貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

「石油の琥珀」シュンガイト

2024-11-06 18:42:01 | 単品

最近よく出ていますね。まずは基礎情報。主に英語版ウィキペディアから。

Shungite。発音は mindat では「シュンガイト」とある。
パイロビチューメン Pyrobitumen の一種、またそれを含む岩石を言う場合もある。パイロビチューメンは焦性瀝青。石油が重合して固化したもの。アスファルトもこれに入る。
シュンガイトも石油由来とされるが生成プロセスはまだ解明されていない。98%以上が炭素で微量のウランや鉛などを含むことがある。
一応鉱物とされるが非晶質。色は黒で、光沢によって様々な形容名が付けられている。
多数の炭素原子がサッカーボールのように結合した「フラーレン fullerene」を含むことで諸方面から注目されているが、その濃度は1~10ppmに過ぎない。
シュンガイトの名前は発見地であるロシア・カレリア共和国シュンガ村に因む。
産出は主にカレリア共和国。ロシアでは他にカムチャツカで少量産出。チェリャビンスクの炭鉱廃棄物を加熱したものも存在する。他にオーストリア、インド、コンゴ共和国、カザフスタンで産出が報告されている。
ロシアでは18世紀から顔料や水質浄化剤として用いられてきた。現在でも絶縁材や建材としての用途がある。

わかりやすく言うと、「石油の琥珀」ですかね。松脂(樹脂)から琥珀ができるのと同様なプロセスで、石油からできた鉱物。

最初は「石炭の仲間かいな」と思って素通りしていたのですけど、先日の新宿のミネラルフェアで、The Stone of Wakou さんのブースに山盛りになっていたのを見て、そのてらてらとした黒光りに驚いて購入。コロンビア産。

こういう光沢の強いものを「エリート・シュンガイト」と呼んでいるみたいですね。
ガラスや黒曜石の破断面に似ているけれど、何となく違う。確かに琥珀のようなねっとり感がある。とても軽いところも琥珀と似ている。



独特の輝きがあって、美しい石です。石と言えるかどうかは微妙だけど。

で、この石が人気なのは、ヒーリングうんぬんのことのようで、含まれる「フラーレン」が活性酸素を中和するとか放射線を遮断するとか言われているようです。
しかし英語版ウィキペディアはこれに対してかなりあからさまに否定しています。
《シュンガイトは、医療やテクノロジーでの使用に関する疑似科学的でインチキな医療の主張で最も広く知られており、漠然とした健康上の利点から5G放射線の遮断まで、さまざまな特性があると主張されています。》
フラーレンは確かにきわめて特別な物質でエイズウィルスの特効薬など様々な可能性が探究されているようです。何らかの健康効果がないとは断言できませんわな。ただ10ppmじゃあねえ。
まあそういうことは置いておいても、なかなか魅力的な石?です。


ところで、石油というのは、どうやってできるかいまだ完全には解明されていないようで。「非生物由来説」という異端があって、ぼこぼこに批判されながらもまだ生きてはいる。半世紀も前に「石油はあと40年で枯渇する」などと言われながらまだまだどぼどぼ出ている。多すぎじゃね?という思いもあるし、マントルや核から類似成分が噴き出してくる可能性だってなきにしもあらずではないかという思いもある。そんなことを言うと叩かれますけど。
でもあちきはこういう、「妙に感情的な反応を伴って否定・弾圧される異端説」というのは、そこになにがしか深い謎があると思ったりもするのですね。
この石も、マントルから浸み出した純度の高い炭化水素が凝固したものではないか、なんてね。

 


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