よしーの世界

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同調圧力   鴻上尚史×佐藤直樹

2020-10-26 06:56:37 | 
先日久方ぶりに新宿の紀伊国屋書店に行きましたら、本書が壁にズラッと並んでいて一番に目につき

ました、雑誌等でも紹介していて読みたいと思っていたので即買い。現代日本に起きている現象を分

かりすく、実際に起きている事を絡めて、軽妙なトークで語られていてあっと言う間に読んでしまい

ました。同調圧力は世界的にも珍しい現象で、日本と世界との違いも浮き彫りになった。


何故、世界と違って日本ではこれ程同調圧力が強いのか?世界にある「社会(個人と個人)」の代わ

りに、日本では「世間(親、家族、血縁)」が強く、それだけ個人が表に出にくい。事件を起こした

本人だけではなく親や家族にも責任が及ぶ稀有な国で、これではドンドン個人が委縮してしまう。「

出る杭は打たれる」を地で行く社会で、個性などは全く無視されてしまう。


しかし世界の潮流はすでに多様化に流れていて、あらゆる価値観が崩れ、一人ひとり皆違うという意

識が溢れ、古い価値観だけではコミットできない社会になってきている。確かにアメリカでもトラン

プ現象に見られるようにすでに少数民族となっている白人層の焦りが目立ち、過激な行動に打って出

る人々が見受けられるが、そのままでは取り残されることになる。


日本においても時代に逆行するような保守層の動きがみられるが、一人ひとりの生まれ持ったもの、

育った環境の違いによって、皆同じという意識は無きも同然。あらゆる思考の異なった多様性が生じ

つつあるのは自明の理で、すでに少数派になりつつある人々の抵抗が世間というものを形作っている

だけで、いずれ個人の多様性に飲み込まれることになる。


同調圧力  日本社会はなぜ息苦しいのか     鴻上尚史×佐藤直樹   講談社現代新書
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