ねこなんて大っ嫌い

ってずっと思ってたのに。
死にそうな子ねことの出会いが生きる力を与えてくれました。
バツ2でも結構幸せにやってます!

若い人に教わったこと 雑記-72

2017-04-26 05:55:55 | 雑記
花の美しい季節です。こちらは淡乙女(うすおとめ)でしょうか。職場近くに咲いている花ですが、少し前に撮影したもの。今はもう盛りを越えてしまいました。

春は生活にも変化が起こる季節でもありますね。今回の話は、それとは関係無いのですが、折しも季節は春。一人の若者が巣立って行くお話しです。

母を迎え入れた翌年の春、私達の住むマンションの近くに鍼灸整骨院がオープンしました。プレオープンの日からお世話になり、母かずえなど、そのために生きているのでは・・・というくらい、楽しみに日参しました。(若い男性の先生ばかりだったのがとても嬉しかったようです)

当時院長はまだ25歳。私の年齢の半分にも満たない若者ですが、とても勤勉で努力家で、そしてその技術の高さには目を見張るものがありました。

20年くらい前に、事故で第二腰椎を圧迫骨折し、その影響でガタガタだった私の身体を、親身になり、その知識をフル稼働させて治療にあたってくれていました。日々のストレッチも指導して貰い、徐々に快方に向かいつつあった頃、Nさんという若者が整体師として配属されてきました。

整体師としての経験が浅く、若いNさんは、意気込みだけは人一倍ありましたが、治療の後、ちっとも身体が楽になりません。それでもしばらくは我慢して通いました。それほど毎日痛みで辛かったからです。

ところが運悪く?しんどい時に限って、私の治療にはNさんがあたります。(順番だから仕方ないのです)若い頃、よく友人に言われました。「〇〇は、自分に厳しいけど、他人にも厳しいよね」と。もしかしたら、仕事として、人様からお金を頂戴して行うことに関して、特に厳しいかもしれません。年をとっても変わってないっちゅうこっちゃがな~

週に2~3回通う私にNさんがあたると、可哀相なほど緊張しているのが伝わってきました。治療が終わった後に「どうですか?痛みは取れましたか?」と私に尋ねる声も、怯えを含んでいるようでしたが、「うん、痛みは取れてない」とハッキリものをいう私に、とても申し訳なさそうな顔をしていたのを思い出します。

もう通うのを止めようかとも思いましたが、私の様子でそれを感じ取った院長は、少し待って頂けるなら・・・と、自らが私の治療にあたってくれるようになりました。

院長と、例え大きな実力の差があったとしても、Nさんにとって、それは屈辱的なことだったでしょう。それでも彼は、腐らずめげず、院が終わってからも、院長から指導を受け、技術を上げるために懸命な努力をしていたようです。

「院長が他の患者さんの治療中、あのドアを開けて〇〇さんが入って来られると、ボク、背中から冷たい汗が大量に流れてました」

「ちょっとぉ、あたしのこと鬼か化け物みたいに言わないでよー」 いやまぁ、実際鬼みたいなものなんですけどね。

それでも彼は、私が院へ行く度に、必死で話し掛けてきては、何とかコミュニケーションを取ろうと一生懸命でした。丁度その頃ブログを始めた私は、それを彼に話しました。

すると、それからは「今日のかずえさんの記事、めちゃくちゃ面白かったです!」とか「〇〇さんのブラジャーの話、大爆笑しましたよー」とか「今日初めて3位になってました!凄いですねー」など、毎回必ず私のブログの感想を、楽しそうに話してくれるのです。

私にはとても真似のできないことだと思いました。自分を否定した相手に、自ら進んでコミュニケーションを取りにいくなんて。

その素直さと屈託の無さが、仕事仲間からもこうして可愛がって貰える最大の理由だったのでしょうね。
院長の教育の賜物なのか、たまたまなのか、この院の整体師さん達は、本当に心から患者のことを親身に考える誠実な方ばかり。

彼はこの春、結婚するため地元に帰ることになりました。院長は、懸命に育てたNさんが離れてしまうことを、一番残念に思ったことでしょう。そこには色々な事情があり、その全てを飲み込んで、笑顔で見送ろうとしています。(左:Nさん 右:院長)

あ、これ、2年前の院長の誕生日会に私が描いて持って行った特大ポスターです。我ながら、よぉ似てるわぁ~。
老けててとても26歳には見ないので、タスキを掛けて頂きました~


ここ半年くらいは、院長の的確な指導のお陰で、毎日のストレッチや体幹の筋肉を強化する運動を自宅で行っているため、通院は月に一度あるかないか、という状態まで回復しました。何より、痛みのない日常を過ごせるというのが、本当に嬉しいことです。

彼の最後の勤務の日、久し振りに院を訪れました。その日は朝からとても忙しく、受付終了時刻ギリギリに滑り込みました。そして、院長の計らいで約2年半ぶりに、この院での彼にとって、最後の患者として治療して貰うことになりました。

「腕、上げたねぇ。遊びも無駄もどこにも無い。本当によくがんばったね。それも凄いことだけど、私が一番凄いと思うのは、私のような嫌な患者に、どこまでも喰らいついてきて、諦めないその気持ちの強さ。私にはとても真似できないと思ったよ。その根性があれば、この先どんなことがあっても、絶対に乗り越えていけるね。嫌な思いも掛けちゃったけど、ごめんね。ホント、ありがとう。」
施術をしながら、彼は泣いていました。

「〇〇さんのような、厳しくて、でも優しい患者さんのお陰で、そして、ボクを最後まで見捨てないで教え続けてくれた院長のお陰で、今のボクがあります。本当に感謝しています。」

「最後に、お姫様抱っこして、写真撮らせてください!!」
「バカヤロ!大事な腕が折れるわ」

と言いつつも、こうして逆セクハラでは無く、完全なるセクハラで、最後まで彼を困らせてしまいましたけどね。食えねぇババァだ

本日の記事は、きっとここを見てくれているであろう、
Nさんへのはなむけとして書かせて頂きました。こんなんでごめんよ~
ねこ好きでもないのに、毎日読んでくれてありがとう
これからも、ひとりでも多くの痛みを持つ患者さんを、その腕で助けてあげてください。


ホントにいいの~?真に受けて全員顔出ししちゃったよ~
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