元弁護士、元検事の書いた本はよくあると思いますが、元裁判官の本を読んだ記憶がありません。著
者は裁判官として31年の長きにわたって民事・刑事・家事・少年という多種多様な事件を担当して
いました。冒頭から担当した暗い理不尽な事件を数例紹介しており、気が滅入りますが、それが現実。
裁判官をしていると、いつ死刑判決事件の担当が来るか分からないと言っており、重い気持ちになり
ます。
著者は司法修習生の時に、先輩裁判官から「君のようなマイペースな人は検事や弁護士よりも裁判官
が向いているよ。休暇もしっかりとれるし」と言われたことがきっかけだったそうです。多趣味な著
者は「休暇が取りやすい」ということを魅惑的に思いますが、勿論、否応なく厳しい仕事に携わるこ
とになり、本書でも数々の厳しい事件の判決の現場に居合わせることになります。
それでも大事件が回ってくると、裁判官としてちょっとホッとした気持ちになるものです。と本音を
語っていますが、それは大事件の裁判ほど長引くので、自分で責任を持って判決文を書かなくて済む
という理由で、何とも人間らしいと思わされました。
裁判官として様々な事件を担当し、多種多様な人々と接することになりますが、一つ一つがドラマの
ようで、やるせなくなったり、和んだりする内容です。今はダイバーシティという言葉もよく耳にし
ますが、人間の業は一筋縄ではいかないと改めて感じました。
裁判官失格 高橋隆一 SB新書
者は裁判官として31年の長きにわたって民事・刑事・家事・少年という多種多様な事件を担当して
いました。冒頭から担当した暗い理不尽な事件を数例紹介しており、気が滅入りますが、それが現実。
裁判官をしていると、いつ死刑判決事件の担当が来るか分からないと言っており、重い気持ちになり
ます。
著者は司法修習生の時に、先輩裁判官から「君のようなマイペースな人は検事や弁護士よりも裁判官
が向いているよ。休暇もしっかりとれるし」と言われたことがきっかけだったそうです。多趣味な著
者は「休暇が取りやすい」ということを魅惑的に思いますが、勿論、否応なく厳しい仕事に携わるこ
とになり、本書でも数々の厳しい事件の判決の現場に居合わせることになります。
それでも大事件が回ってくると、裁判官としてちょっとホッとした気持ちになるものです。と本音を
語っていますが、それは大事件の裁判ほど長引くので、自分で責任を持って判決文を書かなくて済む
という理由で、何とも人間らしいと思わされました。
裁判官として様々な事件を担当し、多種多様な人々と接することになりますが、一つ一つがドラマの
ようで、やるせなくなったり、和んだりする内容です。今はダイバーシティという言葉もよく耳にし
ますが、人間の業は一筋縄ではいかないと改めて感じました。
裁判官失格 高橋隆一 SB新書