宮下昌也の近況報告    MASAYA MIYASHITA 's News

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我が家の太陽光発電導入記

2015-02-09 | 壁画・デザイン

 太陽光発電導入、と言っても最近街道沿いに連立し始めた売電のための大きな発電システムではなく、DIYで作った小さな小さな独立型発電システムのお話です。

事のきっかけは夏の終わりの頃、ゲリラ豪雨で停電に見舞われた時のこと、最近こういった突然の低気圧は増える傾向にあるし、我が家の様な中山間地はこれからの事を考えると電力自給も具体的に考えた方が良いかもしれないね、と夕食時に家族で話し合った事でした。

太陽光発電については3・11後にawanovaで開催された藤野電力のワークショップをはずして以来、興味はあっても学ぶ機会が無く残念な思いをしていたのですが、あの頃、孫正義さんがメディアで言っていた休耕田にソーラーパネルを並べる電田プロジェクトなるものも、脱原発への素晴らしいアイディアだと思いきや、それらしきものが実際に現実の光景になって来たら何とも味気ない風景だし、そもそもお国はいっくらパネルが並んでも原発を止める気が全然ないし.....、さらにパネル自体は耐用年数を過ぎると毒性のある廃棄物になる?と言った話もあるしで、本当にいいものなのか.....、どうなのよ!
と思っていたのですが、結局、自分たちで試してみない事にはいくら考えていてもらちがあかないので、素人でも構築できるキットを購入して、小さなシステムを組み立ててみよう、という事に。
これに家族みんなで出資する事になり、いわば家庭で自前太陽光発電ワークショップをする、みたいな感じになりました。

キット購入にあたっては「実用性を実感できる発電量を得られる最小の大きさ」を検討して、200Wキットを選びました。

購入したキット内容はこちら。
http://item.rakuten.co.jp/looop-shop/set_200/

 

このキットを使って作った我が家のソーラーシステムボックスがこれです。


このボックスとソーラーパネルとお日様があれば何処でも電気が作れます。
ボックスの右上についているのがコントローラー。パネルで発電された電気はここを通ってボックス内のバッテリーに蓄えられ、左のインバーターでご家庭用100V電源に調整されます。

箱の中のバッテリーの状態。
持ち運びも考えて、ベルトで固定しました。

 

ソーラーパネルは今のところ、まだ庭先に仮置きした状態。

この状態を構築したのが10月1日のこと。それから4ヶ月経ち、太陽光発電について様々な学びが続いています。

まず、導入時はこのシステムで冷蔵庫が動くかをはじめに試したのですが、我が家の20年選手の冷蔵庫は残念ながらモータ起動時の消費電力が大きすぎて無理。ただ、これは発電量よりインバーターの容量の問題。
その後一番発電状態が解りやすい使い方を考えて、現在は台所、居間、など一番良く使う家の中心部の照明6灯をつないでいます。
発電量は晴れた日らな24時間問題無し。
お昼時なら電力が余っていて、もっと負荷を増やさないともったいないので、ケイタイ、タブレットの充電の他、懐中電灯、時計、ラジオに使っているニッケル水素電池、それと電動工具のリチウムイオン電池をマメに充電する様になりました。

こんな小さなシステムでも充電機器をつなぐことでかなり使い勝手は広がり、広子さんは仕事場用に工具と互換性のあるリチウムイオン電池で動く掃除機を購入。
今までの電線を伝って来る買う電気量をいかに減らすか?というマイナス発想の節電から、自宅で作った電気をいかに貯めるか?というプラス発想の節電に家庭内の意識が変化して来たことで、電力自給に関して今まで考えてもいなかった様々な可能性が見えて来ました。

ただ、雨の日が2日続くと電圧不足になるので、電気は蓄えが効かないということも実感。
今後このシステムをグレードアップするにはパネルを増やすより、まずバッテーリーを増やすべきだといった課題点も解って来ました。

当初、コントローラーやインバーターといった機器の役割すら理解できていなかったことを考えると、やはり体験に勝る学びは無しといったところで、太陽光発電導入のはじめのステップとしては、思った以上の収穫あり、といったところです。

また、このシステム導入後、2回爆弾低気圧による停電に見舞われたけれど、夜だったにもかかわらず居間と台所の照明が消えないので、はじめは誰も停電に気がつかず災害時の電源としては、すでに実力を発揮しています。

コスト的に考えても3・11の頃の太陽光発電ワークショップが確か50Wのシステム構築で5万円だったので、それにプラス1~2万円でその4倍の発電量を得られるシステムが作れるのは、かなり割安になって来ている感じがします。
ちなみに月々の電気代も500円程度安くなっているみたいなので、10年使い続ければこの小さなシステムでも元は取れるはず....。

また、パネルの耐用年数に関しては僕らの様なライフスタイルの先駆者である、エドワード・レビンソン&鶴田静夫妻が20年も前に作った1kWの太陽光発電システムを見学させてもらい、まだまだ充分活躍している様子を見て来ました。
彼らのセットは古い物だけあってインバーターもバッテリーもかなりごつい代物で、その辺我が家の機器より丈夫そうなので、こういった機器の耐用年数なども今後、様子を見て行きたいと思います。

 

最後に、このキットを導入する時に一緒に購入したワットモニター。

システムをつなぐにあたって、家中の電化製品の消費電力をこれで計って見ました。
自分たちの暮らしを支えているどの部分に、どれだけの電力が必要なのか、解る様になりました。

味噌や醤油作りも、薪作りも、畑仕事も、そして電気を作ることも......、自給的に暮らすことの一番のメリットは、普段当たり前に使っている暮らしを支える細部に意識的になれること。
意識的になれることで、その恩恵をより楽しめることだと思います。

 

 

 



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