四国八十八か所を巡る「お遍路」がブームだそうだ。老若男女を問わず年間十数万人に上るという。私
が「お遍路」に行く事はまずないと思う(旅行は大好き)。それでもとても興味はある。本書には汗と
ほこりにまみれ、日に焼け、時には野宿もし、地元の人々との交流を交えながらの著者の実体験に基づ
く、現代お遍路考が綴られている。
よくあるガイドブックとは変えたいという著者の希望で、お遍路を開始するための用意についても、用
意周到に全て書きつらねているわけではない。著者自身相当用意しながら、実際には使うことなく、捨
てたり、自宅に送り返したりした物がかなりあるという。ただ、遍路の証明である「白装束」は間違い
なく有効で、地元の方のお接待も受けることが出来るし、何より不審者扱いの恐れが小さくなる。
私たちが見慣れない「菅笠」も必需品で、強烈な土佐の陽射し除けや雨にも威力を発揮する。そして「
金剛杖」は強くついた音と足音でマムシ除けにも効果があり、歩き続け疲れた時にはとても頼りになる。
と著者の実感からくる解説が成る程と思わされた。
今ではバスやタクシー、さらにはヘリコプターで遥か上空から参拝することも可能だ。しかし著者が1
ヶ月以上歩き続けたことで経験したことを、実際に同じ様に感じる事は出来ない。本を読むことで著者
の経験から得た「お遍路」というものを追体験し、知ることが出来た。
お遍路入門 加賀山耕一 ちくま新書
が「お遍路」に行く事はまずないと思う(旅行は大好き)。それでもとても興味はある。本書には汗と
ほこりにまみれ、日に焼け、時には野宿もし、地元の人々との交流を交えながらの著者の実体験に基づ
く、現代お遍路考が綴られている。
よくあるガイドブックとは変えたいという著者の希望で、お遍路を開始するための用意についても、用
意周到に全て書きつらねているわけではない。著者自身相当用意しながら、実際には使うことなく、捨
てたり、自宅に送り返したりした物がかなりあるという。ただ、遍路の証明である「白装束」は間違い
なく有効で、地元の方のお接待も受けることが出来るし、何より不審者扱いの恐れが小さくなる。
私たちが見慣れない「菅笠」も必需品で、強烈な土佐の陽射し除けや雨にも威力を発揮する。そして「
金剛杖」は強くついた音と足音でマムシ除けにも効果があり、歩き続け疲れた時にはとても頼りになる。
と著者の実感からくる解説が成る程と思わされた。
今ではバスやタクシー、さらにはヘリコプターで遥か上空から参拝することも可能だ。しかし著者が1
ヶ月以上歩き続けたことで経験したことを、実際に同じ様に感じる事は出来ない。本を読むことで著者
の経験から得た「お遍路」というものを追体験し、知ることが出来た。
お遍路入門 加賀山耕一 ちくま新書