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ひとつの種子


「このたねをひろったら、おてがみをください」
小学生だった頃、学校の運動会で、花の種子をつけた風船を
全員で飛ばしたことがあった。後日、一通だけ返事が届いた
と先生から報告があった。それはずいぶん遠くからだったと、
子供ごころに覚えている。

   *

今年もまた花が咲きました
一粒だった種子が
毎年 花を咲かせ
色とりどりの
広い庭園になりました

出会いは
偶然でもあり
運命だったのかもしれませんね
私の足もとに
コトリと触れたのですから

辿りつき また別れ
喜びや哀しみは
半分半分なのでしょうが
なぜか哀しみのトンネルばかりが
ながく感じられます

生きることの不条理に
立ちすくむときもありますが
この地上に在るものとして
受け容れなければならないと
気づきはじめています

こんなふうに話せるのも
歳月を重ねたからでしょうか
貴方はどうしておられますか
幸せですか?

家族に囲まれ
暖かな日々を過ごされているのなら
なによりですが
もし 孤独であったとしても
貴方のことは忘れておりません

この花の香りが
どうか届くように祈っております
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