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カフェーパウリスタ「森のコーヒー」①

2016-12-14 14:40:01 | お話
🌲🌲カフェー☕️パウリスタ「森🌲のコーヒー」🌲🌲


グローバル化という言葉がもてはやされていた時代、

うんうんと頭を抱えている、1人の男がいた。

カフェパウリスタ6代目社長の私、長谷川である。

就任直後にもかかわらず、巨大な壁にぶつかっていた。

当時、米シアトル系コーヒー会社の日本進出をきっかけに、

欧米の大手コーヒーチェーンが続々と上陸していた。

新しいスタイルは、あっという間に日本人の心をとらえてしまった。

一世紀あまり前、コーヒー文化を日本に初めて発信したのは、

何を隠そう私たちカフェーパウリスタだ。

銀ブラ(銀座でブラジルコーヒー)の語源となったほど、

当社のコーヒーはハイカラな西洋文化として熱狂的に支持されたという。

さぁ、日本の老舗として、ここはひとつ勝負に出なければ、

欧米チェーンにはない、パウリスタだけの価値とはなんだろうか… 。

私は、昼夜を問わず考え抜いた。

そして、当社のアイデンティティーに立ち返り、1つの答えを出した。

カフェーパウリスタは、 "ブラジル移民の父" と呼ばれた水野龍により

「ブラジルコーヒー宣伝所」

として創業した。

そこには、遠い異国のコーヒー農園で汗を流す、ブラジル移民たちの苦労に報いたいという想いがあった。

生産者とお客様の架け橋になる。

そんな当社のスピリットを、新しい形で表現したい。

運命の女神は、微笑んだ。

極めて珍しい農薬不使用コーヒーの生産者たちとの出会いが待っていたのである。

ー・ー・ー・ー


「こんな農園見たことない…」

私は言葉を失っていた。

揺れる木々、優しい木漏れ日。

そして落ち葉の積もった大地。

コーヒー樹木は他の樹木とともに、すくすくと枝を伸ばしている。

「サント・アントニオ農園」は豊かな森そのものだった。

農園の持ち主は、ジョン・ネット氏。

1980年代から有機・無農薬栽培によるコーヒーづくりに取り組んできた先駆者の1人だ。

ブラジルの大規模農園は、熱帯雨林を伐採し、そこにコーヒー樹木だけを植える。

収穫量を増やすために生産を機械化し、農薬や化学肥料を使う。

しかし彼は、農薬はおろか肥料も一切使わない。

ジャングルのようなコーヒー畑で高品質の豆を作る。

まるで奇跡の技だ。

「奇跡を行うのは、土だよ。

植物の食べ物は良い土だ」

ジョン・ネットさんが教えてくれた。

コーヒー樹木はもともと日陰を好む。

単作では、直射日光を浴びて木々は病害虫がにかかりやすくなり、

さらに農薬を使うことになるのだと言う。

一方、森では日陰樹(高木樹)がコーヒー樹木や土の微生物を守ってくれる。

「化学肥料で木々のお腹をいっぱいにしないこと。

すると木は根を深く張り、強く育つ」

と彼は言う。

そして、

「森は、コーヒーのカーザ(家)だ」

と。


農園では牛や馬、豚も育てられていた。

かわいい子豚が親豚の後をついていく。

その横で、牛が草を食んでいる。

除草剤を使わなくても、これらの生き物たちが雑草を食べてくれる。

同様に害虫はその天敵の虫に食べられる。

農薬を使わないから、生態系の調和が保たれているのだ。

「VIDA(生)を結びあう。それが自然農法ど。

農薬のようなMOTE(死)ではなくVIDA(生)を選ぶ。

それは、人生も同じこと」

ジョン・ネットさんのコーヒーは、ブラジルコーヒー本来の魅力に満ちていた。

自然の甘み、明るい酸味、そして深い味わい…。

安全・安心でおいしい農薬不使用のコーヒー、

これこそ私が探していたものだ!

さっそく日本に帰って販売すると、瞬く間に人気が出た。

こうして、パウリスタの看板商品「森のコーヒー」が誕生した。

私は、ジョン・ネットさんのように農薬・除草剤・化学肥料を一切使用せずに、

おいしいコーヒーを作ることができる生産者を、さらに探すことにした。


(つづく)


酸味が爽やかなコーヒーでした。(≧∇≦)

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