久しぶりに面白そうだと購入したニューズウィーク日本版は特集が「チャットGPTの正体」でした。私の会社でも社長が
試しに使ってみたようです。最初はざっくりした質問だったのが、いくつかワードを追加したところ興味深い回答が出てき
たと社内報に出ていました(因みに会社ではまだ不確定要素があるので仕事上で使うことは禁止だそうです)。
特集で加谷珪一氏(私も著作を読んだことがある経済評論家)が「チャットGPTは基本的に単語と単語の前後の関係性から、
次に来る単語を予測するという形(厳密には単語ではなく、単語をもう少し細かく分割したトークンという単位を用いている)
で文章を生成しており、一貫した価値観や認識というものがあって文章を生み出しているわけではない」と解説してくれてい
ます。そしてチャットGPTは単語と単語の関係性を学習目的で入力された大量のデータから推測するという。対話型AIが
急速に普及しているが、結局AIの質を担保するには社会全体の質ということになるそうだ。なるほど。
さらにAIの質はいわゆる集合知の議論と同じで、意見を述べる個人が独立し、個別の情報源を用いて初めて集合知が成立す
るということで、これが世界と比較して日本のネット空間では積極的に発言する人が著しく低い(閲覧するだけの人が多い)
ので、集合知に偏りが生じる可能性を指摘している。いずれにしてもすでに利用が始まっているので、広がっていくのは必然、
情報源を常に確認する必要がますます重要になっていきますね。
特集は「AIはスパイ組織の夢のツールだ」「生成AIは授業に生かせ」「AI『作品』は誰のもの?」と興味深い記事が続
きます。面白かったのは「ChatGPT vs.外交アナリスト」で生成AIに実際に国際情勢記事を書かせて、未だ完ぺきではないと
ころと可能性(勿論物凄いスピードで進化している)を検証しています。