謙虚を学ぶ言葉

謙虚を学ぶ

私は『マザー・テレサへの旅路』を書いたとき、

ニューヨーク州立大学病院のロビーに掲げられている詩を紹介しました。

その詩の作者は

「自分は運がなかった。

やることなすことが全然かみ合わず、

つらい人生だった」

と、すべてを投げ出しかけていました。

でも最後に、気が付かれました。

「そうじゃない。

つらかった、あのことも、このことも、

私に大切なことに気づいてほしいという、天の願いだった」

と。

それが次の詩です。

「大きなことを成し遂げるために力を与えて欲しいと神に求めたのに

謙虚を学ぶようにと弱さを授かった

より偉大なことができるようにと健康を求めたのに

より良きことができるようにと病弱を与えられた

幸せになろうとして富を求めたのに

賢明であるようにと貧困を授かったと

世の人の称賛を得ようとして成功を求めたのに

得意にならないようにと失敗を授かった

求めたものは1つとして与えられなかったが、

願いはすべて聞き届けられた

私はあらゆる人の中で、

最も豊かに祝福されていたのだ」

この方は、

「私たちは大きな存在（サムシング・グレート）に見守られて生かされている」

と、気付かれました。

この人の苦しみも「サムシング・グレート」には分かっていて、

「つらいだろうけど投げ出すなよ。

心を強くし、頑張って乗り越えてくれ」

と願っていらっしゃるのです。

そのメッセージに気付いたとき、

私たちは

「何が起ころうとも真正面から受けて立とう。

私の存在のすべてを懸けてそれを乗り越えていこう」

という気持ちになれるのだと思います。


（「みやざき中央新聞」11.14、神渡さんより）