🌸🌸ケレケレ🌸🌸
桂文珍師匠の第一弟子に、桂楽珍という噺家がいる。
鹿児島県徳之島の出身。
「南の楽園から来た」ということで、師匠は彼に「楽珍」と名付けた。
顔はカルロス・ゴーン似である。
いちど師匠のお供で日産本社を訪れた際、ゴーン社長に間違えられたという。
入門して間もない頃、師匠が半分残していたパイナップルが翌朝なくなるという事件が起きた。
犯人は当時1人しかいない弟子・楽珍以外に考えられない。
「食べてもいいが、黙って食べるのは良くない。
ここは師匠として叱っておこう」
と思い、
「あれはわしのパイナップルだったんや。
一言、
『頂いてよろしいですか?』
と聞いてから食べなさい」
と諭した。
すると楽珍はこう返した。
「すいませんでした。
徳之島ではパイナップルはみんなのモノなんです」
この言葉に文珍師匠、
「なるほど!」と納得し、感心した。
おおらか、南の国にはそんなイメージがある。
南太平洋上にあるフィジー共和国もそうだ。
約300の島からなり、総面積は四国くらいの小さな国。
この国のおおらかさは、おそらく世界一だろう。
フィジーに移住して9年目の永崎裕麻さん(39)が、著書
「世界でいちばん幸せな国フィジー、世界でいちばん非常識な幸福論」
の中で紹介している。
永崎さんは大学を出て就職するも、思うところがあって3年で退職し、世界1周の旅に出た。
訪れた国は100カ国を超える。
その中で日本を離れて移住してもいいと思えた国が1つだけあった。
それがフィジーだった。
永崎さんは、フィジーのおおらかさを大きく4つの生活習慣でまとめている。
その一、「共有」。
フィジーで最初にお世話になったホームステイ先でこんなことがあった。
ある日、干していたTシャツがなくなっていた。
おかしいなぁと思っていたら、その家の息子が着ていた。
「それ、俺の」と主張すると、
「うん、僕にもピッタリだ」
「いやそうじゃなくて、…」
またあるときは、バーでビールを飲んでいたら、
横から手が伸びてきて永崎さんのビールを取り、自分のグラスに注ぎだした。
最初は、「ま、いいか」と思っていたのが、
さすがに3杯目となると、
「おい、人のビールを勝手に飲むな!」と怒った。
周りの人はキョトンとした。
その後、永崎さんは地元の人からフィジーの「ケレケレ文化」を教えてもらう。
「ケレケレ」とは、「頂戴」「お願い」「貸して」を融合させた言葉で、
「俺の物はみんなのもの、お前のものもみんなの物」という意味。
これがフィジー社会の根底にある。
その二、「テイトー」。
ある日、携帯電話を買いに行くと、「身分証明書がないと登録できない」と言われた。
「持ってきてない」と言うと、
「じゃあ私の名前で登録しておきます」と言って、書類を作成。
難なく携帯電話を購入できた。
その優しすぎるテキトーさに驚いた。
その三、「過去にとらわれず、未来を心配せず、今を楽しむ生き方」。
お金に困っている人がいたら、持ち金全部寄付して帰りのバス賃がなくなり、歩いて帰るのがフィジー人。
その四、「つながり」。
永崎さんいわく、「彼らは世界一フレンドリーな国民」。
買い物に行ってスーパーのレジの人に「結婚してるの?」と話しかけられたり、
空港のトイレの個室で壁越しに話しかけられたりする。
間違い電話の相手と長電話になる人もいるそうだ。
フィジーは2011年と2014年の2回、「世界幸福度調査」で1位になった。
ブータンのように国策で国民を幸せにしているわけでもなく、
北欧のように社会福祉が充実してるわけでもなく、
日本のように便利・快適な文明があるわけでもない。
ただその4つの生活習慣で何となく国民の幸福度は高くなっている。
「何をおもしろいと思うかで、その人の性格が分かる」とは文豪ゲーテの言葉。
フィジー人の4つの習慣を面白いと思える人の幸福度は、かなり高いと思う。
(「みやざき中央新聞」水谷さんより)
桂文珍師匠の第一弟子に、桂楽珍という噺家がいる。
鹿児島県徳之島の出身。
「南の楽園から来た」ということで、師匠は彼に「楽珍」と名付けた。
顔はカルロス・ゴーン似である。
いちど師匠のお供で日産本社を訪れた際、ゴーン社長に間違えられたという。
入門して間もない頃、師匠が半分残していたパイナップルが翌朝なくなるという事件が起きた。
犯人は当時1人しかいない弟子・楽珍以外に考えられない。
「食べてもいいが、黙って食べるのは良くない。
ここは師匠として叱っておこう」
と思い、
「あれはわしのパイナップルだったんや。
一言、
『頂いてよろしいですか?』
と聞いてから食べなさい」
と諭した。
すると楽珍はこう返した。
「すいませんでした。
徳之島ではパイナップルはみんなのモノなんです」
この言葉に文珍師匠、
「なるほど!」と納得し、感心した。
おおらか、南の国にはそんなイメージがある。
南太平洋上にあるフィジー共和国もそうだ。
約300の島からなり、総面積は四国くらいの小さな国。
この国のおおらかさは、おそらく世界一だろう。
フィジーに移住して9年目の永崎裕麻さん(39)が、著書
「世界でいちばん幸せな国フィジー、世界でいちばん非常識な幸福論」
の中で紹介している。
永崎さんは大学を出て就職するも、思うところがあって3年で退職し、世界1周の旅に出た。
訪れた国は100カ国を超える。
その中で日本を離れて移住してもいいと思えた国が1つだけあった。
それがフィジーだった。
永崎さんは、フィジーのおおらかさを大きく4つの生活習慣でまとめている。
その一、「共有」。
フィジーで最初にお世話になったホームステイ先でこんなことがあった。
ある日、干していたTシャツがなくなっていた。
おかしいなぁと思っていたら、その家の息子が着ていた。
「それ、俺の」と主張すると、
「うん、僕にもピッタリだ」
「いやそうじゃなくて、…」
またあるときは、バーでビールを飲んでいたら、
横から手が伸びてきて永崎さんのビールを取り、自分のグラスに注ぎだした。
最初は、「ま、いいか」と思っていたのが、
さすがに3杯目となると、
「おい、人のビールを勝手に飲むな!」と怒った。
周りの人はキョトンとした。
その後、永崎さんは地元の人からフィジーの「ケレケレ文化」を教えてもらう。
「ケレケレ」とは、「頂戴」「お願い」「貸して」を融合させた言葉で、
「俺の物はみんなのもの、お前のものもみんなの物」という意味。
これがフィジー社会の根底にある。
その二、「テイトー」。
ある日、携帯電話を買いに行くと、「身分証明書がないと登録できない」と言われた。
「持ってきてない」と言うと、
「じゃあ私の名前で登録しておきます」と言って、書類を作成。
難なく携帯電話を購入できた。
その優しすぎるテキトーさに驚いた。
その三、「過去にとらわれず、未来を心配せず、今を楽しむ生き方」。
お金に困っている人がいたら、持ち金全部寄付して帰りのバス賃がなくなり、歩いて帰るのがフィジー人。
その四、「つながり」。
永崎さんいわく、「彼らは世界一フレンドリーな国民」。
買い物に行ってスーパーのレジの人に「結婚してるの?」と話しかけられたり、
空港のトイレの個室で壁越しに話しかけられたりする。
間違い電話の相手と長電話になる人もいるそうだ。
フィジーは2011年と2014年の2回、「世界幸福度調査」で1位になった。
ブータンのように国策で国民を幸せにしているわけでもなく、
北欧のように社会福祉が充実してるわけでもなく、
日本のように便利・快適な文明があるわけでもない。
ただその4つの生活習慣で何となく国民の幸福度は高くなっている。
「何をおもしろいと思うかで、その人の性格が分かる」とは文豪ゲーテの言葉。
フィジー人の4つの習慣を面白いと思える人の幸福度は、かなり高いと思う。
(「みやざき中央新聞」水谷さんより)
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