心の花束 命の水
一 被災地に雨が降る
四月の雨は冷たく この身に沁みる
「がんばろう」は言わないで…
心が乱れまた辛く悲しくなるから
心が胸が苦しくザワザワ泣くから
あんなに美しく咲き誇っていた花々が
一瞬にしてどこへ消えてしまったの?
私たちは何処へいけばいいの
私たちの居場所は何処にあるの
地べたに座り込み 身動くことも出来ない人たち
立って立ってただ立ちつくす人たち
“水がない”
命の水がない
一滴の水がない
潤す水が欲しい
それでも冷たい雨は涙のように
無情にも降りかかる
胸が寒い。心が痛む。
何を憎めばいいの…
今夜も闇の世界がやってくる
沈みゆく真赤な夕陽が静寂な程空しい
崩れかけた熊本城の石垣を見た時
涙がとめどなく流れた。
その石垣の側で折れた枝先に咲く
赤い霧島つつじを目にした瞬間
思わず「頑張れ!頑張れ!」と
テレビに向って心の中で叫んでいた。
二 被災地に陽が昇る
青空が見え太陽がまぶしい五月
家族が少し笑った。
友人が少ししゃべりかけてきた
子どもたちの走り廻る姿が
明るい笑い声が元気をはこんでくる
少し癒され勇気が湧いてくる様な気が
してきた。
歩き出せそうな何かを感じた
“この瞬間がないとウソになる”
人は人を思いやり愛しみ 安らぎの時
を生きる力に変えていかなければ
前に進め無い
“立ち上がろう。歩き出そう。”
この道がいつ迄 続くか解らない
けれど“今、頑張ろう”と声を
かけ合い乍ら
今、水が届きました。
命の水が、届きました。
青空の向こうから優しい風の声が
聞えてくる。
あなたが届けてくれた
えがおのおかげ様で元気になりました。
わたしもほんの少しだけれど笑顔の
おすそ分けをさせてください。
美味しい水もお届けしましょう。
あなた達の希望の居場所が
あなた達の本当の笑顔が
一日も早く訪れますように…
信じて居ります。
祈って居ります。
一杯の水に感謝の ありがとう。
心の中に満開の花が咲きました。
この花々を花束にして
あなたにお届けしましょう。
二〇一六年五月吉日 記
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