に目立つ半導体
■石油メジャー、10兆円弱の減益
(*日経 記事より) 写真:アマゾンは旺盛な通販需要を取り込んだ(独マンハイム)=ロイター . . . 本文を読む
■ダウは小反落(27844)。「追加経済対策を巡る米与野党協議の停滞し、景気敏感株には買い見送りムード。米中対立への懸念も相場の重荷。15日に予定されていた貿易問題を巡る米中の閣僚級協議は延期。中国の華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の禁輸措置を強化すると発表したことも、米中関係の警戒感を高めた。景気敏感株が総じて売られ、ボーイングやアメックスの下げが目立った。金融株も安い。ハイテク株は底堅く推移。ナスダックは1万1129.73と過去最高値を更新」。
■原油は反発(42.89)。「主要産油国による協調減産の順守が伝わり、原油需給の緩みが解消されるとの見方から買いが優勢。協調減産の「7月の順守率が97%程度と高い水準」との報道。米司法省は14日、ベネズエラに向けて航行していたイランの石油タンカー4隻を拿捕(だほ)したと発表した。米国とイランの対立激化で中東産の原油供給が細る可能性が意識されたのも相場を支えた。ドル安も買い材料」、●金は反発(1998.7)。
■米国債は続伸(利回り低下0.69%)。「米経済の回復鈍化を示唆する景気指標に債券買いが優勢。ニューヨーク連銀製造業景気指数はプラス3.7と7月のプラス17.2から大きく低下。8月中に合意するとみられていた新型コロナ対応の追加対策の発動は与野党で対立が続き、月内の成立は困難との見方が浮上。中国の華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の禁輸措置の強化を発表。米中懸念が高まったことも債券買い。ナスダック最高値更新は売り材料」。
■日経平均先物夜間引けは、23130。
■(為替)ドル長期金利上昇一服、不冴えな景況指標に若干円高、対ユーロでも若干円高。17時現在円は106.00近辺 ユーロは125.85/1.1870近辺。日中レンジは105.94-106.34、1.1849-1.1881。
14:20更新 . . . 本文を読む
米国・オーストラリアと中国の対立構造がレアアース(希土類)市場でも鮮明になっている。生産大手の豪ライナスは米国防総省の資金援助を受けて米国内に生産工場を建設する。米国は安全保障の観点からレアアース調達網における脱・中国への歩みを急ぐ。市場は成功例が少ない「ノン・チャイナ」のレアアース生産の行方を注視している。
「米国防総省との契約締結を非常にうれしく思う。重希土類は高性能磁石に不可欠で、ライナスは資源と知的財産、実績がある」。同社のアマンダ・ラカーズ最高経営責任者(CEO)は7月27日発表の声明でこう述べた。ライナスは米ブルーラインと共に、高性能磁石に使うジスプロシウムなど重希土類の生産工場を米テキサス州に建設する。米国防総省からの資金は交付金として受け取り、市場や戦略の調査、工場建設の計画策定や設計作業にあてる。
レアアース市場に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの清水孝太郎主任研究員は「重希土類の生産工場が中国外にできることに大きな意義がある」と評価する。
レアアースは17元素の総称で、原子量の大小で大きく軽希土類と重希土類に二分する。ジスプロシウムなどの重希土類は特に生産の中国依存が高く、市場シェアは9割にのぼるとの見方がある。分離・精製の技術や生産コストで競争力が群を抜いているためだ。清水氏によると、過去にはフランスで重希土類の生産プロジェクトが進んだが、コスト面の問題などから実質的に頓挫した。ライナスの生産プロジェクトは中国外で、中国資本が参入しない唯一の「ノン・チャイナ」工場になる見通しだ。高性能磁石はモーターの部品として戦闘機などに使う。米国は安全保障を念頭に、レアアースのサプライチェーン(供給網)から中国を排除する意向だ。ライナスとしても生産プロジェクトに資金援助がつくメリットは大きい。
ライナスが米国防総省の資金援助を発表した7月27日から2日間にわたり、米豪は外務・防衛担当閣僚協議をワシントンで開催した。両国は共同声明で中国の強権的な行動を批判。官民の両方で「米豪対中国」の構図を鮮明にしている。ただ、市場では脱・中国への歩みは一筋縄ではいかないとの声が目立つ。
(以下略 原文をお読みください。)(*日経 記事より)写真:重希土類のジスプロシウムは高性能磁石に欠かせない。 . . . 本文を読む
■株反落(23096)。「国内経済の先行きへの懸念から売りが優勢だった。先週900円超上げて約半年ぶりの高値水準となっており、高値警戒感からの売りも出やすかった。朝方に内閣府が発表した2020年4~6月の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率27.8%減と戦後最大の落ち込みを記録した。個人消費の減少幅が市場予想よりも大きく、景気の回復ペースが当初の想定よりも遅れるとの懸念が広がるなか、日経平均先物に売りが出て相場を押し下げた。日本時間17日の米株価指数先物や主要なアジアの株価指数が堅調に推移し、下値は限られた。東証1部の売買代金は概算で1兆5014億円。1月20日以来約7カ月ぶりの少なさだった。夏休みシーズンで市場参加者が限られ、商いは低調だった。売買高は8億1922万株で2019年12月30日以来約8カ月半ぶりの低水準だった。東証1部の値下がり銘柄数は1452銘柄と約67%だった。値上がりは635、変わらずは86銘柄だった」。
■債券堅調(利回り低下0.04%)。「前週末に約1カ月半ぶりの高水準となっていたため、米金利の上昇一服をきっかけに利回り水準の高さに着目した買いが優勢となった。日経平均株価が下げ、相対的に安全資産とされる債券には買いも入りやすかった。GDP速報値では、個人消費の弱さが目立っており、新型コロナの感染が再び広がるなかで景気の先行き不透明感が高まったとの見方も債券相場の支えとなった。超長期債には買いの勢いが限られた。新発30年物国債の利回りは前週末と同じ0.615%、新発40年債利回りは同0.005%高い0.640%で推移している。財務省が18日実施する30年債入札を前に持ち高調整を目的とした売りが出て、超長期債の利回り低下は限定的だった」。
(為替)米長期金利の上昇一服で持ち高調整の円買い。106.40-106.65の狭いレンジ。17時は106.47近辺。ユーロは126.18/1.1850近辺。若干のユーロ高・円安。 . . . 本文を読む
人工知能(AI)にも「お国柄」がある。判断の基準をマシンに教える側の人間社会に考え方の違いがあるからだ。同じ問題を解くのでも、開発した国や組織が異なれば別々の答えを導き出すことがある。
6月末、米政府の独立機関であるAI国家安全保障委員会が「コロナ危機対応とAI技術の役割」と題する白書を公表した。全米の病院や企業が臨床データを共有し、AIでワクチン開発を急ぐ案など10項目の提言からなる。同委員会によるAIと新型コロナウイルス対策に関する白書は、5月以来、実に3冊目だ。プライバシーやソフト開発者の責任など根本的な倫理問題の見解について、議会と国民に明確に示す必要があるからだ。政府の予算を使う以上、いくら切羽詰まった状況でも民主主義の手続きは省けない。中国ではAI導入のスピードが速かった。人の流れを監視するための個人の識別や感染経路の予測など、現場で活用が進んでいるのは事実だろう。
人口100万人あたりの感染者数(8月15日時点)を比べると、米国とブラジルが1万5千人を超えている。数字に信頼性の問題はあるが、ウイルス発生地とされる中国は62人にとどまる。個人情報の保護より監視データの収集を優先する社会の方が、感染対策で有利であるのは明らかだ。コロナは国ごとの価値観の差異を浮き彫りにした。「機械ではなく人間が中心のAI社会を、どの国が築けるか」。社会と技術の関わりを研究する青山学院女子短期大の河島茂生准教授は、世界史の分岐点が来たとみる。
違いは研究開発の姿勢にも如実に表れている。「XAI」と呼ばれる研究分野が象徴的だ。「X」は「説明できる(Explainable)」の意味。人間の言葉や画像を使って推論の筋道を分かりやすく説明できる能力を備えた次世代型のAIだ。この分野では米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が世界の最先端を行く。機密が多いはずの軍事部門が透明性を高めようとするのは、自律的なロボット兵器や作戦行動の自動立案が、既に米国で実用化されているからだ。機械が人命に関わる判断を下すなら、その判断の理由を説明する責任が軍にはある。「AIが決めたから」では済まされないのだ。(以下略 原文をご覧ください)
(*日経 記事より)写真は:中国ではコロナ対策でAIが活躍している(7月、上海で開いた国際AI会議で)=ロイター . . . 本文を読む
●今週(8/17-8/21)の主な予定
■イベント/政治
(8/16)中国、東シナ海での入漁解禁日、(8/17)米民主党が党大会(20日まで)、(8/18)レバノン特別法廷で2005年ハリリ元首相暗殺事件の判決、(8/19)米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月28~29日分)(8/20) 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨、(8/21)自民党の岸田文雄政調会長が派閥若手の勉強会で講演(広島市)
■経済指標
(8/17)4~6月期の国内総生産(GDP)速報値、6月末の米国債保有残高、(8/18)7月の米住宅着工件数、(8/19)7月の貿易統計(財務省)、6月の機械受注統計(内閣府、(8/20)8月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の中国最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)、7月の米景気先行指数、(8/21)7月の訪日外国人客数(日本政府観光局)、7月の米中古住宅販売件数、(独) 8月製造業購買担当者景気指数(PMI)
(写真は * 日経 記事より)
14:00更新 . . . 本文を読む
中国が東シナ海で設けた休漁期間が16日昼に明けた。過去の休漁明けで沖縄県尖閣諸島の周辺の領海やその外側の接続水域に中国の漁船や公船が度々押し寄せたことがある。中国が漁船の尖閣接近を抑えているとの情報もあるが、公船は周辺で活動を続けている。日本政府は警戒態勢を取っている。
政府関係者には2016年の休漁明けの記憶がある。同年8月5日、200~300隻の中国漁船が尖閣周辺海域に現れた。その後に多数の中国公船が続き、9日までに28隻が領海内に入った。日中関係が改善基調だった17年以降は落ち着いていたものの、日本側は今年も同様の事態が起こりうるとみる。「例年より多く中国船が来る可能性はある」。外務省幹部は危機感を強める。
尖閣を巡っては日中の摩擦が絶えない。4月14日~8月2日まで中国海警局の公船が111日連続で尖閣周辺の接続水域に入った。長時間の領海侵入や日本漁船の追尾も相次ぐ。
日本政府は外交ルートで繰り返し抗議し、中国に自制を求めてきた。茂木敏充外相は中国の王毅(ワン・イー)外相に電話で尖閣周辺の活動に懸念を伝えた。
中国の出方は見極められない。中国側は米国と対立する状況で、日中関係を緊迫させるのを避けるとの見方もある。一方で中国海警局は体制を増強しており、より挑発的に出てくる恐れもある。
(*日経 記事より)写真:2016年の休漁明けには200~300隻の中国漁船が尖閣周辺海域に現れた=共同 . . . 本文を読む