ひげめがね日記

基本的に自虐的な日記です。自虐ネタが好きな方はお喜びいただけると思います。

医療福祉連携士の役割

2011-08-18 01:10:38 | 日記
 注:暑くて眠れず書きましたが、ひげめがねにしてはかなり真面目な日記です。

 この春、苦労して「医療福祉連携士」という資格を取った。資格を取ったはいいが、具体的にどうするかというのは、各「医療福祉連携士」に委ねられている。つまりは各自考えろということだ。
 私は私なりある思いをもってこの資格を取ったのだが、私とほぼ同じ考え方の文章に出会った。
 日本慢性期医療協会発行の雑誌『JMC』2011.8月号に、同協会の会長である武久洋三氏が「2025年対応には、同床異夢の同士が成功事例を全国に普遍的に広げること」と題した文章を掲載している。以下概要。

・2011年現在450万人の患者が、2025年には750万人になる。
・しかし、病床は増やすどころか減らす政策であり、増加分の300万人のうち250万人は在宅療養となる。
・在宅医療が必要というコンセンサスはあるが、在宅療養支援をどう行っていくかは、急性期病院、慢性期病院、一般診療所、在宅療養支援診療所によってスタンスが異なる。いわば「同床異夢」の状態である。
・本気で「家での看取り」をしたい医師が少数いる一方、ほとんどの診療所の医師は「家での看取り」「家族への説明」に自信がない。
・病院の医師の中には、「何も治療しなければこのままお亡くなりになりますが、いかがですか?」と、治療可能なのに治療しないことを勧めるところも出てきた(ちなみにその事例は転院し、1週間、中心静脈栄養することで回復し退院となる)。
・家族も受け取れる年金により、患者を見捨てたがったり、不要に生き延びさせたがったりする言動が目立つようになってきた。
・療養型病院も自法人のデイケア通所強要など施設で囲い込みを図る。
・お互いに自分の利益しか考えないため、結果的に医療施設、介護施設、患者、家族間での不信感が募り、連携が成立しない。現在は機能不全を起こしている状態。
・解決するには、「同床同夢」にするべく、地域機関間で話し合い、目的、ゴールの共有をしなければならない。

 私は長年、急性期病院にいて、連携室では「一線で活躍」とまではいかずともそこそこのことはやってきたし、多くの優秀な人と出会ってきたつもりだが、これだけ明確に連携の必要性と現在の問題点がまとめられた文章は初めて読んだ。やはり、長く闘病し最期を看取る慢性期病床にいる人のほうが、看取りとか在宅医療とか連携の必要性を強く感じているのだ。それがわかっただけでも、自分の転職に意味があったのかもしれないと思える自分がいる。
 医療福祉連携士の役割は「同床同夢」にするために活動することだとの思いを新たにした。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
使用していいですか? (koroku)
2012-02-25 14:48:28
こんにちは
昨年度ご一緒に医療福祉連携士を取得しました^^
ご無沙汰しております。
まだまだこの資格を知らない人たちにお伝えすることばとしてぜひぜひ、このブログのお言葉使用させて頂きたいのですが・・・いいでしょうか?
返信する
Why not? (ひげめがね)
2012-02-25 15:49:13
>korokuさん
 どなたか存じ上げませんが、同志の方のお願い、しかと承りました。稚拙な内容ですが、参考になればうれしいです。
返信する
久保君と (西原承浩)
2012-12-01 08:57:41
医療介護連携研究所を5月に立ち上げた西原承浩と申します。こんにちはひげめがねさん(^_^)今回、医療福祉連携士な2期生の看護師の久保君(副社長)と訪問看護ステーションの3人の看護師と地域のケアマネ、ヘルパーとカンファレンスや勉強会をしながら、現場での問題点を解決しつつ、在宅医療、在宅介護に取り組んでいます。そこで感じたのは、この医療福祉連携士は、今これから、訪れる超高齢化社会における、在宅医療で地域を、つなぐ重要な役割を持った仕事だと思います。
一度ご連絡いただければ幸いです(^_^)よろしくお願いいたします
返信する

コメントを投稿