日本では海外の事情を知る機会が殆どない。多いのはアメリカ経由、ほんの少しヨーロッパ位で中国、
韓国についてもこちらから取りに行かなければ知ることが無い。ましてやアフリカ大陸の今を知るこ
とはない。本書は2010年に放送されたNHKスペシャル「アフリカンドリーム」の取材班によるもので、
この番組を当時観た記憶がある。驚いたのは映画「ホテル・ルワンダ」の舞台になったルワンダの現
況で、それまで虐げられてきたフツ族によるツチ族の大量虐殺から、およそ16年で奇跡の復興を成し
遂げている。様々な事情が垣間見え、全国民が一様に成功を甘受しているわけではない所に今のアフ
リカの抱える複雑さを感じる。
私たちが知っている「サバンナの勇者」マサイ族の間では携帯電話が急速に普及しているという。子
供たちの教育費を稼ぐ為に父親は出稼ぎに出る。家族を何より大事にする彼らは毎日連絡するのに携
帯電話が必須なのだ。広大なアフリカでは固定電話の普及も難しいため、携帯に対する潜在需要を世
界の大手携帯電話会社は見誤って来たのだという。
そして携帯の中継基地を拡げるために中国の企業から派遣された、中国人技術者が大活躍をしている。
彼らは厳しい環境にも耐え、中国本土より高い報酬を得るために必死で働く。欧米メディアの中には
「新たな植民地支配だ」と批判する向きもあるがアフリカでは概ね歓迎されている。
読後に感じたのは、同じアフリカ大陸にあってもグローバリズムの波にうまく乗れた国、トップの失
策によって低迷する国と千差万別だ。それでも言えることは自国の中から真に国を憂い、自分達全体
の幸福のために努力する人物がいるところは、素晴らしい発展をしている。まずは国民の政治に対す
る高い関心、そして自国民の幸福のために働くリーダーが必要だと思い知らされた。
アフリカ 「NHKスペシャル」取材班 新潮新社
韓国についてもこちらから取りに行かなければ知ることが無い。ましてやアフリカ大陸の今を知るこ
とはない。本書は2010年に放送されたNHKスペシャル「アフリカンドリーム」の取材班によるもので、
この番組を当時観た記憶がある。驚いたのは映画「ホテル・ルワンダ」の舞台になったルワンダの現
況で、それまで虐げられてきたフツ族によるツチ族の大量虐殺から、およそ16年で奇跡の復興を成し
遂げている。様々な事情が垣間見え、全国民が一様に成功を甘受しているわけではない所に今のアフ
リカの抱える複雑さを感じる。
私たちが知っている「サバンナの勇者」マサイ族の間では携帯電話が急速に普及しているという。子
供たちの教育費を稼ぐ為に父親は出稼ぎに出る。家族を何より大事にする彼らは毎日連絡するのに携
帯電話が必須なのだ。広大なアフリカでは固定電話の普及も難しいため、携帯に対する潜在需要を世
界の大手携帯電話会社は見誤って来たのだという。
そして携帯の中継基地を拡げるために中国の企業から派遣された、中国人技術者が大活躍をしている。
彼らは厳しい環境にも耐え、中国本土より高い報酬を得るために必死で働く。欧米メディアの中には
「新たな植民地支配だ」と批判する向きもあるがアフリカでは概ね歓迎されている。
読後に感じたのは、同じアフリカ大陸にあってもグローバリズムの波にうまく乗れた国、トップの失
策によって低迷する国と千差万別だ。それでも言えることは自国の中から真に国を憂い、自分達全体
の幸福のために努力する人物がいるところは、素晴らしい発展をしている。まずは国民の政治に対す
る高い関心、そして自国民の幸福のために働くリーダーが必要だと思い知らされた。
アフリカ 「NHKスペシャル」取材班 新潮新社