貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

滑石

2021-12-10 20:34:18 | 単品




滑石です。
別に何ということはない、ただの滑石です。500円。(値段を強調しなくてよろしい)

滑石=タルク(Talc)は Mg3Si4O10(OH)2 で、フィロケイ酸塩(平面派)と水酸化マグネシウムが結合している。タルカムパウダー(ベビーパウダー)の主成分。
地上で一番柔らかい石として有名。硬度1。爪で傷が付く。
蛇紋石が変成したものだけど、蛇紋石は橄欖石が変成したもの。つーことは三次鉱物だね。(そういう概念はない)
橄欖石(オリビン、フォルステライト)→蛇紋石(サーペンティン)→滑石(タルク)
つまり滑石はペリドット(オリビンの宝石名)のなれの果てと言うこともできる。(できるか?)

滑石は蝋石と同じだと思っていた。コンクリやアスファルトの地面に落書きするやつ。
そう言えば、地面にお絵描きする子供なんて、最近見ないような気がします。廃れた文化なのでしょうか。怒られるのかな。
けど、違うらしい。
蝋石は主に葉蝋石(パイロフィライト、Al2Si4O10(OH)2)や粘土鉱物のカオリナイトなどから成る、蝋のような岩石を言う俗称。アルミ系ですね。マグネシウムの滑石とは違う。
しかし岩石としての滑石は鉱物としての滑石を主としつつ様々な粘土鉱物を含んでいて、蝋のような石であることもあるので、蝋石であるとも言える。何言ってるかあちきもわからん。
パイロフィライトはパイロモルファイトという名前が似ている鉱物があるけれど、パイロモルファイトは緑鉛鉱で鉛なので全然違う。まぎらわしい名前を付けるな。(怒るな)
こちらで売っている。

まあ、そういったごちゃごちゃした話はともかく。(君が勝手にごちゃごちゃさせているのだよ)
ただの滑石です。(わかったよ)

で、何となくこれを見ていると、禅寺の枯山水が連想される。
あるいは樹林限界を超えた高山に屹立する岩か。
取り立てて色もなく芸もなく、ただボンとあるその佇まいが、妙に味わいがある。
時には色彩だの結晶美だのから離れて、こういう寂然とした石の姿を見るのも、静かな心持になれていいのではなかろうか。などと気取ったりして。
(ただの滑石でずいぶん引っ張ったね)