海亀

浜辺を散歩しながら、ひとりごと...

ふたたび絵馬の話

2007年06月29日 | インポート

19621_001_1 この絵馬は、『日露戦争図、明治二十九年』と、『福岡の絵馬第三集』に記載されているが、日露戦争は明治三十七~八年だから、二十九年は絵馬作者の誤記入か、調査者の読み取りの誤りか記載時のミス、という

ことになる。

Img188 ここで、少し古い写真を見ると、額縁左に三十九年と読めるので、調査者の読み取り(又は記載時)のミスということになるだろう。この二枚の写真のうちどちらを使うかというのが問題。

一時は、二十九年、日清戦争後に奉納された絵馬なのかもしれないと思い、軍服を調べてみたところ、写真のように日露戦争時代のロシアの軍服にほぼ間違いないように思う。

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新しく調査を行い、新しく写真も撮る場合、過去に鮮明だった部分が不鮮明(又は解読不能)になっても、その時点の調査実態としては、あるがまま表記するしかなくなる。それが正しい。学者ならば。

しかし、目的によっては、美術的価値と教育的価値を強調する配慮、が必要であると思う。美しく、鮮明なものの方がよりよいインパクトをもたらしてくれる。尾形光琳の絵であっても絵の具が剥落してしまえば、ただの杉板ではないか。

後輩の人達に、より美しい形を残してあげることはそれで意味があると思うが、どうなのかな?