よしーの世界

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この世を生き切る醍醐味   樹木希林

2020-07-17 11:59:22 | 
このロングインタビューは貴重だ。本人が「本にするのはやめて」と言っていることからも分かるように、本音

がかなり語られていると思えるからだ。子供の頃の環境や両親のこと、女優を目指していたわけではないの

に女優になったこと、森繁久彌との出会い、ドラマや映画で演じてきたこと、内田裕也とのこと、関わった映画

監督や俳優たちのこと、そしてガンになってからの死生観が余すことなく語られている。


さらに娘である内田也哉子氏が母、樹木希林を語るところも本当に興味深い。内田裕也と樹木希林の間に

生まれて極端にならないように、自らブレーキを意識して育ってきた彼女はちょっと離れた視点から母を見

つめていてきた。常人とは意識が違う樹木希林の生き方、行動が客観的に描かれていてとても面白い。


いつの間にか、日本では不寛容な空気が支配するようになっいて、同調圧力によって人とちょっとでも違う

と思われることをやらない、言わない風潮になっている。しかし生まれた環境、生まれつきの性格、性向、考

え方等みんな違うものを持っている。それを認めることで、もっと生活しやすくなるし、付き合いも楽になる。

改めて思い知らされるインタビュー集だった。


この世を生き切る醍醐味    樹木希林    朝日新書
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