Financial and Social System of Information Security

インターネットに代表されるIT社会の影の部分に光をあて、金融詐欺・サイバー犯罪予防等に関する海外の最新情報を提供

グーグルの最新検索エンジン(Desktop 3)に複数PCの司法当局等の無作為調査リスクが高まる

2010-10-30 11:11:31 | プライバシー保護問題



 Last Updated:March 31.2021

 PCに記録された記録についての米国連邦司法省(DOJ)からの資料提出要請(要請対象はAOL、Yahoo、マイクロソフト、Google)に対して拒否を貫いたGoogleであるが、「Desktop 3」についてはプライバシー権保護団体からは強い批判が出されていると専門メディアTheregister.UKUSAtodayが報じている。(WikipediaもDesktop 3のセキュリティやプライバシーからの懸念を指摘している )。なお、Googleは2011年9月にDesktopを継続しない旨を公表した。

 「Desktop 3」は、同社の従来の検索エンジンと同様PC内のファイルを検索するだけでなく複数のPC内のデータを追跡する機能を有している。そのために、旧バージョンと異なり、Googleのサーバー内に個人のテキスト・ファイルをいったんコピーし、検索後にもとのPCに戻すという仕組みである。
 このような新機能について、市場分析業者の「ガートナー」等は歓迎しているものの、一方でオンラインプライバシー保護団体である「Electronic Frontier Foundation」の弁護士フレッド・フォン・ローマン(Fred von Lohmann)はユーザーにとって極めて膨大なプライバシー・リスクであると述べている。

 ここで具体的に、データの流れを見ておく。
自宅のPC(Aと呼ぶ)と職場のPC(Bと呼ぶ)の双方に「Google Desktop」をダウンロードする。このことで、Aのインデックスをつけたすべてのファイルを職場で作成するWord、Excel、Acrobat、スプレッドシートのファイルにコピーが出来る。

 BはGoogleにサインインしてAで作成したファイルを検索して取り出すのであるが、Googleのサーバー内には30日間のみ保存されるため、利用されない場合はファイルは破棄されるという仕組みである。

 ローマン弁護士によると、自宅の個人PC内の個人情報はGoogleのサーバー内にもあり、相互に利便性を共有するのである。その結果、利用顧客はGoogleのパスワードを違法に入手した民事訴訟の原告(private litigants)や司法当局等の召喚状(subpoenas)(注)の危機にさらされることになる。より具体的なリスクはEFFのケビン・バンクストン(Kevin Bankston)弁護士によると、税還付申告、ラブレター、ビジネスの記録、金融取引情報、医療情報等のファイルがコピーされてしまうと述べている。従来、これらの情報入手は司法当局の家宅捜査令状というより召喚状が用いられてきたが、今後はその手続きさえも通知なしに行われると警告している。

 一方、Googleのスポークス・ウーマンはこの点について、プライバシー保護の問題は同サービスの開発時点での考慮事項で、銀行の口座情報等通信途上ならびにGoogleのサーバー内で暗号化されていたり、また、パスワードで保護されている「secure Webページ」については、Googleのサーバーから簡単に削除が可能であると述べている。すなわち、召喚状問題について、Googleはサーバーに保管されたファイルの内容について、法律手続きに従うことは当然であるが、司法当局等から提出を求められた場合は特に禁止されている場合を除きユーザーにその旨通知すると述べている。

(注)「罰則つきの召喚状・証拠提出命令状」とは、証人の出頭,証拠の提出に関して,従わないときには処罰する旨記された令状で, 裁判所や議会から出されるもの。

〔参照URL〕
http://www.theregister.co.uk/2006/02/10/google_desktop_privacy_kerfuffle/

http://www.usatoday.com/tech/news/computersecurity/2006-02-09-google-privacy_x.htm

Google Desktop 3に新たな懸念が浮上--使用禁止の企業も - CNET Japan

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(今回のブログは2006年2月11日登録分の改訂版である)

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米国のISP(AOL)等による認証Email( Certified Email)サービス導入の動き

2010-10-30 10:38:59 | 情報セキュリティの新課題



 AOLとYahoo!は、広告主が顧客に送る商業用Emailについてスパム、フィッシング、ウイルスなどの防止のため広範囲で認証済E-mail(authenticated Email)のみ送信する新サービスを開始する予定である。認証手数料は1,000メッセ-ジあたり2ドルから3ドルであるが、マーケットの専門家は一種の「メール課税」であるとも述べている。AOL等の技術パートナー企業のCEOは、このサービスの特徴にはついて以下のとおり述べている。
①受信者のインボックスへ直接「認証済メール」を送信するため、フィルターを経由しないかたちでありながらスパム、フィッシング、ウイルス、詐欺から消費者を保護する。
②認証Emailはメールや画像(HTMLグラフィック)とのリンクを可能とする。スパムフィルターの使用によって影響が出がちなイメージ情報の自動転送についてAOLが保証する。
③メッセージの配信・確認記録をトレースできる仕組みを持っている。いわば、配達証明郵便と同様の機能を持っている。

 Yahoo!は、財務諸表(financial statements)や出荷指示確認(shipping confirmations)などの取引メール用に利用するとしている。また、AOLは世界2550万人のユーザーにウェブリンクやイメージ情報が的確に届くことになると述べている。

 すでに同システムは、ニューヨークタイムズ社、米国赤十字が申し込んできており、電子メール・マーケテイングの伸びが2005年の8億5000万ドル(約1044億円)から2010年には11億ドル(約1298億円)になると予想される中で、簡潔かつ公正なメールサービスのセキュリティ面の改善に貢献するであろうといわれている。

 なお、このニュースは2004年8月12日に”ComputerWorld”等が概要を報じている

【筆者追記】

Gmailも、以下のとおり商業用Emailに関する認証手順(Prevent mail to Gmail users from being blocked or sent to spam - Gmail Help (google.com))の解説を行っている。

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(以下の部分は2010年10月30日現在、白紙であるが、適正な委託先が見つかればあらためて検討したい)

 以上が2006年2月5日付け「USA TODAY」の記事ならびに技術パートナー企業の資料を基にまとめた内容であるが、今一番説明がわかりにくい。

 関心のある方は以下の先に申し込んでいただければ詳細資料のURLを後日ご連絡する。
 
 なお、連絡いただいた内容については、個人情報保護法ならびに関係省庁のガイドラインに基づき「×××」が善良なる管理者の注意義務を厳格に履行し、ブログ情報の発信のみに利用すること、ならびに第三者へ情報提供を行わないこととする。
(1)本件 欄:認証EmailのURL希望
(2)本文:①送信先メールアドレス
②法人の場合:企業名(フリガナ)
個人の場合:姓名(フリガナ)

(今回のブログは2006年2月7日登録分の改訂版である)

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