よしーの世界

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悪名の棺 笹川良一伝   工藤美代子

2020-07-20 07:31:05 | 
私は右でも左でもなく、中道やや左よりというところでしょうか。笹川良一に関しては右翼の大物、日本のフィ

クサーのイメージが強く、本書を読むまでかなり偏った印象を持っていました。日本では特にイデオロギーが

先行する人たちにお金に対して疎い人が多く、何か起こすのにも精神性ばかり重んじて、思い込みで行動す

る人が少なからずいます。それが太平洋戦争の流れを見ていても明らかで理屈でなく声の大きさで日本を破

滅に向かわせました。


本書で笹川良一が自分の金で政治結社を作り、自分の金で戦犯容疑者に救いの手を差し伸べ、さらに自分

の金でハンセン病根絶しようと試みたことを知りました。実際の所国民は政治家に清廉潔白など求めていな

いのではないでしょうか。唯国民からの税金を自分の金のように、しかも恣意的に使うことに怒りを覚えるの

だと思う。そして政治家は金のある所に群がる。


政治信条があまりにも違うので、私は笹川良一にシンパシーを感じませんが、今までの偏ったイメージを払拭

できたのはよかった。近現代を考える時にも役立つ。やはり本は読むべきだ。


悪名の棺 笹川良一伝     工藤美代子         幻冬舎
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