よしーの世界

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尾崎放哉句集    池内紀編

2020-07-06 07:49:33 | 
先日深夜番組を録画していたものを観ていたら、レ・ロマネスクのTOBI(トビー)が出ていて

尾崎放哉を語っていた。尾崎放哉は「咳をしても一人」であまりにも有名な自由律の句人。こ

の句は教科書にも載っていて未だに心に残っています。放哉は明治時代の人で旧士族、旧制一

高を経て東京帝国大学法科卒。東洋生命に入社ですからエリート街道まっしぐらですね。挫折

して仏門にはいるのですが、人との付き合いも苦手で孤独な人生を歩みます。


一人っきりの庵で過ごすことで、自然の中の小さいことに目が届き、小動物や昆虫の動きそし

て身近に接した人々の営みに自由な俳句の発想があります。この句集には自由律以前の句も掲

載されていますが、やはり自由律の句にきらめきを感じます。「師走の夜のつめたい寝床が一

つあるきり」「一人分の米白々と洗ひあげたる」「入れものが無い両手で受ける」そして「咳

をしても一人」等々。自然を愛し旅を愛した山頭火とは違う視点の句が多い。


尾崎放哉句集       池内紀編      岩波文庫
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