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PowerPointプレゼンテーションで説明してきたものをここに掲載します。①なぜ、開かれた学校づくりが必要か!?②開かれた学校とは何か!?③それはどのような仕組みなのか!?④これからの学校はどう変わっていくのか!?について説明していきます。
必要な図はダウンロードされても結構です。
内容についてのご意見をお聞かせください。
パワーポイント資料[開かれた学校とは]
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このシートを見ると、親の姿勢に問題があるように思われますが、今の社会は、共働きしなければ家庭生活が難しくなってきました。したがって、仕事優先で子供のことを気にかける余裕の持てない社会ということです。しかし、一方では子育てについて、身近な人から学ぶ機会がなく、子育てに迷ったり、間違った子育てに気づかない親も多いようです。
地域社会にとっても、科学技術の進歩やコンビニができたり大型店舗が郊外にできたりと便利になりました。また、スマホ・携帯と遠くの人と繋がる社会になりました。したがって、地域社会との繋がりがなくとも十分生活できる世の中です。とことん困れば行政に頼るという仕組みです。
しかし、それではいけないと私たちは気づき始めています。災害の時、独りでは寂しいとき、すぐそばにいて温かい手を差し伸べてくれる隣人が必要だからです。災害ボランティアにたくさんの方々が参加するのもその現れではないでしょうか。
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学校では「生きる力の育成」を教育目標としています。このような家庭や社会の課題を乗り越える生きる力を育成するには、学校の先生だけの指導ではできません。家庭や地域の皆さんとの連携協力が必要です。
また、このような学校と家庭や地域社会の連携を進める中で、これまで失われてきた社会の繋がりを再構築することも狙いとしています。
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まとめると、児童生徒に求められる力は、「生きる力」に加えて「郷土に生きる力」です。郷土のことを知って、郷土の素晴らしさを心にしみて感じます。郷土で働くことも体験します。郷土に縛りつけるわけではありません。夢を持って日本に世界に羽ばたく人間を育てる中で、郷土に愛着を持ち、それを大切なものとして思う心を育てるのです。
”熊本の赤”はくまモンのほっぺの”赤”になぞらえて、熊本の赤い食品を応援するキャッチフレーズです。熊本を思う心があれば、熊本に”いる””いない”に関わらず地域振興の取組ができます。
なかには、郷土で生きていきたいという人もきっと出てきます。このような人は増えているように思います。
私が学生の頃は方言を使うと恥ずかしいと言う思いでしたが、現在は、方言がカッコ良く聞こえます。田舎に育ったことを誇りに思う時代がすぐそこまで来ているようです。
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これまで説明してきたことは、平成8年中央教育審議会第一次答申に書いてあります。ここに「開かれた学校とは」についての記述があります。しかし、これが示されても開かれた学校づくりはなかなか進みませんでした。
平成18年新教育基本法が公布施行されて、第13条に「学校・家庭・地域住民等の連携協力」が努力義務として定められました。これによって、開かれた学校づくりが急速に進み始めました。
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平成8年の答申によると、開かれた学校とは、次の3つをいいます。そのことを後日「3つの側面」と言われるようになりました。
これを一つ一つ説明していきます。
まずは①です。
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地域の皆さんの力を活用するとき、学校が直接協力を求め、地域の皆さんを探したり繋がったりするのは大変なことです。そこで、学校応援団というのがあって、学校が「こんなことを手伝って欲しい」と学校応援団に頼むと、該当する人を探してつれてきてくれたら大助かりです。
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学校応援団の仕組みモデル図です。これを人の体に置き換えて説明していきます。
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仕組みとはたらきを説明します。
下の方から、手足カラダの部分が、学校を手伝ってくれる支援ボランティアの皆さんです。
体の中央部分の青いところがコーディネーターです。学校の求めに応じて手伝ってくれる支援ボランティアを探してつれてくる役目です。学校の先生と支援ボランティアの間にいて連絡調整もして欲しいですが、ボランティアのコーディネーターには荷が重すぎますで、繋いでくれるだけでもいいです。
頭は、組織には必ず必要な経営・運営・課題解決などを行う○○協議会です。これがなければ永続的な組織にはなりません。協議会の委員の皆さんにはコーディネーターのお手伝いをお願いします。ネットワークを持った委員さんが人探しに協力してくれたら大助かりです。
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学校支援地域本部という仕組は、国県市(町村)が財政的に支援してつくる学校応援団です。したがって、お金がある分しっかりとした学校応援団をつくることができます。コーディネーターはボランティアではなく、市町村の嘱託などとして勤めています。働きも、学校と支援ボランティアをつなぐだけでなく、連絡調整もしていただけます。しかし、この仕組はいずれは財政支援は無くなりますので、ボランティアの学校応援団に軟着陸することを考える必要があります。
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次は②です。保護者・地域住民が学校経営・運営へ参画する仕組みがコミュニティ・スクールです。
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教育活動を直接支援するのが学校応援団[学校支援地域本部]であるのに対して、コミュニティ・スクールは経営・運営・課題解決に保護者や地域住民が参画します。コミュニティ・スクールは、法律に規定されていて、市町村の教育委員会の指定によって、強い権限を持つ学校運営協議会が作られます。内容についての詳細は上のシートや<コミュニティ・スクールの説明>を見てください。
心配することがひとつあります。熟議・協働・マネージメントとありますが、協働が十分でなければ、話し合いばかりで、課題解決は学校任せとなり、協議会から「学校は○○しなさい!!」と言われるばかりで、モチベーションの上がらない学校となってしまいます。このことを私は"言うばっかりのコミュニティ・スクール"と表現しています。このようにならないためには、協議会委員の皆さんが[意見を言う]という権限を行使したら、その分だけ[協働]の責任を果たしていただくか、[協働]をする仕組の学校応援団をつくる必要があります。
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熊本県では、<熊本版コミュニティ・スクール>という仕組みを推進しています。コミュニティ・スクールが市町村教育委員会が指定するのに対して、これは、保護者・地域住民が学校経営・運営に参画するという趣旨を生かして学校がつくる仕組みです。どの学校もつくることができます。仕組みの詳細はシートをご覧下さい。学校の課題を話し合って解決の方策を出したあと、学校がやるべきこと、保護者(PTA)がやるべきこと、地域にできることを共通目標と定めて協働することが記入されています。これは”優れたところ”と思っています。熊本版コミュニティ・スクールをまずつくって、それからコミュニティ・スクールをつくっていけばいいのではないでしょうか。
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広く普及した類似の制度<評議員制度>についても説明します。
学校評議員は、校長の求めに応じて、学校運営に関し、意見を述べることができます。つまり、校長先生の相談役です。
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それぞれの仕組みを比較してみます。
学校応援団は教育活動を直接支援する仕組みですから、手足カラダがしっかりしたものとなっています。
熊本版コミュニティ・スクールは学校経営・運営への参画ですから、頭が共有・協議で大きくなっています。手足カラダは協働とは記入されていますが明確な仕組みの定めはなく小さなカラダとなっています。
コミュニティ・スクールは、熊本版に加え、法による権限と責任が加わりますから、頭がさらに大きく重くなります。こけそうな感じではありませんか?
そのコミュニティ・スクールの不安定さは<言うばっかりのコミュニティ・スクール>の危うさです。
この危うさを解消するには、(学校応援団)+(コミュニティ・スクール)とすると、頑丈なカラダに大きな頭となるので、バランスのいいしっかりとした仕組みになります。このような仕組みは文科省も勧めていて”学校支援地域本部とコミュニティ・スクールは車の両輪”として普及を図っています。
次は、最後の③です。
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開かれた学校が提唱された平成8年当時は”学社連携”や”学社融合”の時代でしたので、中央教育審議会答申には、学校施設の開放などが記入されています。しかし、今であればシートにあるようなことも地域のためになります。学校はぜひ積極的に取り組みをお願いします。
小学校は、三つの側面①に力点を置いていいかもしれませんが、中学校であれば、小学校で支援してもらったことのお返しもあって、③に努めてほしいものです。
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家庭や地域の皆さんが学校を支援・参画するようになって、学校がどのように変わるかを紹介します。
まずは、どの学校でも問題になっている<携帯><キッズ携帯>の問題です。学校は、家族や地域の皆さんと共に話し合って下さい。学校だけではできなかった解決法の提案がきっとあります。その一例をシートに掲載しました。
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最後は、あいさつの問題です。シートの例は「地域の皆さんだったら、このような対策にきづくんだな~!」ということが学べます。
以上、開かれた学校づくりの説明を試みました。いかがだったでしょうか。
開かれた学校づくりに一歩踏み出すことは勇気がいることですが、学校が始めなければ始まりません。よそから言われてするのであれば、逆にやる気を削いでしまうことになるからです。
それでは、開かれた学校づくりに邁進していきましょう。楽しい学校や社会を実現しましょう!
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