規制改革推進会議第1回地域産業活性化ワーキンググループにおける、Uber Japan社提出資料について、交通の安全と労働を考える市民会議―「ライドシェア」問題を考える― は、「表記資料を精査したところ、重大な印象操作が行なわれているので、注意喚起させていただきます。」として声明を公表した。⇒https://www.forumtsl.org/_files/ugd/000bb8_9c2d09f336fa492f8babece8044c86bc.pdf
このブログでも、その内容を共有しておく。
ウーバージャパン社が11 月6日に開かれた規制改革推進会議第1回地域産業活性化ワーキング・グループに提出した資料である「諸外国におけるライドシェア法制と安全確保への取り組み」(以下、提出資料)を精査したところ、p17の「タクシーとライドシェアの利用者によるサービス評価比較(豪州シドニー、2019年)」に、重大な印象操作が行なわれているので、注意喚起させていただきます。
ウーバージャパン社の提出資料を見る限りでは、「利便性」、「接客サービス」など5つの項目で、タクシーよりもライドシェアの方が利用者から高い評価を得ています。タクシーの方が高い評価を得たのは、「地理に関する知識」と「運転技術」の2項目でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/22/26bac449b5ee3b25897984d3974231c9.jpg)
しかし、同社が出典元とするPoint to Point Transport Independent Review 2020(Transport for NSW の発行)のp27を見ると、次のような異なるグラフが出てきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/f8/9975ea768cd0c8614057d2fe31cd432e.jpg)
まず、このTransport for NSW のグラフには、3つ目の業種として、タクシー、ライドシェアに加えて、リムジン・ハイヤー(Limo/Other Hire Vehicle Vehicle)があり、とりわけサービスの質(Quality Dimensions Dimensions)で、一番高い評価をすべての項目で得ています。全項目数も、こちらでは12項目あります。
驚くべきは、Transport for NSWのグラフには安全性(safetysafety)という項目があり、ここでは、タクシー=31%、ライドシェア=12%、リムジン=41%という結果となっていますが、この項目はウーバージャパン社の提出資料では削除されているのです。また、そのように一部の情報を出典元から割愛したという注釈もありません。
安全問題は、ライドシェアについて議論する上で欠くことのできない重大案件です。それは、ウーバージャパン社も十分承知していることであり、提出資料でも「サービス提供国の多くでは『安全性』が普及要因の一つ(p7)」などと強調しています。
自社に不利な印象を与える数値のみを、意図的に隠ぺいした資料には客観的信頼性が全くなく、いやしくも政府の公認会議の資料として提出することは、言語道断です。果たして、このような情報操作はこのグラフのみに留まるものなのでしょうか。提出資料の全域にわたって、その信ぴょう性が問われても、仕方ありません。
提出資料にはこの他にも、印象操作と思われても仕方ない情報があります。たとえばp1では、「33カ国でタクシーの配車事業を展開している」と主張していますが、その具体的な内容を記載せず、マップの色塗りという手法を取っているのです。マスコミ情報では米国の場合、2022年にニューヨーク市でこうしたサービスの提携を発表し、最近カリフォルニア州へと広まった程度に過ぎないと報道されています。
残念ながら、21世紀の民主国家・日本では、ウソにウソを重ねても真実にはなりません。こうした体質の企業に旅客運送の責任を負わせることには、これまでも多くの懸念がありましたが、ウーバージャパン社は改めてその信頼性を自ら失墜させているのです。
以上の点を鑑み、ウーバージャパン社に提出資料の全面撤回を、地域産業活性化ワーキング・グループにはこの提出資料の不採用を求めます。
交通の安全と労働を考える市民会議 事務局
Tel: 03-3341-3133
Fax: 03-3355-0445
Email: info@forumtsl.org
HP https://www.forumtsl.org/https://www.forumtsl.org/
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「規制改革推進会議第1 回地域産業活性化ワーキンググループにおける、UberJapan社提出資料について」
2023年11月10日
交通の安全と労働を考える市民会議
交通の安全と労働を考える市民会議
ウーバージャパン社が11 月6日に開かれた規制改革推進会議第1回地域産業活性化ワーキング・グループに提出した資料である「諸外国におけるライドシェア法制と安全確保への取り組み」(以下、提出資料)を精査したところ、p17の「タクシーとライドシェアの利用者によるサービス評価比較(豪州シドニー、2019年)」に、重大な印象操作が行なわれているので、注意喚起させていただきます。
ウーバージャパン社の提出資料を見る限りでは、「利便性」、「接客サービス」など5つの項目で、タクシーよりもライドシェアの方が利用者から高い評価を得ています。タクシーの方が高い評価を得たのは、「地理に関する知識」と「運転技術」の2項目でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/22/26bac449b5ee3b25897984d3974231c9.jpg)
しかし、同社が出典元とするPoint to Point Transport Independent Review 2020(Transport for NSW の発行)のp27を見ると、次のような異なるグラフが出てきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/f8/9975ea768cd0c8614057d2fe31cd432e.jpg)
まず、このTransport for NSW のグラフには、3つ目の業種として、タクシー、ライドシェアに加えて、リムジン・ハイヤー(Limo/Other Hire Vehicle Vehicle)があり、とりわけサービスの質(Quality Dimensions Dimensions)で、一番高い評価をすべての項目で得ています。全項目数も、こちらでは12項目あります。
驚くべきは、Transport for NSWのグラフには安全性(safetysafety)という項目があり、ここでは、タクシー=31%、ライドシェア=12%、リムジン=41%という結果となっていますが、この項目はウーバージャパン社の提出資料では削除されているのです。また、そのように一部の情報を出典元から割愛したという注釈もありません。
安全問題は、ライドシェアについて議論する上で欠くことのできない重大案件です。それは、ウーバージャパン社も十分承知していることであり、提出資料でも「サービス提供国の多くでは『安全性』が普及要因の一つ(p7)」などと強調しています。
自社に不利な印象を与える数値のみを、意図的に隠ぺいした資料には客観的信頼性が全くなく、いやしくも政府の公認会議の資料として提出することは、言語道断です。果たして、このような情報操作はこのグラフのみに留まるものなのでしょうか。提出資料の全域にわたって、その信ぴょう性が問われても、仕方ありません。
提出資料にはこの他にも、印象操作と思われても仕方ない情報があります。たとえばp1では、「33カ国でタクシーの配車事業を展開している」と主張していますが、その具体的な内容を記載せず、マップの色塗りという手法を取っているのです。マスコミ情報では米国の場合、2022年にニューヨーク市でこうしたサービスの提携を発表し、最近カリフォルニア州へと広まった程度に過ぎないと報道されています。
残念ながら、21世紀の民主国家・日本では、ウソにウソを重ねても真実にはなりません。こうした体質の企業に旅客運送の責任を負わせることには、これまでも多くの懸念がありましたが、ウーバージャパン社は改めてその信頼性を自ら失墜させているのです。
以上の点を鑑み、ウーバージャパン社に提出資料の全面撤回を、地域産業活性化ワーキング・グループにはこの提出資料の不採用を求めます。
交通の安全と労働を考える市民会議 事務局
Tel: 03-3341-3133
Fax: 03-3355-0445
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