国産鉱物というのは……全然知らない世界ですねえ。
《ほんの四、五十年前まで、日本にはおびただしい数の鉱山が存在しました。 鉱山を中心として町ができ、鉱石運搬のための道・鉄道・港などが発達し、多くの人々が全国から集まって働いていました。しかし戦後、貿易の自由化が進み、海外の安価な鉱石の流入によって、国内の鉱山は次々と閉山に追い込まれたのです。現在も操業している鉱山は数えるほどになってしまいました。》出典
工業資源としての鉱物採掘はそうなのでしょうけど、美稀石採集といった分野はどうだったのか、どうなったのかはわからない。そんなものはなかったのか、細々とあったのか、今も続いているのか否か。
権利関係とか、法的規制とか、いろいろとめんどくさい話がありそう。
話が人間臭くなって、ちょっと踏み込みたくない感じ。そういうのはもちろん海外でもあるのだろうけど、ぽんと輸入されたものでは、そういう部分は見えない、見なくていい。悪く言えば、蓋をしてしまう。
細々と採掘している人たちはいるのだろうし、少なからぬ研究者や一般人のハンターが、その筋の情報網を駆使して宝探しにチャレンジしているのでしょう。ちょこちょこと市場には出ている。
タケダ鉱物標本さんのサイトの「国産鉱物」のページには、名前を聞いたこともない鉱物まで含めて、結構な数の標本が上げられている。美しいものもたくさんある。へえ、と驚く。東京でベニト石なんかが採れるんですねえ。びっくり。
ネットには、趣味の石ハンターが採集した記録や写真が上がっていて、中には素晴らしく美しいものもある。もっとも、「採集が好きな石好き」は市場に出すことは少ないでしょうけど。
ただ、国産鉱物とうたわれているものには、見栄えがよくないものも多い。ある石屋さんでは、「どこどこで採れたという希少価値はあるが、品質は保証できない」と書いてあったりする。わざわざそれを買うというのは、それなりの意義付けを持っているのでしょう。
前置きの駄弁が長くなってしまった。(だいたいそうだろ)
いつもの五反田さんで見つけた「然別湖のオパール」。
きれいなオレンジピンクで、お安かったので。鮮やかでいい色です。あちきのコレクションケースでは最も鮮烈な色かもしれない。
コモンオパールで遊色はありません。ネットサイトには層状のものも売られている。
UV当てると、めちゃ派手なオレンジに輝く。けど、写真には写らない。カメラが拒否する波長というのがあるんですな。
どういう経緯で市場に出てきたのかは知らない。あまり知りたくない。
そういえば、北海道産のブラックシリカというのもネットで見たな。ロードクロサイトもあった。北海道にはそういう小規模採掘業者がいるのだろうか。
あちきはもうジジイなので自分で採集に行くなんてことはできませんが、自己採集した石が一つだけあります。黒曜石。採集なんてものではなくて、諏訪大社前宮の少し奥の方で、道のそこらじゅうに落ちているのをいくつか拾っただけ。でもきれいで愛着がある。自分で珍しいものを掘り出したら、さぞや嬉しいでしょうね。