「春陽軒」のDNAを受け継ぐ茶系の佳店
JR徳島線の蔵本駅からだと北に歩いて20分ほど。鮎喰川の南岸に位置する「やまきょう」へ。橋の側道、それも一方通行の道に面しているのだが、お昼時を過ぎても車の来客が絶えない人気ぶりだ。ご主人は県内屈指の人気店「春陽軒」で修業し1999年に創業。修業元同様に旨味たっぷり・飲み口スッキリのスープが魅力である。
徳島ラーメンのスープは豚骨がベースだが、カエシに濃口醤油を使った「茶系」、薄口醤油や白醤油の「白系」、鶏ガラと薄口醤油の「黄系」の3系統に分類される。そして、観光客が「徳島ラーメン」と言った場合は「茶系」を指すことが多い。修業元の「春陽軒」は、その茶系の代表格。「やまきょう」もそのDNAを継いでいる。


スープは豚骨・鶏ガラに加え海老や生姜も使用し、やや甘口にチューニングされている。茶系にも、豚骨臭の強い重めの物からライトな物まで様々あるが、このスープはライト寄り。とはいえ、旨味は十分。クドさや重さは無くスッキリした飲み口に仕上がっている。良いスープだ。そこに加水率低めの中細ストレート麺が泳ぐ。
上にはしっかりと醤油で味付けされた豚バラ肉。生卵は卵黄のみなので、濃厚な旨味を堪能できる。ライス必須の一杯だ。もちろんネギ、モヤシ、メンマも丁寧に調理されている。徳島の中心市街からは距離がある上、初めてだとわかりづらい場所にあるのだが、食べ歩きをする方には押さえておいて頂きたい名店である。
<店舗データ>
【店名】 中華そば やまきょう
【住所】 徳島県徳島市北矢三町3丁目7-11
【最寄】 JR徳島線「蔵本駅」徒歩17分
★2021年に惜しまれつつ閉店
★2024年4月17日に新店舗にて復活
★新店舗の住所は徳島市北矢三町2-6-42