貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

アベンチュレッセンス:サンストーンとアベンチュリン

2024-11-10 13:52:31 | 単品

風邪引いて体調不良でごわす。(おやおや)

どうもごちゃごちゃ、もやもや。(またややこしい話かね?w)

サンストーンのキラキラを「アベンチュレッセンス」と呼ぶ。
元は「偶然」を意味するイタリア語「a ventura」からで、18世紀イタリアのガラス職人が誤って銅の粉をガラスに落としてしまったら、キラキラと光を反射するガラスができた。で、それを「偶然ガラス」と呼んだ。それが鉱物の方に援用され、サンストーンのキラキラをアベンチュレッセンスと呼ぶようになった。らしい。mindat はそう書いているけどはっきりした出典文献は出されていない。

サンストーンは長石(オリゴクレース、マイクロクリン、稀にラブラドライト)がヘマタイト(あるいはイルメナイト=チタン鉄鉱)の微小片を含み、キラキラとした反射を見せるもの。
まあこういうものですね。地色が赤いのは鉄のせいでしょうかね。

写真だと虹色の輝きはあんまり写らないですけど、肉眼だととてもきらきらです。
一方、こちらのはやや色が薄くて微小片が線状に並んでいる。

先に上げたブラックサンストーンも線状に並んでいましたね。格子状になった「ラティス・サンストーン」というのもあります。欲しいけど高くて買えない。
ばらばらと散らばっていなくても一応サンストーンなんでしょうかね。
気になるのは、金属系の小片が入ってキラキラとしているのか、成分の異なる結晶の界面で光が回折しているのか、どっちなんだい、ということ。線状構造のサンストーンを見るとどうも後者ではないかとも思える。だったらラブラドレッセンスと基本的に同じということ? それとも結晶界面に微量な金属成分が挟まっているということ?(こまけーなw)

さらにこんなのもある。「イリュージョン・サンストーン」という名前で出てた石。

内包物ではなくて、表面で虹色が出る。これは果たしてサンストーンなのか。それとも赤いラブラドライト? サンストーンには銅拡散処理をしたものも出回っていて、それは石の浅い部分にキラキラが出るらしいので、これはもしかするとひょっとして(繰り返すな)拡散処理かも。
どうもサンストーンというのはわけがわかりませんね。
おまけに「オレゴン・サンストーン」だとか「アイオライト・サンストーン」だとかも出てきてもうカオス状態。
これは「アクアマリン・サンストーン」という名前で出てた石。アクアマリン=ベリルではなく、それを思わせる色のサンストーンで、まあ詐称ですね。わかって買ったものだし、きれいだし、いいんですけど、やっぱりこういう詐称はよろしくないと思います。



これは「アベンチュリン・カイヤナイト」。カイヤナイト・サンストーンでもいいかな。

ちなみにラピスラズリの正統的なものに、パイライトのキラキラを含むものがある。あれをサンストーンとは言いませんけど、そのうちキラキラいっぱいの「ラピスラズリ・サンストーン」なんてものが出てくるかもしれませんね。

     *     *     *

で、サンストーンは長石ですけど、アゲート=石英が微小インクルを含みキラキラと輝くものを、「アベンチュリン」と呼ぶ。主な産地はインド。で、「インド翡翠」などという詐称もある。
《アベンチュリンは石英の一種で、きらめきのある微細結晶が一定方向に配列することによって、独特の輝きを見せるものを指す。緑色のアベンチュリンは濃緑色のクロム雲母を、褐色のアベンチュリンは鉄酸化物を、赤褐色のアベンチュリンは赤鉄鉱が着色の原因となっている。》『岩石と宝石の大図鑑』

けれどねえ、この頃出回ってるアベンチュリンは、なんか白いモロモロが入っているけど、キラキラしないものが多いように思えるんですよねえ。
こんな感じ。

アベンチュリンというのは、こういうのを言うんじゃないでしょうか。



小さい石ですけど、金色のキラキラが出て、わずかに虹色も見える。実はミックスさざれ石の中で見つけたもの。
以前どこかで「ちゃんとしたアベンチュレッセンスが出るアベンチュリンはもう出ない」という話を読んだような記憶があるんですけど、これは昔の貴重品ではないか、などとも思ったりして。

さらに、英語版ウィキペディアによると、一般的に目にするビーズなどの加工品は、美しく見せるためにオイル処理や染色がほどこされているらしい。
これは「ブルー・アベンチュリン」。写真は少し青が鮮やか過ぎるけど、なかなか渋いいい色をしていて、ごくごく細かいキラキラがあって、美しいのです。ちょっと染色とは思えないんですけど、わかりません。キラキラは虹色には輝きません。



どうもアベンチュリンと言いながらアベンチュレッセンスがあまり出ないのであれこれ工夫しているんじゃないかと邪推したくなります。

まあアベンチュレッセンスもサンストーンも通称だから、あんまり厳密に考えないほうがいいということでしょうかね。(何だよ、ぐだぐだを読まされて損したw)


しかし、サンストーンのキラキラを見ていると、こんな小細工はちょっと「偶然」とは思えない、人間に見せるために誰かが細工したんじゃないか、などという妄想が浮かんで来るのです。(変な妄想はよしなさい)


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