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ゴリラ

2017-06-07 11:32:42 | お話
11🐵ゴリラ🐵


誰の人生にも、困難は待ち受けているものだ。

裏切られることもあるかもしれない、

理不尽な嫌がらせにあうこともあるかもしれない。

「密林の王者」と呼ばれる


🐵ゴリラ🐵。


実は、繊細な心の持ち主である。

恐怖を感じやすく、ストレスでよく下痢をする。

天敵はヒョウで、彼らの存在に怯えて過ごしている。

本来、ゴリラは強い。

最高で600kgの握力を持ち、体当たりで動物園の強化ガラスにヒビを入れるほどの力を持っている。

ところが、力を持っていても仲間同士で争うときは、

まずはドラミングで威嚇し、ムダな争いを避ける。

自分から戦いを仕向けるようなことはほとんどない。

ゴリラはやさしいのである。

海外の動物園では、ゴリラの檻(おり)に落ちて意識を失った子供を、ゴリラが助け出した事例がいくつか報告されている。

人間に育てられたゴリラのココは、手話で人間の感情を表現できる。

飼育員から与えられ、大切に飼っていた猫が事故で死んでしまったことを聞いたときは、その悲しみを手話で表現した。

「ゴリラは死ぬと、どこにいくの」

という質問に対しては、

「苦労のない穴に、さようなら」

と返している。


人に傷つけられ、人生のどん底にあると思ったとき、

報復を考えるのではなく、

ゴリラのやさしさ思い出してほしい。

真の強さとは、

勝つことではない。

いつでも慈愛の心を忘れないこと。

そんな心の強さを持てた者こそが王者なのである。


🌸🐵よき夫・よき父親として🐵🌸

ゴリラは人間に非常に近い動物だ。

何といっても、分類が

「哺乳類サル目ヒト科ヒト亜科」

の仲間である。

遺伝子の違いは2%以下で、

他のサルとゴリラ、人間とゴリラだと、

人間とゴリラのほうが近い。


ゴリラは人間と同じく相手の考えを予測して行動することができる。

これができるのはサルの中でも類人猿と呼ばれる、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、オランウータンなどに限られる。

ゴリラほとんどの場合、単独のオスと複数のメス、子供たちで形成される一夫多妻制の群を形成する。

基本的に群れ同士で交流することはなく、

別の群れとは一応「敵対」という形を取っているが、極力争いは避ける。

唯一激しい争いが起きるのは、メス同士をめぐって争だが、

この場合もメスがすんなり相手を選べば問題にはならない。

メスがどちらのオスを選ぶか迷っているときにのみ争いに発展するのだ。


ゴリラが類人猿の中でも特に理性的である証拠に、

類人猿の中で睾丸が最も小さい。

実は、睾丸の大きさは繁殖様式によって変わる。

チンパンジーは乱交型の繁殖様式でゴリラの100倍交尾を行うため、

他のオスに精子の量で勝つ必要があり、

大きな睾丸を持ったと考えられている。

ゴリラの場合は、交尾にいたるまでにオス同士で完全に決着をつけるため、

一度夫婦になれば他のオスと妻たちとの「浮気」は起こらない。

そのため、睾丸を発達させる必要がなかったのだ。

人間といえば、睾丸の大きさはゴリラとチンパンジーの中間くらいだ。

現在、日本を始めとした多くの国では一夫一婦制がとられているが、

生物学的に見ると類人猿たちはほとんどの場合、乱交型・あるいは一夫多妻制を採用している。

(だからといって人間の浮気が許されるという話ではないが)

話を戻そう。

そのように、確実に自分の子供だとわかる繁殖様式のためか、

ゴリラはよき父親でもある。

母親のゴリラは子供が離乳すると、父親であるゴリラの前に子供を置いて立ち去る。

子供は最初こそ不安がるが、すぐに兄弟たちに混じって遊びはじめる。

父親は子供たちを見守りながら、

ケンカをしたときに仲裁に入ったり、抱いたり、遊んだりして子育てをする。

次第に子供たちは父親のゴリラを信頼し、

父親として認めるようになるのだ。

そして成長したゴリラは、大人になっても育ててくれた父親を追い出したり、横暴にふるまったりしない。

ゴリラのオスは子育てをすることによって生涯群れのリーダーとして君臨することができるのだ。

人間も、家庭の中での地位を確保するためにも、

ぜひともゴリラを見習って子育てに参加することをおすすめする。


🍀ゴリラの豆知識🍀

・ドラミングはグーではなくパーで叩く。

・ドラミングは2〜3km先まで聞こえる。

・西ローランドゴリラの学名はゴリラ・ゴリラ・ゴリラ。

・ゴリラの糞投げは求愛行動。

・ゴリラは全員B型。

・ゴリラの語源はギリシャ語で「毛深い女部族」。


(「LIFE 人間が知らない生き方」麻生羽呂、篠原かをりさんより)

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