絵や詩をかいています。
制作日誌
足音のおと
留守番で
まつ母のおと
屋根裏のネズミ
鬼ごっこの
かけ足がきこえる
予感をつれて
おとづれる
季節のうつろい
初めてのパ・ド・ドゥ
野良猫が
雨どいをわたると
新しい革靴が
マンハッタンから
ちかづく
地球は
足音で溢れている
いつからか
翳りをしのばせて
こびりつく
離れそうもないおと
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異物
その文字の意志は
遙かからだった
記号のようであり
うずまく原始の
線刻画だった
削り塗られた今昔を
指でなぞれば
太古への焦がれ
しのびよる怖れ
学者たちは
いくつもの解釈を推し量るが
分類できない感情と
ならべられない法則に
ただ深遠と黙した
ワタシタチノ
カンセイ
ルールヲタヨッテ
カスンデイル
打ち上げられた
数千行の謎は
歴史から抹消された
食卓では
秒針に刻まれている
2019.10「詩と思想」
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