ご存じの方もおいでかと思いますが、私は死ぬほど虫が怖い。
虫に言わせれば「お前の方がよっぽど怖い!」ときっと言う。その理屈は理解できても、怖いものは怖いのだ。
そんな私。39年前の2度目の妊娠中、聞いてもいないのに先生が「次は性別違うみたいだよ~」とニコニコしながら仰った。
そうか、お腹の子は男の子なのか。だったらあたし、一大決心しなきゃならないことがある。
男の子で虫が怖いとか、絶対可哀相だよね?私が怖がることで、虫は怖いものだって思わせちゃダメだよね?
息子が生まれたら、息子の前で、一切虫を怖がらない!これが私の一大決心の中身だった。
しかしそれによって、今思い出しても身の毛もよだつような経験を、幾度もしました。
まだ5歳くらいの頃。当時京都の嵐山近くに住んでいました。豊かな緑に囲まれた、子育てにはとても良い環境。ある夏の日、玄関で「まま~!ただいま~!見て見て~これ」と言って私に差し出したのは、幅30センチ、長さ50センチくらいの麻袋。閉じた口をギュッと握ったその袋からは「ミーンミーン ジジジジ・・・」セミがびっしり、袋が膨れるほどに入っていた
よくぞ気絶しなかったと思います。
「あ、あ、あ、あのね、セ、セミさんが苦しいって鳴いてるよ。そんな所にギュウギュウに詰め込んだら可哀相でしょ?き、木の所に戻って、ふ、袋から全部出してあげて!セミさんを助けてあげて!〇〇なら出来るよね?」
あの時の、誇らしげに麻袋を抱えた息子の姿は、私の頭の片隅に、ハッキリとした映像で残っています。
多分あの時、凄く声が震えてた。素直な息子は「うん、わかった!助ける!」そう言いながらまた出て行ってくれました。
私?私は息子が出て行ったあと、廊下に崩れ落ちましたよ。心臓バクバクさせながら、肩で息をしながら。笑
小学生になると、今度はカブトムシをつがいで飼いたいと言う。虫かごの中に入っていれば、大丈夫よね?でもその姿、見るのもちょっと嫌だけど、そうか!見なきゃいいんだ。
ある時子供部屋のドアを開けると、息子がカブトムシをかごから出して遊んでいた。その時も倒れそうになったけど、何事もないフリをして、急いで部屋から出た。部屋の外から「カブトムシはね、あんまり触られたくないと思うから、早くかごに戻してあげてね」
毎年夏になるとカブトムシを飼いたがった息子は、すっかり虫好きな男の子になっていました。
私は子供部屋に入る度に、虫かごを見ないようにして、ササッと掃除を済ませて部屋を出ていました。でも怖いから、つい見ちゃうんですよね。ちゃんとかごの中にいる?って。
怖くないフリをしていたのは、息子が小学生の間だけ。その後は本当は虫が怖いのだということを理解して貰いました。
たまにGが出ると「ギャーー!早く来て~!Gが出たー-!」平気な顔をしてGを退治してくれる息子を、どれほど心強く思ったことか。
23歳で結婚した息子を送り出す時「これからあたし、どーすんのよ?虫が出たら」と一番に思ったことは、息子には内緒。
虫に言わせれば「お前の方がよっぽど怖い!」ときっと言う。その理屈は理解できても、怖いものは怖いのだ。
そんな私。39年前の2度目の妊娠中、聞いてもいないのに先生が「次は性別違うみたいだよ~」とニコニコしながら仰った。
そうか、お腹の子は男の子なのか。だったらあたし、一大決心しなきゃならないことがある。
男の子で虫が怖いとか、絶対可哀相だよね?私が怖がることで、虫は怖いものだって思わせちゃダメだよね?
息子が生まれたら、息子の前で、一切虫を怖がらない!これが私の一大決心の中身だった。
しかしそれによって、今思い出しても身の毛もよだつような経験を、幾度もしました。
まだ5歳くらいの頃。当時京都の嵐山近くに住んでいました。豊かな緑に囲まれた、子育てにはとても良い環境。ある夏の日、玄関で「まま~!ただいま~!見て見て~これ」と言って私に差し出したのは、幅30センチ、長さ50センチくらいの麻袋。閉じた口をギュッと握ったその袋からは「ミーンミーン ジジジジ・・・」セミがびっしり、袋が膨れるほどに入っていた
よくぞ気絶しなかったと思います。
「あ、あ、あ、あのね、セ、セミさんが苦しいって鳴いてるよ。そんな所にギュウギュウに詰め込んだら可哀相でしょ?き、木の所に戻って、ふ、袋から全部出してあげて!セミさんを助けてあげて!〇〇なら出来るよね?」
あの時の、誇らしげに麻袋を抱えた息子の姿は、私の頭の片隅に、ハッキリとした映像で残っています。
多分あの時、凄く声が震えてた。素直な息子は「うん、わかった!助ける!」そう言いながらまた出て行ってくれました。
私?私は息子が出て行ったあと、廊下に崩れ落ちましたよ。心臓バクバクさせながら、肩で息をしながら。笑
小学生になると、今度はカブトムシをつがいで飼いたいと言う。虫かごの中に入っていれば、大丈夫よね?でもその姿、見るのもちょっと嫌だけど、そうか!見なきゃいいんだ。
ある時子供部屋のドアを開けると、息子がカブトムシをかごから出して遊んでいた。その時も倒れそうになったけど、何事もないフリをして、急いで部屋から出た。部屋の外から「カブトムシはね、あんまり触られたくないと思うから、早くかごに戻してあげてね」
毎年夏になるとカブトムシを飼いたがった息子は、すっかり虫好きな男の子になっていました。
私は子供部屋に入る度に、虫かごを見ないようにして、ササッと掃除を済ませて部屋を出ていました。でも怖いから、つい見ちゃうんですよね。ちゃんとかごの中にいる?って。
怖くないフリをしていたのは、息子が小学生の間だけ。その後は本当は虫が怖いのだということを理解して貰いました。
たまにGが出ると「ギャーー!早く来て~!Gが出たー-!」平気な顔をしてGを退治してくれる息子を、どれほど心強く思ったことか。
23歳で結婚した息子を送り出す時「これからあたし、どーすんのよ?虫が出たら」と一番に思ったことは、息子には内緒。
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