栃木県鹿沼市で開催された第3回日本麻フェスティバで、野州麻紙工房・大森さんのカフェギャラリー納屋にて展示とワークショップを行ってきました。
江戸時代から続く大麻農家が15件集中してある永野地区のコミュニティセンターや小学校体育館で、麻に関しての講演や展示などが行われ、ギャラリーにも多くの人が訪れるこの時に合わせ、大森さんがセッティングしてくれた今回の展示とワークショップ、本当に沢山の方との出会いがありました。
古材を使い、壁紙は自分で漉いた麻紙を使用したギャラリー納屋。照明も全て大森さんの作品です。
開放的な広い空間。フェスティバ中は沢山のお客様で賑わいました。
麻紙の壁に絵が映えます。
奥は野州麻紙工房の常設ギャラリー。
麻紙の他、大麻繊維など種から育て、手を掛けて作られた製品の数々が展示されています。
今回の僕の目玉はこれです!
大森さんの育てた麻のオガラで作るヒンメリのワークショップ。
以前「オガラで何か出来ないでしょうかね.....?」と問いかけられてからずっと考えていたワークショップですが、試作を重ね今回初公開です!
ヒンメリは麦わらで作るフィンランドの伝統装飾品ですが、それを繊維を剥いだ後の大麻の茎を乾燥させたオガラで作る事で、麻に触れる機会を作り、理解を深めてもらうためのワークショップです。
ギャラリー二階のちょっと屋根裏部屋っぽい、居心地のいい桟敷スペースで終日受け付けていましたが、途切れる事無く受講者が訪れてくれました。
制作時間30分~1時間程度のワークショップとして設定しましたが、もっと複雑なものが作りたいと2時間かけて作って行った方もいました。
親子連れのお客様も多く、子供たちが楽しんでもらえる空間を作れた事が嬉しかったです。
近隣の農家のファミリーの方が、オガラのことををオンガラと呼んでいて、そう言った方言の事や、以前は実家でも育てていた事などを伺いました。
麻フェスティバルには農業、食品、ファッション業界の関係者、アーティスト、それから神道関係の方たちなど、若者から年配の方まで本当に色んな人が来ていて、麻に対して様々な方面から高い関心が寄せられている事を肌で感じました。
そう言った方達とワークショップの合間に様々な情報交換もでき、興味深い話も多かったです。
今年この地区の大麻は例年以上の出来らしく、このまま順調にいけば豊作とのこと。でも収穫前に数時間の雹で畑が全滅した経験もある、と大森さん。
社会システムが複雑すぎて大元が理解しづらい世の中ですが、日々の生活の中で僕らが手にする物は、人の手を経て大地から生まれた物である事を、栽培地で生産された作物を使ってのワークショップで感じてもらえたのでは?と思っています。
縄文時代の遺跡から利用の痕跡が発見されている、日本古来の栽培植物である麻の良さ、歴史を理解する事は、物つくりの原点、基本を理解する事につながる、と感じています。