宇宙に命はあるのか 小野雅裕

私は幼い頃から宇宙が好きで、ＳＦ物の映画を観ることも好きだし、本もかなり読んでいます。ただ宇宙

に関しての本には苦手な数式がドンドン出てくるものがあって、文系の私は辟易する時もあります。本書

は著者がＮＡＳＡの中核研究機関に勤めているにも関わらず、文系にも読みやすい人間のイマジネーショ

ンを盛んに取り上げて読者をワクワクさせます。


ＰＣもスマホも無い時代、宇宙に行くと言っても誰も取り合わず、ロケット工学博士は資金を作ることも

困難でした。資金を出したのは第二次世界大戦に踏み込んだナチスドイツのヒトラー総統。彼はただひた

すらロンドンを焦土に化すためにロケットを欲し、フォン・ブラウンにロケット開発を命じます。科学者

の倫理より自らの研究に没頭することを選んだ彼を誰が責めることが出来るでしょう。今となってはブラ

ウン博士のロケットがロンドンに壊滅的なダメージを与える前にドイツが敗戦に追い込まれて良かったと

思うほかありません。


宇宙に関する研究は日進月歩で進み、ほんの数年前までは思いもつかない発見の連続です。今ではイーロ

ン・マスクの火星移住計画さえ数十年後に可能と言われています。勿論課題は山積みですが、少し前には

不可能と思われていた事を乗り越え、新たなるニュースが次々に流れてきます。日本も様々な成果を上げ

つつありますので、まだまだ楽しませてくれるでしょう。とても読みやすい本ですので暑い夏に涼しい部

屋で読むことをお勧めします。


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