よしーの世界

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アフリカ  「NHKスペシャル」取材班

2021-07-29 06:41:03 | 
日本では海外の事情を知る機会が殆どない。多いのはアメリカ経由、ほんの少しヨーロッパ位で中国、

韓国についてもこちらから取りに行かなければ知ることが無い。ましてやアフリカ大陸の今を知るこ

とはない。本書は2010年に放送されたNHKスペシャル「アフリカンドリーム」の取材班によるもので、

この番組を当時観た記憶がある。驚いたのは映画「ホテル・ルワンダ」の舞台になったルワンダの現

況で、それまで虐げられてきたフツ族によるツチ族の大量虐殺から、およそ16年で奇跡の復興を成し

遂げている。様々な事情が垣間見え、全国民が一様に成功を甘受しているわけではない所に今のアフ

リカの抱える複雑さを感じる。


私たちが知っている「サバンナの勇者」マサイ族の間では携帯電話が急速に普及しているという。子

供たちの教育費を稼ぐ為に父親は出稼ぎに出る。家族を何より大事にする彼らは毎日連絡するのに携

帯電話が必須なのだ。広大なアフリカでは固定電話の普及も難しいため、携帯に対する潜在需要を世

界の大手携帯電話会社は見誤って来たのだという。


そして携帯の中継基地を拡げるために中国の企業から派遣された、中国人技術者が大活躍をしている。

彼らは厳しい環境にも耐え、中国本土より高い報酬を得るために必死で働く。欧米メディアの中には

「新たな植民地支配だ」と批判する向きもあるがアフリカでは概ね歓迎されている。


読後に感じたのは、同じアフリカ大陸にあってもグローバリズムの波にうまく乗れた国、トップの失

策によって低迷する国と千差万別だ。それでも言えることは自国の中から真に国を憂い、自分達全体

の幸福のために努力する人物がいるところは、素晴らしい発展をしている。まずは国民の政治に対す

る高い関心、そして自国民の幸福のために働くリーダーが必要だと思い知らされた。


アフリカ         「NHKスペシャル」取材班            新潮新社
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