貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

レア? ①ル……石

2022-04-10 11:10:32 | ややレア

ネットをあちゃこちゃ巡っていると、いわゆるレアストーンの類はけっこう目にする。
エヌズミネラル、Vec Stone Club、ミネラルストリートといった石屋さんなんかは、「へえ、こんなんあるんかい」(なぜ関西弁になる?) と唖然とする石がいっぱいある。
まあ、だいたいは高いし、それに見合った美しさがあるかというと戸惑うところもあるし、で、見るだけになるけれど。

実際の石屋さんでは、「この石でこんなのがあるんだ」という驚きはよくあるけれど、初めて名前を聞くというのは、そう多くはない。
で、この前、立川のクリスタルワールドさんに寄ったら、ルで始まる聞いたことも見たこともない石があった。
店長さんに聞いたらネットで調べてくれたけど、あまり詳しい情報はない。扱っているのはそこと Vec さんだけ。

クリワ本店のホームページの説明では
《Cu2+5[(OH)2lPO4]2銅の燐酸塩鉱物。非常に珍しい。》
Vecさんでは、
《テルル酸鉱物の世界的産地、メキシコのモクテズマから産出した銅の燐酸塩鉱物で、ルドジバ石 (ルデュイバ石)です。 鉱床上部の酸化帯から、緑色の皮膜で産出した稀産の二次鉱物です。》

ものすごく美しい石というわけではなかったけど、お安かったので、買ってみた。まあこれも縁かと思って。
ネットでわざわざレアストーンを探して買うという嗜好はないけれど、こうやって現物に出会って、安くて、それなりの姿をしているものは、買ってみようかなという気になる。じっくり観察すれば面白い発見があるかもしれないとも思ったりして。

母岩にぺろっと張り付いている、青い石。青の色はくすんでいるけどまあ面白い。
で、コレクションケースに並べておいたのだけど、いつまでたっても名前が覚えられない。

銅鉱床の周辺にできる二次鉱物でしょう。それ以上の情報がない。まあ知ってどうこうしよう(くだらん) というわけでもない。たまたま燐酸の熱水が銅塊にぶつかったということなのかな。(燐酸の熱水なんてあるのか?)
前に銅の二次鉱物を集めようかと思ったけどやめたみたいなことを書いたので、石の神様が挑発してきたのか。(神様が挑発したりはしないと思うよ)
で、名前は……何だっけ。
ルドジバアイト。Ludjibaite。和名は特になくルドジバ石。
ううむ。覚えないかもしれない。


フォスフォシデライトの原石を磨く

2022-04-09 21:49:28 | ややレア

フォッフォッフォッ(やめなさい)

前にブレスレットについては書きました
ほんとに初めて見た時は衝撃的でした。前の写真はちょっと赤っぽく写ってるので取り直し。まあこの色はあちきの技術では再現できないのだけど。

で、あまり出回ってないし、タンブルや原石もその時は探せなかったしで、「人工物」ではないかと疑ったものでした。
その後、五反田さんで、原石を売っているのを見つけ、購入。ほお、人工物ではなかったのね、と一安心したのでした。
ところがこの原石、なんというか、ぱさぱさで粉っぽい。粉が飛んで喘息になりそうなくらい。色はいいのだけど。

なんか見るたびに少しもやもやしていた。
で、ある日、一大決心。「磨こう」。
けっこうでかい石で、飛び出しているところがある。そこをぽこっと割って、失敗した時の予備の「ミニ標本」にした。
まず、粗い紙やすりでばかばか削った。あちこちに穴があるので、それを小さくしようとするとかなりそぎ落とさなければならない。けれど、石自体はすごく柔らかい。ごりごりと削った。
3分の2くらいになったところで、細かめの紙やすり、そして仕上げはお馴染みピカール。
じゃーん。大変身。つるつるぴっかぴか。あ、頭を気にしている人、ごめんなさい。(逆効果じゃい)

まだ所々穴があるけど、それはご愛敬。
樹脂なんか浸ませなくてもこれだけになるんだ、と感心。ブレスレットのほうも、別に樹脂浸けではないのでしょう。
「ミニ標本」と並べて。

淡い藤色。ラベンダーよりは赤いけれどこの写真は少し赤く出すぎ。
ブレスレットより薄い色だけど、これもまた美しい。

まあ、ちゃんとした石で何より。
もう少し人気が出てもいいのになあと思うのです。


地上で最も古い物 アカスタ片麻岩

2022-04-08 18:48:05 | ややレア

ようやく。
アカスタ片麻岩。Acasta Gneiss。
前にヌーマイトのところでも書きましたけど、今見つかっている岩石で最も古いとされているもの。ヌーマイトは30億年前、アカスタ片麻岩は39.6億年前の花崗岩が36億年前に変成した片麻岩。

《1989年、アメリカの地質学者によって、カナダの北西部アカスタ地方に存在する片麻岩の年代が測定され、約39億6200万年(誤差は300万年以内)という年代が報告されました。》出典はこちら
《アカスタ片麻岩体は、カナダのイエローナイフからおよそ300kmほど北に行った、アカスタ川という川に沿った地質体です。》出典はこちら
現地写真はこちら

前探した時は、高いものが1点だけだったのでやめていたのだけど、先日、久しぶりに東京サイエンスさんのサイトを見たら、「ありゃ、あるじゃん」。高くない。
こちらの会社は学習用標本がメインのようで、新宿紀伊国屋書店を始めあちこちに出店を出しているけれど、ネット通販はあまり力を入れていないらしく、鉱物標本の品数は数えるほど。だからあまり見なかったのだけど、他の石屋さんにぽちっとしたい/できるものがなくて、久々に閲覧。鉱物標本は相変わらず少なかったけど、その隣に岩石標本というのがあったので、覗いてみたら、「ありゃ? あるじゃん」。
「誰か安く入れてくださーい」と叫んだのが聞こえたのか。(あほか)
大きければ見栄えがするというようなものでもないので、一番小さなのを購入。
何となくサイトを見に行ったらあったというのは、石の神様に微笑まれているのだろうか。嬉しい。

     *     *     *

今、地上にあるもので、「一番古いもの」。そう思うとちょっとぞくぞくする。
法隆寺や縄文土器なんか目じゃないぞ。(当たり前だw) グランドキャニオンだって4000万年前だ。(なんでそれが出てくる?) 

と思っていたら、ウィキには
「44億4000万年前のマントルに由来する溶岩が、カナダ・バフィン島とグリーンランド西部で見つかった」(カーネギー研究所、2010年8月『ネイチャー』)
「西オーストラリア州のジャック・ヒルズで発見されたジルコン粒子のうち最古の物(44億400万±800万年前)」
といった記述がある。
上には上があるもので、これからももっと古い物は見つかるかもしれない。
だから「現状で、一般人が手にできる最も古い物」と言わなければなるまい。くそ。(まあ我慢しなさいw)

微惑星・小惑星が衝突融合を繰り返し、今の地球の原型が出来上がったのがだいたい45億年くらい前。原始海洋ができたのが40億年前。生命の誕生は38億年前くらい。最古の化石は西オーストラリアのピルパラで発見された35億年前のバクテリア化石。現生人類は30万年前くらい。というのが現在の有力説。

まあ、「個別の物質存在」の古さの話であって、分子・原子となると、話は雲散霧消してしまう。分子・原子が消滅したり生成したりするのかどうかは不明だけれど、あちきらの体も、今食ってる煎餅も(キーボード汚すなw)、その分子・原子はもっと古く、太陽系の誕生直後くらいに遡る。はず。よう知らん。あるいは宇宙開闢直後くらいのものもあるのかもしれない。
ついでに言えば年代測定というのも、絶対のものではないしね。そもそも人類の知は絶対的なものではないのであって、それを絶対化するのは科学・知的探究の死である。(何の話だ?)

しかし、生命誕生以前の石だ。通常のあちきらが目にするもので最も古い「物」だ。それはすごいことだ。でしょ? 法隆寺よりも(うるさい)
ただねえ、何十億年なんていう時間は、想像もイメージもできないですなあ。1万年くらいだったら、千年が十回か、とぼんやりイメージできるけど、それ以上だともう無理ぽ。
100年が31億何ちゃら秒。1秒を1年と感じれば、100年分。うーむ、そう言われても。
とにかく長いんだな。(そんなことは知ってる)

     *     *     *

で、ご尊顔。





地味な石です。そこらへんに落ちている石と変わらんと言われれば否定できない。
けれど、こまかく見ると、六角形の柱状節理のような模様が薄く見えたり、横面はぐにゃりと褶曲していたりと、36億年前だかの変成の凄さを窺わせる。それから、ごくごく小さな光る点も見える。石英か長石か。元は花崗岩ですと言われれば、そんな感じもなくはない。
風化が進んでいるのか、手で触ると細かい粒子が落ちる。
こういうものは触ってはいけないのかもしれないけど、石は触らないと面白くない。
手をきれいに洗って、やさしくつまんで、そして何かが伝わってくるか感覚を凝らす。……といっても残念ながら何も感じない。39億年前の生命誕生以前の原始地球、と頭に念じても、やはりうまくイメージはできない。
それでもいいんです。とにかく地上で一番古いものに触れているのだと思えば。
抱いて寝たら途方もない夢を見るかもしれないなどと一瞬思ったけど、さすがにやめた。

まあこういうのがコレクションの中にあるというのも面白いのではないでしょうか。


変な外国語和名の石

2022-04-03 14:12:18 | 漫筆

雨で寒いからお出かけもできないでしょうから。(余計なお世話だ)

デューイ石のことを調べていて、「ジュウウエイ石」というのが出てきて少し唖然としましたけど、以前、腰を抜かした英語和名があります。

「シャッツク石」。

は? なんか方言か何かか?(うむ、ありそうだな)
「は、しゃっつく、しゃっつく」ってお囃子みたい。「お山は晴天」と続けたい。(手踊りするなw)
Shattuckite、シャタッカイトのことなんですけど、Shattuck を「シャッツク」と書くか?

「エピディディマイト」を「エピジジム石」というのは、古い文部省方式でティやディをチ、ヂと書くべしとした影響なのでしょう。ぢゃったら(おいw)デュモルチ石はジュモルチ石か?
トゥもそうですな。で、ツグツパイトとなる。これ、もうちょっとどうにかならんかったんか?
ちょっとねえ。まあ、ツーソンはツーソンで通っちゃってるからねえ。

「デュモルチエライト」がなぜか「デュモルチ石」になるのは奇妙。人名はデュモルチエだ。エはどこへ行った? コーディエライトをコーディ石というか? グランディディエライトはグランジジイ石か?(おいイが多いぞ) ちなみに「チエ」であって「チェ」ではない。「チエ」は「ティエ」だけど原音は「チエ」に近い。
「モンブラ石」なんてのもある。フランスのモンテブラス鉱山から出たので「モンテブラサイト」なんだけど、最初の人が仏語の「mont(山)」の「t」は読まないんだぜ、と余計な気を利かせたのか。じゃあ「エ」はどこへ行った?
「ベスブ石」なんてのも「ヴェスヴィーオス火山」から来た「ヴェスヴィアナイト」。ヴをブにするのは致し方ないにしても、イオスはどこへ行った? キヤノンが嫌い?(おいw)

なんかねえ。鉱物・地学関係の人ってあんまり言語的むにゃむにゃ。(むにゃむにゃ)


デューイ石 Deweylite デュウェイ石 デュエイ石 ジュウエイ石

2022-04-03 11:37:33 | ややレア

(タイトルなげーよ)
記事も長くなります。(いつもだろw) 日曜だし皆さん暇でしょ?(君と一緒にするな)

いつものごとく、石屋さんのサイトを巡っていて、エヌズミネラルさんのサイトに来たら、美しいライトブルーの石に目を引かれた。名前は「デューイ石」とある。
「これは蛍光の色だろうなあ。しかし聞いたこともない石だな」と商品ページへ行った。
更新したてでも珍しい石はすぐに売れてしまうのだけれど、幸いまだある。
やはり水色は蛍光の色。けれど通常の色も薄い緑でなかなかいい。結晶の形もそこそこ整っている。
そして値段がとても安い。奇妙で安いものを見つけると買ってしまうという悪癖が出て、ぽちっとしてしまいました。

で、「ところで、デューイ石って何だ?」となった。(調べないで買ったのかよw)
エヌズさんの商品説明にはこうある。

《デューイ石 1(蛍光) ペンシルベニア州
微量のNiのため淡いアップルグリーンを呈します。紫外線長波で蛍光します。
Cedar Hill Quarry, Fulton Township, State Line Chromite Mining District, Lancaster Co., Pennsylvania, USA.》16x12x11mm

エヌズさんは面白い店で、鉱物名は基本的に和名のみ。英語名も英字表記もなし。組成の説明や化学式もなし。プロっぽくてかっこいいけど、あちきのような新米は時々不便を感じる。「翠銅鉱って何だっけ?」とか。(そのくらい知っとけw) まあググればよろしい。
でググった。けどあまり情報がない。

《別名ジムナイト。メリーランド州からペンシルバニア州にかけての蛇紋岩地域で見つかっています。実質的にクリノクリソタイルとリザーダイトの混合物で、滑石に似た石です。鉱物種としては独立扱いされていません。長波、短波ともに白色蛍光。ペンシルバニア州セダーヒルは、ろうのように柔くもろいデューイ石が採れ、純白に輝きます。》「鉱物たちの庭

《デュウェイ石(Deweylite)【フィロ珪酸塩・非晶質~低結晶質】
『日本産鉱物型録』(松原聰・宮脇律郎、東海大学出版会、2006)によると、「非晶質~低結晶度の蛇紋石鉱物+滑石様鉱物」とあります。
また、『福岡県鉱物誌』(岡本要八郎、日本鉱物趣味の界出版部、1944)によると、
「ヂュウェライトは~光沢鈍く、帯黄褐、帯赤褐色、非晶質、アラビヤゴム状又は樹脂状、~用途なし」
「主産地 嘉穂郡大分村兎山  同郡鎮西村八木屋山 等」
「ヂュウェライトは蛇紋石の変成物で非晶質アラビヤゴムの如き外観で、黄色乃至褐色を呈し、八木山等の蛇紋石の裂罅に産出する。昭和16年(1941)益富壽之助氏の分析に依れば此の結果よりMgOの量が稍少い。更に討究を要すべきも仮りに本鉱として記述しおくこととした。」とあります。》「石さまざま
……「用途なし」はちょっとひどくね? それを言ったら、天然石コレクターなんて皆「用途なし」じゃね? (こらw) 人類に用途があったとしても、人類は果たして用途があるのかどうか。(こらこらw)

さらには
《デュエイライトとは不良結晶度蛇紋石と不良結晶度タルクの混合物であり》
といった記述もある。ふーん、不良なんだ。(違う)

mindat には、組成として「Mg4Si3O10・6H2O?」とある。この「?」って何だよ。
そして説明は「主にリザーダイト lizardite とスティーヴンサイト stevensite の混合物」と素っ気ない。別名に「Gimnite、Deveilite」があると言う。

てんでばらばら。何のことやら。

     *     *     *

組成は Mg4Si3O10・6H2O? 。?はそのままにしておく。
マグネシウムのケイ酸塩だから、滑石 Mg3Si4O10(OH)2 や蛇紋石 Mg3Si2O5(OH)4 ときわめて近い。マグネシウム珪酸塩・含水鉱物ということでは同じ。これらからの二次鉱物か。
この標本は微量のニッケルを含んでいるらしいけれど、だとするとピメライトに近いとも言える。あちらはニッケル含有の石英主体混合石で、ポーランド産。
けれど、見た目はどれとも全然違う。結晶だし半透明だし。もっともごく稀に滑石が結晶体となることはあるらしい。

名前の表記もまちまち。「ジュウエイ石」「ジュエイ石」なんてのもある。デュは日本語にない音だとしてもジュにしてしまうのはちょっとねえ。ジュウエイは俺のことかとデューイ言い。(元ネタが古すぎて誰もわからんだろうよw)
Deweylite の名は、英語人名の Dewey から来ている。Dewey でまず出てくるのは、アメリカのプラグマティズム哲学者・教育学者の John Dewey でしょう。この人も、デューイと書かれたりデュウィーと書かれたりして、厄介。原音に近いのはデューウィーなんだろうけど、デューイで通っているみたい。
ちなみに、この人は日本の教育界にも影響があった人らしい。あちきもごく若い頃、家にあった『経験と自然』など何冊かの本を読んだ記憶がある。読んだ記憶はあるけど、読んだはずの内容はまったく記憶がない。まあそんなものだ。(おいw) しかしプラグマティズムの煩瑣な哲学書というのは果たしてプラグマティックであるかどうかという疑問は生じる。(あほなことを)
あちきとしてはデューウィライトと表記したいと思いますけど、まあデューイ石でいいですかね。

     *     *     *

平凡な組成要素ではあるけれど、結晶質であるというのは、ひょっとしたらレアなのかもしれない。セダーヒル産だから、確かなものではあるだろう。
ネットを見ても、出てくる写真は母岩にちらちらとくっついていてあまりぱっとしないものばかり。商品としても見当たらない。
うむむ。相当レアもの?
しかしそれにしては安い。もしかして扱いが難しいもの? いや、滑石に近いとしたらそんなことはないだろう。エヌズさんが1桁間違えた? まさかね。
なんて思っていたら、vec stone club さんで「クロムジュウエイ石 Chrome Deweylite」というのを売っていた。ジュウエイじゃあ検索に引っかかんないわな。こちらも安い。レアではないということなのか、レアだけど誰も欲しがらないということなのか、よくわからない。
「クロムジュウエイ石」は写真で見る限り、今回の「デューイ石」より少し青い。ニッケルが強いと緑になり、クロムが強いと青になるのだろうか。どちらもセダーヒル産。まあ個体差の範囲か。
……などと頭を傾げながらご本体の到着を待ったのでした。

     *     *     *

来た。(蕎麦屋の出前かよw)
ほのかな緑色。ちょっとオージェライトに似ているか。わずかにピンクや青が見える。複雑。



結晶の形もけっこうしっかりしている。

そして蛍光。これが素晴らしい。



明るい水色。写真では写らないけど肉眼で見ると緑も混じる。蛍光で青になるか緑になるかというのと、通常の光で緑かそうでないか、は無関係。ピンクの部分が緑になるわけではない。不思議ですなあ。
前にトゥグトゥップアイトの蛍光のことを書きました。あれもどぎつくなくて素晴らしく美しいものでしたけど、デューイ石も素晴らしい。

鉱物の蛍光の色というのは、どういう仕組みになっているのでしょうかね。
紫外線のエネルギーによって電子が外側の軌道に出て、戻る時にエネルギーを光として発する、というのが基本らしいけれど、石によって蛍光の色はまちまち。どぎつい色もあれば、素晴らしく澄んで美しい色もある。その色はどうやって決まるのでしょう。ま、説明されてもわからないかもしれんけど。

     *     *     *

けどね、(まだ続くのかよ) 上記にあるように「クリノクリソタイルとリザーダイトの混合物」「蛇紋石鉱物+滑石様鉱物」「不良結晶度蛇紋石と不良結晶度タルクの混合物」「リザーダイトとスティーヴンサイトの混合物」だったら、こういう結晶体にはならないのではないか。ん?固溶体だったらなるのかな。
しかしいろんな名前が出てますな。何だよこれ。

 クリノクリソタイル Clinochrysotile 単斜繊維蛇紋石 Mg3Si2O5(OH)4
 リザーダイト Lizardite リザード石 Mg3Si2O5(OH)4 クリノクリソタイルと同質異像
 サーペンティン Serpentine 蛇紋石(グループ名) (Mg,Fe)3Si2O5(OH)4
 タルク 滑石 Mg3Si4O10(OH)2
 スティーヴンサイト Stevensite 粘土鉱物 (Ca,Na)xMg3-x(Si4O10)(OH)2

もし Mg4Si3O10・6H2O という組成が正しいなら、サーペンティンないしタルクから生じた二次鉱物、というあたりが正しいのではないでしょうかね。しかし、タルク自体がサーペンティンからの二次鉱物で、サーペンティンはオリヴィン=ペリドットからの二次鉱物で、となると、デューウィライトは四次鉱物っつうことになる。(そんなもんねえよw) うーむ、はるばる来にし旅をしぞ思う。(業平かよw)
で、ニッケルを含むと緑になり、クロムを含むと青くなる。蛍光も見られる。ただしクロムデューウィライトが蛍光するかどうかは不明。
鑑定に出してみようかななんて思うけど、めんどいしお金掛かるし。

まあ謎は多いですけど、蛍光の美しい石として、とてもいいと思いますよ。

けれど、もろい。ちょっとやさしくなく置いただけで、角のところがポロっともげたorz。硬度が低いかどうかは、壊してしまいそうだから試していない。