絵や詩をかいています。
制作日誌
十年
高崎市制百周年の記念イベント
“十年後の未来へ手紙を届けます”
便せん二枚に
十年後の存在と不在をめぐらしながら
父宛に手紙をしたためた
忘れたときに届いた手紙を
幸か不幸か自ら開けることになり
すこしだけときめく
私が生きている日ごろの感謝
人の命のはかなさゆえ
だからこそその一瞬を
両親や親せきの皆が幸福であってほしい
などの文字がならび
その気障ったらしさに
額はほてりドラマさながら
涙までもがこみ上げてきた
十年なんてあっという間だった
でもこれからの十年は
まったくわからないな
私は届かないであろう手紙を
ふたたびしたためた
前略。そちらの暮らしはいかがですか。ぼくも母も元気で
やっています。父ちゃんがいなくなってから大きな地震が
二回ありました。中越地震に東日本大震災です。あんなに
揺れたのは初めてでした。神経がまいりました。津波や原
発事故が起こりました。この辺は被害もなく平穏です。む
かしの平和とはべつの平和が流れています。
そうそう、父ちゃんが旅立つ前日、消毒をしておけと言っ
ていた桃の木は、一年も経たないうちに母が切ってしまい
ました。本当に先のことはわからないものですね。
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bellさんの詩は、どんなこともやさしく包み込み、
時間の川の流れに乗せてくれるような穏やかさを感じます。
やさしい気持ちにさせてくれてありがとう。^^
こんにちは。
時間は過ぎてみると、なんてことはなかったと感じますが、
未来の時間は不確定なのでちょっと不安がありますね。
とりあえず6年後の東京オリンピック観られるのを目標にしたいと思っています。
年齢が気になるこの頃ですが…。
コメントありがとうございました。