貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

もっと光を

2021-09-26 11:23:53 | 漫筆

「もっと光を」というのはゲーテの臨終の言葉だという話があるけど、あれ実は「カーテンを開けてくれ」という意味だったという落ちの話もあって。(何の話だよ)

石を愛でるには光が必要。(まあ一般的にはね)
石自体は地底でできるわけで、光なんぞお呼びではないけど、その美を人間が認識するためには光が必要。光がないところでできたものだから光のある所での美など無関係、と言う人もいるだろうけど(そんなややこしいこと言うやついるか?)、光があろうがなかろうが、人間が認識しようがしまいが、石の美はある。人間の認識する美とは認識体系が違っていても、石には石の美の世界、人間の認識できない美の世界がある。(何か変なもん食ったか?)

初めの頃は、普通のスタンドで石を見ていました。でも、年を取って目が悪くなってきたせいもあって、もう少し明るい光がほしいなと思い始めて、強い光のスタンドを買った。Gentos産。(いや産とは言わんだろ)ヨドバシで3000円くらいだったか。

何と500ルーメン。(て、その単位お前知ってるのかよ)とにかく明るくて、光源をそのまま見るのは危険。太陽と死は直視できない――ラ・ロシュフーコー。(は?)
これで見ると、石は抜群に美しい。暗い石が全然違う美しさを見せる。半透明の石が透過光でまったく別の美しさを見せることもある。これはお薦めですねえ。

そしてもう一つ、これ。

The Stone of Wakou という仙台のお店で売っている。こういうの自作しようかなと思っていたけど、面倒でやめていた。1000円台とお安い。
これで下から照らす。むふふ。(なんか気持ち悪いぞ)

ブルーフローライト(中国産)。

 

グリーンカルサイト。

ブルーアラゴナイト。

モルガナイト。(なんか少しエロい)じゃ小さく。

ペリドットさざれ石。

石の魅力には透過光の色というものもあるのですねえ。知らなかった。
この「下から照明」、いいですよ。


さざれ石あなどるなかれ

2021-09-25 20:39:26 | 漫筆

小さくて商品にはできない石。まあ、屑石という言い方もできるかも。
それを磨いて集めたのが「さざれ」。
「細石」と書くと細い石かと間違える。最初は思わず「さいせき」と読んだ。
「ほそい」と「こまかい」を同じ漢字にするのはやめてほしい。(誰に文句言ってる?)

さざれ石と言えば日本国歌。「さざれ石の岩音鳴りて」(ちがう!)いや、まじでかなり大きくなるまでそう思っていた。

これがすごい。
百均で買ったビンに入れてみると、およよと驚嘆するのです。このビン、いいです。逆さにできる。
光なんか照らしてみると、もう、きらめく世界。

ペリドット、シトリン、ラベンダーアメジスト、アクアマリン
どれもきれいな石ですけど、むしろ一つでは淡くて、少し物足りないところがなきにしもあらず。
それをまとめるととんでもない美しさ。
なまじの大きな単品よりすごい。
これで数百円ですぜ。
塵も積もれば宝となる。聚蚊成雷。(んなん聞いたことないぞ)

こちらはミックス。アパタイト、アクアマリン、アメジスト、水晶。
こんな大きさのこんな色の石があったらすごいことになるでしょう。

ただね、さざれ石にも質があるんですね。(まあ当たり前と言えば当たり前だ)
某所で買ったペリドットは小さくて濁りがあって全然美しくありませんでした。石を捨てるということはないんだけど、それは鉢植えの土に混ぜた。
このペリドットは名取貴石さんという老舗のお店のもの。さざれというにはもったいないほど。シトリンも老舗コスモスペースさんのもの。(どちらも高くない)
いい店のものはやはりいいらしい。
いいさざれ石だと、中に一粒二粒、「これ宝石にできるんじゃね?」みたいな絶品も入っている。それを探すのもまた楽しみ。

これはクリスタルワールドさんの通販で買ったもの。ガーネット。
光を当てるとあちこちで妖しい赤が煌めいてぞくっとする。ガーネットでもさざれは安いんですね。

ペリドットのさざれをたんまり買って、敷き詰めてその上に寝たら、どんなだろう。
とんでもなく美しい、天空を飛翔するような夢を見るか。
いや喉や鼻の穴に詰まって窒息死するか。
まあ、ビンに詰めておくのが安全ですね。


100円でできるブレスレットケース

2021-09-24 17:49:27 | 漫筆

ブレスレットは持ち運び(とは言わんだろ)にはいいけど、置いておく時にいささか扱いづらい。理想的には一個一個箱に入れ重ねておくのだろうけれど、それだと見えない。やっぱり眺めたい。
で、まずやったのは、ヘッドフォンを掛けるフック。掛ける部分が長くて、いくつも掛けておける。それをコレクションケースの横に取り付けた。
けれどケースの横壁には限りがあるし(ブレスそんなにあるんかい)、埃は被るし、どことなくやっつけの感がある。もう少しいい方法はないかと思っていたら、100均で円筒型のケースを見つけた。大きめのフィギュアなんかを入れて飾るものらしい。

それを横にしてみた。ふんふん。
で、中に「芯」を入れる。文字通り、アルミホイルだかペーパーホイルだかを使った後の紙製の芯があった。
それを切って、入れてみた。うまく切れたので、摩擦でぴったりと収まる。はい、出来上がり。出し入れは紙の芯を持ち上げるだけ。(原始的だなおい)

たまたま紙製芯をぴったりに切れたからよかったけど、短くてすかすかだったら、やはり100均で売っている「突っ張り棒が滑り落ちないようにするためのシールで貼り付ける支え」(そんな商品名があるかい)を使えばいいでしょう。
まあちょっと取り出す時に手間が要るけど。
100円ですよ、100円。文句はなし。

どっかメーカーでこういうの作ってくれないかな。
需要がないから高くなるか。


ブレスレット讃⑥ ばらばらのばらばら

2021-09-23 19:33:14 | 漫筆

あまり安いものばかり紹介していると業界の人から呪詛されそう。(ねーよw)ま、そろそろ安いもの紹介はやめるけど。(高いものなんてあるのか?)

面白そうで安かったから(そればっかやな)買ったブレスレットで、さすがにしにくいな、というものがあります。傍目がどうこうではなく、なんというか、うざい(笑い)。
石の一つ一つは面白いんだけど、まとまるとがちゃがちゃとガキお子様が騒いでいるような感じになる。
で、ばらす。(暴挙)
ビーズは必ず紐が通っていなければならないという法はない。(当たり前だ)

「オーシャンジャスパー」という名前で売られていたもの。オーシャンジャスパー(長いね)とは、マダガスカルで採れる模様玉髄。浅瀬の海辺に沈んでいて、干潮の時間に、重機が入れられないから人力でバケツを使って水を汲み出し採取するのだとか。(たいへんそう)普通の原石や磨き石だとけっこうするけど、これは1400円。
真正マダガスカルオーシャンジャスパー(さらに長くなったね)かどうかはわからないけど、とても模様が面白い。
で、ばらして普段は100均のビンに入れて眺めております。千差万別で本当に楽しい。

これは「オレンジムーンストーン」という名前のもの。1300円。
たぶんラブラドライトに近い長石ではないかと。ほとんどがちゃんとシラーが出ます。
いくつかはカミさんが手作りブレスレットに使用して、その残り物。
微妙な色合いと模様がなかなか味があります。

これは「ミックスベリル」。安いものなので(2000円は超えたけど)あまり色は鮮やかではない。けどそれが返ってお菓子みたいでかわいい。(ジジイがその言葉を使うのは少しどうかと思うよ)
ブレスレットとしては、あどけなさを残す中高女子学生がするのにお似合いかもしれないけど(いやそれ絶滅危惧種じゃね?)、ジジイはさすがにできない。ババカミさんも二の足を踏んだ。
ビンに入れておくと、本当にキャンディみたいで食べたくなる。(食べるとは言わんだろ)

ブレスレットは、ばらして組み替えたりもできる。こうやってさざれ石のように楽しむこともできる。自由です。


ブレスレット讃⑥ チャロアイト

2021-09-22 19:33:39 | 単品

うちのチャロちん(丸玉)はねえ。(ちょっと気持ち悪いぞその言い方)色が濃くって。
ケースの中に収まっていると、「誰だよお前」となる。強い光を当てると、とても深い紫を見せるんですけどねえ。

ロシア・サハ州のチャロ川で採れる。三大なんたら(知らん)。白い妖しい渦巻模様が売りですね。わりと高い。

で、お安いブレスレットで楽しむ。
色は薄い。模様も面白い。なかなかいいですよ。眺めてると楽しい。
ブレスレットは薄めの色のほうが、室内でも映える。濃いと「誰だよ」となる。

最近はチャロ石に石英が混じり込んだものを「エンジェルシリカ」という名前で売っている。その命名といい、商魂たくましいと見る見方もありだけど、薄めで案外いい。まあこの安ブレスレットもその何たらに近いかもしれない。(いや違うだろ)

K(Ca.Na)2SiO10(OH,F)・nH2O イノケイ酸塩
けっこう複雑。カリウムが入っていて、フッ素も入る。そして水を含む。
イノケイ酸塩はケイ酸(SiO4)が繊維状結合しているもので、石綿と同族。あの渦巻きはそのせいか。(違うんじゃないかな)

不透明な紫の石というのは、あんまりないんじゃないかな。パープライト、パープルストーン。スギライトやスティッチタイトは赤っぽい。フォスフォシデライトは藤色。コバルトカルサイトは赤紫。
いや、透明な紫も少ない。アメジストという大軍団がいるせいで、何となくたくさんあるような気がしているけれども、ほかにはフローライト、マリアライト、クンツァイト、そしてアパタイトやスミソナイトの特殊種、くらいか。少ない。

紫は不思議な色で、絵の具だと赤と青を混ぜる。可視光の色は「赤桃黄緑青藍紫」となっているけれど、青のさらに先にまた赤が入ってくる。ちょっとおかしい。もちろん人間の目がそう見るだけのことだけれども。
チャロアイトの紫をじっと見つめていると、なぜだかわからないけれど、人間の長い歴史をイメージするんですねえ。様々な文明の光と影。
青や赤は、自然的、あるいは野性的な色だけれども、紫は何か違う。高貴な色とされるのも、その自然を少し離れた複雑さによるのかもしれない。