岐阜県加茂郡白川町黒川産「麦飯石」。「むぎめしいし」ではなく「ばくはんせき」と読む。
姿は確かに粒々が入っていて麦飯っぽいですな。
麦とろはもちろんのこと、麦飯というのはなかなかおいしいと思うのだけれど、昔、あちきの母親は「麦飯なんて冗談じゃない」と顔をしかめていた。山村の貧困の象徴のようなものだったのでしょう。ちなみに昔の麦飯は米3:麦7、今は米7:麦3とのこと。おまけに食べやすくした「押し麦」も昔はなかった。押してない麦7割の麦飯はけっこうハードだったかもしれませんな。
でも大麦というのは健康にはよろしいようで(もうやめなさい)
日本ではこの産地でしか出ない「多孔質石英斑岩」。
多孔質だから軽い。ちょっとお菓子みたいな感じがある。
説明や来歴はややこしい。要点のみを並べると、
・昭和20年代に地元住民が特異な石を発見、それを「炊いた」水を飲んで心臓病が治り、評判になった。
・昭和34年に岐阜薬科大学で分析、益富壽之助(日本地学研究会館創立者)が中国明代の『本草綱目』に出る薬石「麦飯石」であると判定。
・昭和51年『麦飯石美容・健康法』が主婦の友社から刊行。
・複数の業者が採掘販売していたが、いずれも消滅。現在は地元住民によって設立された会社が採掘販売している。
・白亜紀後期の「飛騨流紋岩」に貫入した石英斑岩が部分的に方解石になり、それが溶出して多孔質岩石になったもの。ううむ。よくわからない。石英斑岩が方解石になるってどういうこと?
・日本ではこの地域にしか見られない。理由は不明。
・多孔質岩石・鉱物は吸着濾過作用がある。沸石(人造含む)は現在さかんに利用されている。
・岩石成分の溶出とその医学的効用は微妙で明確な科学的証明はない。
詳しくはこちら。
もろもろっとした質感もなかなか味わいがあっていいですし、ここでしか出ないというのだから、珍石ではないですか。もっと有名になってもいいように思います。
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