貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ピメライトおよびニッケル含有鉱物

2021-12-08 21:36:12 | ややレア


ピメライト。ポーランド、シュクラリー(Szklary)産。
クリスタルワールド五反田店さんでおまけにもらったもの。聞いたこともなかった。
お店の説明では、こうある。
《ニッケルを含む滑石と考えられていたが、滑石よりも硬い(硬度2.5)。アップルグリーンでクリソプレーズの着色原因となっている鉱物と考えられているがまだ結論が出ていないらしい。珪ニッケル鉱に近い。2006年にIMA[リスト]から削除。》
珪ニッケル鉱(ガーニエライト Garnierite)は蛇紋岩中に産出する工業用ニッケル鉱物。組成が一定しないので独立種とは認められていない。
つまり大きく言えばニッケルとシリカを含んだまじぇまじぇ岩石らしい。
少し低質のアマゾナイトのようでもある。アマゾナイトは長石で鉛による発色。
謎めいていて、なかなか素敵である。

クリソプレーズは、緑色のカルセドニー。「ニッケルを含んだ蛇紋岩や他の超塩基性岩が、激しく風化したりラテライト[紅土]化したりするところから生じる」(ウィキ)とあるから、二次鉱物でしょう。
割と安く出ていて、エメラルドや翡翠の代用品みたいで、あちきはあまり気を引かれないけれど、美しいものは非常に美しいみたい。けど高い。(ひどい文章だな)
《クリソプレーズは玉髄の中でも価値が高く、研磨すると翡翠と間違う場合もままあったようで現在でもオーストラリアン・ジェードとして売られているケースがあります。
オーストラリア、クイーンズランド産が最高品質と言われていて、他にもロシアやアメリカ、ブラジルなどでも産出します。
古代ペルシャの出土品にクリソプレーズを使った道具もあったほど古くから石材やお守りとして使われてきた石です。
ちなみに語源はギリシャ語で「金」の意味の「chryso-」とニラの意味の「prason」、つまり「金色のにらねぎ」。知ってしまうとなんという微妙な名前・・・》「ホシノカケラ
みなさん、石の名前を付けるのは苦労しているようでw

しかし、クリソプレーズとアベンチュレッセンスなしのアベンチュリン、つまり緑メノウ(アゲート)とはどう違うのか。色が違うと言われればそうだろうけど。透明性か。ニッケルの有無か。はて。

   *   *   *

ニッケルというのは金属だけど、ニクロム線とか50円・100円硬貨の「白銅」くらいしか馴染みがない。いろいろな合金に使用されているらしい。ニクロム線(電熱線)とニッケルクロム鋼(大砲の砲身などに使用)とは全然違うのね。知らなかった。昔々あの電気コンロでスルメを炙った記憶がある。(古っ)
ちなみにニッケルという名前はドイツの山の精霊の名で、原石が銅のような姿をしているのに銅が採れない、それはこの精霊が妨害しているからだ、と考えられたそう。ダイダラボッチですな。

ニッケルを含む鉱物で観賞用になっているものはほぼないみたい。見た限りでは、ゲルスドルフ鉱くらい。

けれど、ニッケルと言えば、あの、例の、有名な(しつこいな)ギベオン隕石。鉄隕石(メテオライト)のうち、ナミビアで採れるものをこう呼ぶらしい。
鉄とニッケルからなる合金(オクタヘドライト)が非常にゆっくりと(数万年に1℃程度)冷やされ、ニッケルが独特の結晶構造を作り上げているもので、大きな天体の内部で生成されたと推定され、それが砕け、隕石となったものと考えられている。その手の隕石の表面を硝酸で焼くと、きわめて美しい幾何学模様が浮かび上がる。これをウィドマンシュテッテン構造と呼び、「人工では作れない、隕石特有の模様」とされている。
詳しくはこちら
きれいなので隕石系禁止のあちきでもほしいと思うのだけと、高い。

まあそういうニッケルを含む珍しい石として、ちらちらと眺めることにいたしましょう。