よしーの世界

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お遍路入門   加賀山耕一

2022-11-12 08:08:22 | 
四国八十八か所を巡る「お遍路」がブームだそうだ。老若男女を問わず年間十数万人に上るという。私

が「お遍路」に行く事はまずないと思う(旅行は大好き)。それでもとても興味はある。本書には汗と

ほこりにまみれ、日に焼け、時には野宿もし、地元の人々との交流を交えながらの著者の実体験に基づ

く、現代お遍路考が綴られている。


よくあるガイドブックとは変えたいという著者の希望で、お遍路を開始するための用意についても、用

意周到に全て書きつらねているわけではない。著者自身相当用意しながら、実際には使うことなく、捨

てたり、自宅に送り返したりした物がかなりあるという。ただ、遍路の証明である「白装束」は間違い

なく有効で、地元の方のお接待も受けることが出来るし、何より不審者扱いの恐れが小さくなる。


私たちが見慣れない「菅笠」も必需品で、強烈な土佐の陽射し除けや雨にも威力を発揮する。そして「

金剛杖」は強くついた音と足音でマムシ除けにも効果があり、歩き続け疲れた時にはとても頼りになる。

と著者の実感からくる解説が成る程と思わされた。


今ではバスやタクシー、さらにはヘリコプターで遥か上空から参拝することも可能だ。しかし著者が1

ヶ月以上歩き続けたことで経験したことを、実際に同じ様に感じる事は出来ない。本を読むことで著者

の経験から得た「お遍路」というものを追体験し、知ることが出来た。


   お遍路入門   加賀山耕一            ちくま新書
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