福島の現実を知る人は当事者を除けば数少ない。マスコミ報道では取り上げることがほとんど無いし、原
発促進を決めている政府は話題にならない方がいいだろう。私自身余程気を付けなければ、福島の情報に
接する機会が激減している事に気づく。本書には新聞記者である著者が東京電力福島第一原子力発電所事
故を追い続けたことにより、私たちが知ることになる政府に不都合な真実がある。
東日本大震災の影響で原発事故が起きた時は日本国民に大きな衝撃を与えた。それまでも原発事故に対す
る懸念はあったが、絶対に安全であるという圧力を伴う大きな声にかき消され、信じ込むよう啓蒙されて
いた。しかし、実際に事故が起きてしまえば、政府は情報の流出を抑え、避難民を少数派に閉じ込め、触
れられないようにするための動きが見えた。
著者は丹念に当事者を取材し、キチンと声を聴き、記事にし、本書を執筆している。声を上げることが出
来ない東電現地採用者に取材をし、多重下請け構造の闇(時には身の危険を感じながら)を暴き、除染作
業員からはその実態を聞き調査し、世間に公表している。
自主避難者たちの受ける移住先でのいじめ、厳しい生活の現状を世間に知らしめ、原発を主導する政府、
官僚の本音に迫る。私たちが知らなければならない現実がそこにある。出来るだけ多くの人に読んでほし
い本だ。
地図から消される街 青木美希 講談社現代新書
発促進を決めている政府は話題にならない方がいいだろう。私自身余程気を付けなければ、福島の情報に
接する機会が激減している事に気づく。本書には新聞記者である著者が東京電力福島第一原子力発電所事
故を追い続けたことにより、私たちが知ることになる政府に不都合な真実がある。
東日本大震災の影響で原発事故が起きた時は日本国民に大きな衝撃を与えた。それまでも原発事故に対す
る懸念はあったが、絶対に安全であるという圧力を伴う大きな声にかき消され、信じ込むよう啓蒙されて
いた。しかし、実際に事故が起きてしまえば、政府は情報の流出を抑え、避難民を少数派に閉じ込め、触
れられないようにするための動きが見えた。
著者は丹念に当事者を取材し、キチンと声を聴き、記事にし、本書を執筆している。声を上げることが出
来ない東電現地採用者に取材をし、多重下請け構造の闇(時には身の危険を感じながら)を暴き、除染作
業員からはその実態を聞き調査し、世間に公表している。
自主避難者たちの受ける移住先でのいじめ、厳しい生活の現状を世間に知らしめ、原発を主導する政府、
官僚の本音に迫る。私たちが知らなければならない現実がそこにある。出来るだけ多くの人に読んでほし
い本だ。
地図から消される街 青木美希 講談社現代新書