まあ何というか、半分冗談のような名前。
四国の剣山近辺で出る「地方銘石」。案外人気があるようで、赤とか紫の美しいものはけっこう高い。これはミニサイズのお安いもの。
なかなかきれいではないですか。玉髄、アゲートでしょうか。
手前の色のない方は、表面に小さな光がキラキラと輝く。コランダムか何かか?
で、なんで「アークナイト」か。
《剣山にダビデ王が預言者モーゼから授けられた聖櫃(アーク)が眠っているという逸話から命名された石です。》
いわゆる「日ユ同祖論」系の世界観ですね。ユダヤの「失われた十支族」の一部が日本に渡ってきたというお話。オカルトとされますけど、ユダヤ人の団体が真面目に調査をして、インドシナや日本に手掛かりを見つけたといった話もあります。
古代日本に様々な技術をもたらした秦氏がユダヤ人だったとか、古い神道で祭礼に使われる祭具が古代ユダヤのものにそっくりだとか、言葉にそっくりなものがあるとか、いろいろな話があります。
かなり昔、テレビ番組で四国山中の岩にヘブライ文字が刻まれているという映像を見たことがあります。偽造かもしれませんけど。
あちきも最初は「まさかね」と思っていたのですけど、山伏が修行の時に前頭部につける六角形の兜巾(ときん)というものがありまして、「何じゃいありゃ」とかねがね思っていたのが、何とユダヤにそっくりなものがある。「ヒラクティリー」と言って、祈りの時にヘブライ聖書の言葉を収めた小さな小箱を前頭部にくくりつけるのです。それを見た時はちょっと腰を抜かしました。
古代には人の長距離移動はなかったなどと考えるのはむしろおかしいので、色々な所のいろいろな人が日本にやってきたということはあり得ないことではない。そしてそういった人々は持っている技術や呪術で糊口を凌いだかもしれない。
まあ半分面白がりながらこの手の話を渉猟するのは楽しいことです。
しかしなぜ剣山か。四国で修験道のメッカは石鎚山。剣山は近世末まで山名も安定しなかったマイナーな山。しかし逆にだからこそ、秘密の集団の隠れ里になったのかもしれませんね。険峻な山みたいですし。何かしら秘宝が眠っていてもおかしくない。誰か掘ってみてください。
とまあ、虚実ないまぜの逸話・神話がしばしばまとわりつくところも「地方銘石」の面白さではないでしょうか。
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